ナタリー PowerPush - The Strypes×OKAMOTO'S

アイルランド×日本 同世代R&R対談実現

ライブ中は水を飲んでる時間すらもったいない

──ショウくんとコウキくんは今回のジャパンツアーで初めてThe Strypesのライブを観たそうですが?

The Strypes

ショウ すごくよかったですよ。目の前に出される曲たちが全部OKAMOTO'Sが好きなところのど真ん中を突いてくるから、最初から最後まで楽しかったですね。

──僕も今回のツアーで初めて彼らのライブを観ましたが、始まった瞬間にニヤニヤしちゃうというか、ロック好きにはたまらない要素満載なライブだと思いました。

ショウコウキ うんうん。そうですね。

ショウ しかも、ボーカルのロスがライブの間、水をまったく飲まないことに驚きました。

ロス・ファレリー(Vo, Harmonica) ライブ中は普段からあまり水を飲まないんだよ。飲んでる時間すらもったいないし(笑)。本当は喉のためにも飲むべきなんだろうけどね。

ショウ でも、水も飲まずにずっとクールに歌ってる感じがすごくカッコよかったよ。

──実はThe Strypesの皆さんにはインタビュー前に、OKAMOTO'Sの曲を聴いてもらったんです。

OKAMOTO'S一同 おお! どの曲ですか?

レイジ 俺ら、やってる音楽の幅が広いから、何を聴いたかで印象が変わるよね。

The Strypesスタッフ 「JOY JOY JOY」です。

レイジ あー、シングルか。いや、実は「共犯者」っていう曲があって、それをオススメしたいな。

ハマ さっき聴いたのを、1回リセットしてもらおう(笑)。

(レイジ、「共犯者」をThe Strypesのメンバーに聴かせる)

レイジ こんな感じ。

ピート・オハンロン(B, Harmonica)

ピート このブルースハープは誰が吹いてるの?

ショウ ゲストプレイヤーに吹いてもらっていて。これがOKAMOTO'Sのルーツが一番色濃く出た曲かな。

ピート うん、クールだね。

ハマ 最初に聴いてもらった「JOY JOY JOY」は、日本の音楽マーケット向けに作った曲だから。

一同 あははは!(笑)

対バンするなら“Blues Off”ってタイトルでやろう

──今日はせっかくの機会なので、お互い気になることをぜひ聞いてもらいたいと思います。

レイジ 1つ気になってたことがあって。俺らがバンドを始めた頃は周りに同年代のバンドがほとんどいなくて、一番若くて25歳くらいだったんですよ。でもここ2、3年で同年代のバンドや年下のバンドが急激に増えてきたんですけど、アイルランドにはThe Strypesと同年代のバンドっているんですか?

左からジョシュ・マクローリー(G, Vo)、エヴァン・ウォルシュ(Dr)。

ジョシュ イギリスにはジェイク・バグとか数組いるよね。ダブリンにも自分たちと同年代のアーティストはいるんだけど、そこから国外に出ていくような人たちはいないかな。

エヴァン OKAMOTO'Sのライブでは、観客の年齢層ってどれくらいなんですか?

ハマ 昔はおじさんが多かったよね。

エヴァン 僕らと一緒だ(笑)。

レイジ 最近は俺らと同年代のお客さんが増えたよね。女の子も男の子も同じくらいの割合で。

ジョシュ お客さんのウケは、さっき聴かせてもらったルーツ寄りの曲と、日本の音楽マーケット向けに作った曲とで、同じくらい盛り上がるの?

ショウ 俺らのライブによく来てくれるファンはどっちの曲でも盛り上がるんだけど、アウェイの会場に行くとルーツ寄りの曲でちょっと苦戦するかな。でもそういったファン以外の人たちにも、ちゃんと自分たちのルーツを伝えていきたいと思ってる。

ハマ・オカモト(B)

ハマ The Strypesの客層ってどんな感じなの?

コウキ 今回の来日公演を観る限りでは、日本では俺らのライブよりも若干年齢層が高め。フジロックに行ってそうな感じの客層だったかな。

ジョシュ 日本のお客さんはとにかくノリがよくて、それでいて演奏をちゃんと聴いてくれてる。そこが本当に素晴らしいと思うんだ。

ショウ 逆に俺らが海外に行ってライブをすると、お客がみんな好き勝手に踊ってるよな(笑)。

レイジ それがいいっていうのもあるし。

ハマ もし俺らが今度ツアーするときは、ガレージロックのカバーだけの日を作って、ぜひThe Strypesと対バンライブをしたいね。

ジョシュ “Blues Off”ってタイトルでやろう(笑)。

ショウ いいね!

自慢のレコードでも共通する部分が多いね

レイジ せっかくだから、それぞれが持ってる自慢のお宝レコードを教えてもらいたいですね。

ショウ ああ、それは知りたい!

エヴァン Dr. Feelgoodの「Down By The Jetty」と、エルヴィス・コステロの「My Aim Is True」かな。

ロス・ファレリー(Vo, Harmonica)

ロス 僕も一緒だね。

OKAMOTO'S一同 おおっ!

レイジ コステロかあ。コステロはすげえなあ。

ジョシュ 僕はデイヴ・エドモンズの「D.E. 7th」。ちなみにOKAMOTO'Sのみんなは?

コウキ 俺はあれだな、Lew Lewis Reformer。

The Strypes一同 ああー! いいねえ!

エヴァン 僕も大好きだな。

ハマ 俺はShadows Of Knightのライブ盤。あれ、なんてタイトルだっけ? ロウ……ナンチャラってやつ。

ショウ 白黒のジャケットのやつだよね。(注:1992年発売の「Raw 'N Alive At The Cellar, Chicago 1966!」)

ジョシュ 今度チェックしてみるよ。

レイジ 俺は……決めらんねえなあ……「Nuggets」かなあ。(注:1972年発売のガレージロックコンピレーションアルバム「Nuggets : Original Artyfacts From The First Psychedelic Era 1965-1968」)

ジョシュ あれはガレージロックファンにはバイブルだよね!

ショウ 俺は何だろうなあ……自慢のレコード……ジョー・ジャクソンとか……。

The Strypes一同 ジョー・ジャクソン! 「Look Sharp!」とかいいよね!

ショウ 「Look Sharp!」もいいよね。何にしようか……The Sonicsの1stかなあ。

ジョシュ 僕らもThe Sonicsの「Shot Down」をカバーしてるよ。やっぱり共通する部分が多いね。

好きな音楽にはロックのテイストが入っちゃう

レイジ 最近のバンドで興味がある人たちは?

エヴァン Arctic Monkeys、The Black Keys、ジャック・ホワイトかなあ。

オカモトショウ(Vo)

OKAMOTO'S一同 ああー。

ショウ そこも一緒だ。

レイジ じゃあロック以外で興味がある音楽は?

エヴァン 個々でいろいろ聴いてるけど、結局何を聴いても若干ロックのエッセンスやアティチュードを取り入れてるものが好きなんだよなあ。

ショウ なるほど。だいたい好きな音楽にはロックのテイストが入っちゃうよね。

ジョシュ うん。極論だけどギターが入った音楽が好きなんだよね。OKAMOTO'Sはどうなの?

レイジ 俺は個人的にガレージロックも好きだけど、ヒップホップもすごい好きで。

ジョシュ 僕もヒップホップのリリックがけっこう好きだな。ただ残念なことに、男尊女卑的だったり人種差別的だったりする歌詞が多くて、そこを前面に出されるとちょっとね。

The Strypes ニューアルバム「Snapshot」/ 2013年9月11日発売 / ユニバーサルインターナショナル
日本独自企画デラックス盤[SHM-CD+DVD] 3200円 / UICR-9035
通常盤[CD] 1980円 / UICR-9036
収録曲
  1. ミステリー・マン
  2. ブルー・カラー・ジェーン
  3. ホワット・ザ・ピープル・ドント・シー
  4. シーズ・ソー・ファイン
  5. アイ・キャン・テル
  6. エンジェル・アイズ
  7. パーフェクト・ストーム
  8. ユー・キャント・ジャッジ・ア・ブック・バイ・ザ・カヴァー
  9. ホワット・ア・シェイム
  10. ホームタウン・ガールズ
  11. ハート・オブ・ザ・シティ
  12. ローリン&タンブリン
  13. アイム・ア・ホグ・フォー・ユー・ベイビー
  14. モンキー ※日本盤ボーナストラック
  15. ショット・ダウン ※日本盤ボーナストラック
  16. イット・エイント・ライト(Live) ※日本盤ボーナストラック
日本独自企画デラックス盤DVD 収録内容
  • ブルー・カラー・ジェーン(MusicVideo)
  • ホームタウン・ガールズ(MusicVideo)
  • ホワット・ア・シェイム(MusicVideo)
  • ミステリー・マン(MusicVideo)
  • ブルー・カラー・ジェーン(ライブ映像)
  • ホームタウン・ガールズ(ライブ映像)
  • ホワット・ザ・ピープル・ドント・シー(ライブ映像)
OKAMOTO'S ニューシングル「SEXY BODY」/ 2013年11月6日発売 / アリオラジャパン
初回限定盤[CD+DVD] 1600円 / BVCL-550~1
通常盤[CD] 1260円 / BVCL-552
収録曲
  1. SEXY BODY(Words Produced by いしわたり淳治)
  2. 恋のビート
[Bonus Track]
  1. I LOVE ROCK'N'ROLL -CM Version-
[おけいこ用Track]※初回限定盤のみ収録
  1. JOY JOY JOY -Guitarless Mix-
  2. JOY JOY JOY -Bassless Mix-
  3. JOY JOY JOY -Drumsless Mix-
  4. JOY JOY JOY -Vocalless Mix-
初回限定盤特典DVD
  • 「OKAMOTO'Sのおけいこ -JOY JOY JOY編-」
サイン入りポラロイドプレゼント
対談当日に撮影したサイン入りポラロイド写真を、ユニバーサルミュージックインターナショナルのオフィシャルTwitterでプレゼント中!! 各パートごとに撮った貴重な2ショット写真4組!!
The Strypes(すとらいぷす)
The Strypes

アイルランド出身のロス・ファレリー(Vo, Harmonica)、ジョシュ・マクローリー(G, Vo)、ピート・オハンロン(B, Harmonica)、エヴァン・ウォルシュ(Dr)により2011年に結成された、平均年齢17歳のロックバンド。Dr. FeelgoodやYardbirds、The Rolling Stones、チャック・ベリー、ボ・ディドリーなどから強い影響を受けたロックンロールサウンドが魅力で、地元アイルランドやイギリス、ヨーロッパのライブハウスやフェスティバルで精力的なライブ活動を展開する。その結果、英「NME」誌で「今一番観たいバンド」の1位に選出されたほか、ジェフ・ベック、ポール・ウェラー、エルトン・ジョンといった大御所アーティストからも絶賛される。日本では2013年4月にミニアルバム「Blue Collar Jane -日本デビューEP」でCDデビュー。同月に初来日公演を行ったほか、テレビ朝日系「ミュージックステーション」に出演し大きな反響を呼んだ。同年9月に1stアルバム「Snapshot」をリリース。翌10月には全公演ソールドアウトを記録した初のジャパンツアーを敢行した。

OKAMOTO'S(おかもとず)
OKAMOTO'S

オカモトショウ(Vo)、オカモトコウキ(G)、ハマ・オカモト(B)、オカモトレイジ(Dr)の4人からなるロックバンド。バンド名およびメンバー名は、彼らが敬愛する岡本太郎に由来する。抜群の演奏力とアグレッシブなライブパフォーマンスに定評があり、2010年3月にはアメリカのショーケースイベント「SXSW」に出演。続けて行われた全米ツアーでも高い評価を受けた。次世代のロックシーンを担うホープとして注目を集める中、2010年5月に1stアルバム「10'S」でメジャーデビュー。2011年7月には「FUJI ROCK FESTIVAL '11」に初出演を果たし、10月には初のアジアツアーを開催した。2013年1月にセルフタイトルを冠した4thアルバム「OKAMOTO'S」を発表。同年11月にはニューシングル「SEXY BODY」をリリースする。