別れの歌にも聴こえるけれど、「大切な人たち」を思って歌った曲

──カップリング曲の「想い出の宝箱」も、表題曲と同じくバラードで、やはり別れを連想させる歌詞になっていますが、こちらはどんな思いで歌われました？

「想い出の宝箱」も別れの歌にも聞こえるんですけど、私は友達だったり家族だったり、自分にとって大切な人たちのことを考えて、その人たちに向けて歌いました。最初にデモを聴いたときの印象が、あんまり悲しい感じではなかったんですよね。なので、どちらかと言えばポジティブな気持ちで歌いました。たぶん、聴く人によって受け取り方が変わる曲だと思います。

──確かに、サビの「巡り合えた 奇跡だねと 君と話せたら そんな日がきっと待ってるよ」という一節などは、希望を感じさせますね。

そうですね。もう会えなかったら後悔の歌になっちゃうんですけど、歌詞の中では「今度会えた時は」と、再会したときのことを考えているので。あと「想い出の宝箱」は、「Misty」よりも音域が高めなので、いつもより伸び伸びと歌うように意識しました。オケの音もすごい豪華な感じなので、それに負けじと気持ちを込めて。なので、そこも聴いていただけたらなと。

──東城さんの歌声は、一聴すると力強い低音域に耳がいくのですが、高音にも色気がありますね。

ありがとうございます。もともと地声が低いので、低音域が得意ではあるんですけど、高音も好きですね。ただ、低音域に比べると苦手なほうなので、今後は高音域も強化していきたいです。

尊敬するアーティストは、藍井エイル

──今回のシングルは2曲ともバラードでしたが、今後はどんなジャンルの曲を歌いたいですか？

バラードは好きなのでこれからも歌い続けたいですが、アップテンポの、ロック系の曲にも挑戦してみたいですね。バンドサウンドにも憧れがあるので。

──普段からバンドも聴かれます？

はい。Raphaelとか、ちょっとヴィジュアル系寄りのロックバンドが好きですね。あと、ほとんどなじみのないジャンルなんですが、ダンスっぽい曲も歌ってみたいです。自分でもどんなふうになるのか想像がつかないので（笑）。

──さまざまなジャンルの曲を歌う以外で、現時点で目指しているアーティスト像みたいなものはありますか？ あるいは目標とする、尊敬するアーティストとか。

尊敬するアーティストさんはたくさんいるんですが、今一番好きなのは藍井エイルさん。

──ああ……。活動休止されて残念でしたね。

音楽がとても好きなだけに残念でしたが、いつか活動を再開してくれることを願っています。

──藍井エイルさんは、それこそロックをガンガン歌われてましたからね。

本当にカッコいいなって。恐れ多いですが、私も藍井エイルさんのような強い個性を持ったアーティストを目指したいです。

ライブでは遊園地に行くようなわくわく感を提供したい

──今後は当然ライブ活動も展開していくわけですが、どのようなステージにしたいですか？

私にとってライブって、チケット代の関係もあってそんなに頻繁に行けるものではないんですね。だからこそ、たまの楽しみというか、例えば遊園地に行くような気分でライブに行くし、今度の土曜日にライブがあると思えば、「月曜日から金曜日までがんばれる！」という気持ちになれますし。

──わかります。週末までにこの仕事を終わらせれば思う存分ライブを楽しめる、みたいな話ですよね。

そうです。楽しみが待ってるから耐えられる、みたいな。だから、やはり自分がライブをする側になったらファンの方にもそういう気分を味わってもらいたいんですよね。別に、東城陽奏のライブまで何かに耐えてくださいっていうわけじゃないんですが（笑）。皆さんにも遊園地に行くようなワクワク感、非日常感を提供できたらいいなと思います。