音楽ナタリー Power Push - 佐藤竹善(SING LIKE TALKING)×atagi(Awesome City Club)×角舘健悟(Yogee New Waves)×高橋海(LUCKY TAPES)

佐藤竹善が新鋭“シティポップ”バンドに望むこと

年齢を重ねるとより同胞意識が強くなる

──SING LIKE TALKINGの「RISE」という曲の元ネタはシェリル・リンの「Got to Be Real」じゃないですか。あのネタってDREAMS COME TRUEの「決戦は金曜日」でも使われていて。気になってインターネットで調べたら、当時ラジオで竹善さんと中村(正人)さんが同じ元ネタでどちらがいい曲を作れるかという話になって、この2曲が生まれたという記述があって。すごくいいエピソードだなと。

佐藤 そうそう。でも、実際のところは競争というわけではなくて。中村さんとラジオで話していて、当時「Got to Be Real」のコード進行を元ネタに曲を作るのがトレンドになってたから僕らも作ってみましょうというくらいのニュアンスだったんですよね。それで、僕らは「RISE」、ドリカムが「決戦は金曜日」を作って。

角舘 へえ!

高橋 すごく有意義な遊びですね。

──そういう遊びをメジャーのフィールドでやっていたことが興味深いなと。

佐藤 そうですね。メーカーには特に言わなかったですけどね。

──例えばヨギーとラッキーとオーサムで同じような試みをしたらすごく面白そうだなって思ったんです。ほかのバンドを誘ってコンピレーションアルバムを作ってもいいだろうし。

atagi ヤバい! やりたい!

角舘 やろうぜ、やろうぜ。

佐藤 それをDJにマッシュアップしてもらっても面白いだろうしね。

角舘 海くんには僕らの「Fantastic Show」という曲をリミックスしてもらったことがあって。

高橋 あれはリミックスではあるけど、歌のトラックだけ残してほとんどリアレンジという感じだったよね。楽しかった。

角舘 そう、コードも変わって、全然違う曲になっていた。そういう遊びをもっとやりたいな。ナタリーにパトロンになってもらいましょうか(笑)。

佐藤 バンドのキャラがみんな違うし、面白いと思う。みんな盟友でありライバルだろうし。

atagi SING LIKE TALKINGがブレイクするまでに盟友だったバンドっていましたか?

佐藤 やっぱり同期で言えばドリカムかな。僕らがデビューしたときって、800アーティストくらい出たんですよ(笑)。

atagi すごい(笑)。

佐藤 でも、デビューの翌年にはその数が3分の1になり、3年後には10分の1になっていた。今も活動しているのは10組いないくらいですね。だから、ドリカムとは音楽的なアプローチは違うけど、今でも中村さんに、たまに会うとお互いバンドをやり続けていてよかったなって思いますね。

角舘 同窓会とかしないんですか?

佐藤 それはないね(笑)。でも、自分のラジオに呼んだり呼ばれたりすると、そういう話になりますね。同期に限らず年齢を重ねるとより同胞意識が強くなる。若い頃は「俺たちとあいつらは違うんだ」という意識が強かったし、それがなきゃつまんないですよね。だから、みんなにもそういう関係であってほしいですね。

左からatagi(Awesome City Club)、高橋海(LUCKY TAPES)、佐藤竹善(SING LIKE TALKING)、角舘健悟(Yogee New Waves)。
SING LIKE TALKING ニューシングル「Longing ~雨のRegret~」2015年10月7日発売 / UNIVERSAL MUSIC JAPAN
「Longing ~雨のRegret~」 / Amazon.co.jp
初回限定盤 [2CD] 2700円 / UPCH-7052~3 / Amazon.co.jp
通常盤 [CD] 1296円 / UPCH-5858 / Amazon.co.jp
収録曲
  1. Longing ~雨のRegret~
  2. The Ruins ~未来へ~
  3. Waltz♯4
初回限定盤BONUS CD収録曲
  1. Openig(INTRODUCTION~WALTZ#3)
  2. Ordinary
  3. Hold On
  4. How High The Moon ~ Together
  5. 無名の王 -A Wanderer's Story-
  6. 離れずに暖めて
  7. 祈り
  8. リンゴ追分 ~ La La La
  9. I'll Be Over You
  10. My Desire ~冬を越えて
SING LIKE TALKING Premium Live 27/30 ~シング・ライク・ストリングス~
  • 大阪公演
    2015年10月11日(日)大阪府 オリックス劇場
    OPEN 16:45 / START 17:30
    【問い合わせ】SOGO OSAKA 06-6344-3326
  • 東京公演
    2015年10月12日(月・祝)東京都 昭和女子大学 人見記念講堂
    OPEN 16:45 / START 17:30
    【問い合わせ】SOGO TOKYO 03-3405-9999
SING LIKE TALKING ニューシングル発売記念 生出演スペシャルプログラム
SING LIKE TALKING(シングライクトーキング)

SING LIKE TALKING佐藤竹善(Vo, Key, G)を中心に藤田千章(Syn, Key)、西村智彦(G)の3人によって1982年に結成。同年プロデビューを目指して上京し、オーディションでのグランプリ受賞などを経て、1988年9月にシングル「Dancin' With Your Lies」でメジャーデビューを果たす。佐藤の透明感あふれる美しいハイトーンボイスとエバーグリーンで高品質な楽曲は、一般の音楽ファンだけでなく耳の肥えたリスナーも魅了。特に佐藤の圧倒的な歌唱力は同業者からも絶賛され、他アーティストのコーラスを務めたほか、小田和正や塩谷哲とはユニットも結成し活動を行った。2003年にアルバム「RENASCENCE」のリリースとそれに伴うツアーを行ってからは、バンド活動を休止。メンバーはそれぞれソロ活動や他アーティストのサポート、プロデューサーとして活躍してきた。2009年にイベントでひさしぶりにライブを行った後、再始動に向けて準備期間に突入。2011年3月にシングル「Dearest」、5月にアルバム「Empowerment」を立て続けにリリースし、本格復活を果たす。2015年10月にニューシングル「Longing ~雨のRegret~」をリリース。このシングルは2018年のデビュー30周年に向けたカウントアップライブ「Sing Like Talking Premium Live 27/30 –シング・ライク・ストリングス-」に向けて制作された、ストリングスをフィーチャーした作品となっている。

Awesome City Club(オーサムシティークラブ)

Awesome City Club「架空の街Awesome Cityのサウンドトラック」をテーマに、テン年代のシティポップを“RISOKYO”から“TOKYO”に向けて発信する男女混成5人組バンド。2013年春、それぞれ別のバンドで活動していたatagi(Vo, G)、モリシー(G, Syn)、マツザカタクミ(B, Syn, Rap)、ユキエ(Dr)により結成。2014年4月、サポートメンバーだったPORIN(Vo, Syn)が正式加入して現在のメンバーとなる。初期はCDを一切リリースせず、音源はすべてSoundcloudやYouTubeにアップし、早耳の音楽ファンの間で話題となる。ライブを中心に活動しており、海外アーティストのサポートアクトも多数。2015年、ビクターエンタテインメント内に設立された新レーベル・CONNECTONE(コネクトーン)の第1弾新人アーティストとしてデビュー。4月にmabanuaプロデュースの1stアルバム「Awesome City Tracks」、9月に2ndアルバム「Awesome City Tracks 2」をリリースした。

Yogee New Waves(ヨギーニューウェーブス)

Yogee New Waves2013年6月に結成された「都会におけるPOPの進化」をテーマに活動する音楽集団。現在はKengo Kakudate(G, Vo)、Naoki Yazawa(B)、Tetsushi Maeda(Dr)の3人にサポートギタリストを入れた形で活動している。2014年4月に4曲入りの「CLIMAX NIGHT e.p.」を全国流通させ、9月に1stアルバム「PARAISO」を発表した。アルバムのリリースツアーでは全国8カ所を周り、ツアーファイナルの東京・TSUTAYA O-nest公演はソールドアウト。12月にはNew Action!と共催で新宿の3会場を使ったサーキットイベントを開催し、こちらもソールドアウトを記録している。

LUCKY TAPES(ラッキーテープス)

LUCKY TAPES高橋海(Vo, Key)、田口恵人(B)、濱田翼(Dr)、高橋健介(G, Syn)からなる4人組。結成直後に発表した5曲入りの作品「Peace and Magic」はわずか3カ月で完売し、2015年4月にデビューシングル「Touch!」をリリース。8月には得能直也をエンジニアに迎え、デビューアルバム「The SHOW」を発表した。