EDRはライブの現場で徐々にできあがった

──EDRという音楽性はどのようにして生まれたんですか？

REI　ベースは僕ら全員が好きな音楽を折衷したというのがあるんですが、一番大きかったのは上京して、東京・morph-tokyoでいろんなライブに出るようになってからです。EDRはライブの現場で徐々にできあがっていきました。

U　morph-tokyoのスタッフの方が「THE BEAT GARDENのスタイルならイケる」って、ダンスボーカルグループのイベントと、バンドのイベントの両方にどんどんブッキングしてくれたんです。そしたら盛り上がる曲がダンスボーカルグループのイベントとバンドのイベントとで真逆だったんです。どうせ出るなら、どちらのイベントのお客さんにも同じように楽しんでもらいたかったからいろいろ試行錯誤しました。バンド演奏の音圧に負けないサウンドや、ダンスボーカルグループの人たちに揺れてもらえる工夫についてみんなで話し合ったり。

──ライブで徐々に自分たちの音楽性が確立していったと。

REI　本当にライブの現場では学ぶことが多かったですね。僕の打ち込みは完全に独学なので、最初は何も知らなくて。当時はmorph-tokyoのスタッフの方に「オケがひどい。音圧がなさすぎ。ミックスとかマスタリングはちゃんとやってんの？」ってすごい言われました。そこからまた勉強して。当時はそのミックスとかマスタリングの意味がよくわからなくて、10時間くらいかけてネットで調べたりしてました。

SATORU　そしてその知識をREIくんが噛み砕いて、僕らに教えてくれていました（笑）。

新しいTHE BEAT GARDENとして芽を出したい

──皆さんは歌を聴かせることに強いこだわりを持っていると同時に、ダンスミュージックも志向していますよね。でもこの両者は突き詰めて考えると反対のベクトルだと思いませんか？

U　それは4人でよく話すんですけど、僕らはやはり歌とダンスの両方を大事にしていきたいんです。例えば洋楽のライブに行って、自分が覚えた1フレーズが聞こえるとさらに体を揺らしたくなるじゃないですか？ だから歌詞によって心がワクワクして、さらにサウンドがそれを増幅させて踊れるような、そんな音楽をやりたいんです。

──今後は「NUMBER SHOT 2017」などいろんなイベント出演を経て、ツアーが予定されていますね。アルバムリリースを控えたこの夏のライブはどのようなものになりそうですか？

SATORU　僕らのことを知らない人がいっぱいいる場所でやるときは、とにかく1人でも多くの人に知ってもらいたいという気持ちがありますね。ワンマンでは僕らが楽しんでる姿を観て、お客さんにも楽しんでもらいたいです。

REI　今までは似てる曲が多かったこともあってライブで起承転結が作りにくかったんですよ。でも「I'm」を作ったことで、より感情の流れを感じられるようなセットリストを作れるかなと思ってます。だから僕らもすごくライブを楽しみにしています。

──ツアーでは皆さんの地元関西でもライブがありますね。

MASATO　そうなんです。ツアーのタイトルは「Sprout Tour」というんです。「Sprout」には“芽”という意味があって。今回はメジャーデビュー後初のツアーだからこれが1歩目という気持ちで臨みます。「I'm」を聴いた人たちと、ここから大きくきれいに咲いていきたいですね。

U　今回のアルバムにはライブをイメージできるようになって作った曲が入ってるんですよ。今までは本当に何も決めずにパフォーマンスしてたんですけど、ワンマンライブではもうちょっとショー的な要素も含んだことができると思います。その意味でも、新しいTHE BEAT GARDENとして芽を出したいですね。

──先ほど、結成時は漠然とした「成功したい」という夢があったと話していましたが、今の段階ではその夢はどうなっていますか？

U　日本武道館のステージに立ちたいです。これからイベントをたくさんこなして、東京と大阪だけではなくて、全国でワンマンできるようになって、ホールツアーもやりたい。そして武道館にたどり着けたらと思っています。武道館の夢を叶えたら、東京ドームでの単独公演を目指したいですね。