Sunrise In My Attache Case|Red Bullコンテスト優勝のサーフポップバンドが放つ、海だけじゃない3曲

Sunrise In My Attache Caseがニューシングル「The Wall」を5月3日にリリースする。

Sunrise In My Attache Caseは奈良県出身のサーフポップバンド。昨年行われたRed Bull主催のバンドコンテスト「Red Bull Live on the Road 2016」にて、300組の中からグランプリを獲得した。

今回音楽ナタリーでは、メンバー4人にインタビューを実施。カナダ出身と間違われてしまう理由や海のない奈良県でサーフミュージックを鳴らす理由、初めて挑んだコンテストだという「Red Bull Live on the Road 2016」について、話を聞いた。

取材・文 / 小林千絵 撮影 / 草場雄介

海がないからこそ海に憧れた

──音楽ナタリー初登場ということで、まずは結成の経緯を教えてください。

Kazuya(Vo, G) 2011年ぐらいに奈良で結成しました。でもそのときはバンド名もなくて、「とりあえずバンド組もう」って話を、cubs(B)とanoppe(G)と、前のメンバーとして。その直後に、僕とanoppeがバンドを置いてバンクーバーに行くんですよ。半年くらい。で、日本に帰ってきてからバンド名を決めて動き出したっていう感じです。

cubs(B) いろんなところで「カナダで結成」って言われてるんですけど、実は日本で結成してるんです。

──Kazuyaさんとanoppeさんはどうしてバンクーバーへ?

Kazuya 海外への憧れが強くて「とりあえず海外の生活を見てみたいな」と。あと向こうの音楽にも触れてみたかったので。毎日遊んでいて楽しかったです(笑)。

──で、戻ってきてから「Sunrise In My Attache Case」というバンド名を付けて本格的に始動した、と。最初からサーフミュージックをやろうと思っていたんですか?

Kazuya 好きなもんを作っていこうとしか思ってなかったんですけど、僕がもともとサーフミュージックが好きなんで、結果こういうふうになった感じです。

──結成は奈良県ということですが、奈良県って……海ないですよね?

Sunrise In My Attache Case

Kazuya ないですね。だから逆に「海が好き、海に行きたい」みたいな(笑)。

──海がないからこそ、海への憧れの気持ちが強いんですね。

cubs 奈良県民はたぶんみんなそうなんですけど、電車とか車から海が見えただけで「海やー!! ヤバい! 海見えたー!」ってテンション上がるんですよ。

Kazuya 「海やで海やで! 海!」みたいな。

anoppe(G) 車運転してて海が見えたら「海ー!」って言ってしまうもんな(笑)。

cubs めちゃくちゃ海に憧れてるんでしょうね。県内に海がないだけじゃなくて、いざ海に行こうとすると和歌山とか三重まで行くことになって、けっこう時間がかかるんで。

ルーツはUKロック、ポップパンク、メタル、オルタナ

──Kazuyaさんが先ほど「サーフミュージックがもともと好き」だと言っていましたが、バンドを組むきっかけになった音楽やご自身のルーツになったと思う音楽を、お1人ずつ教えてもらってもいいですか?

cubs 最初にハマったのはOasisですね。中2ぐらいでOasisにどっぷりハマって、そこからイギリスの音楽……特にバンドをいっぱい聴いてました。Kazuyaに出会ってから幅広い音楽を聴くようになって、ここ数年で僕がすごく好きなのはA Rocket to the MoonやParachuteですね。

Kazuya

Kazuya 僕は映画の「アルマゲドン」を観たときに、主題歌だったAerosmithの「I Don't Want to Miss a Thing」に衝撃を受けて。そこからバンドに興味を持つようになった。で、楽器を始めた当初は洋楽のポップパンクに憧れてポップパンクばっかり聴いてたんですけど、あるときミシェル・ブランチの音楽と出会って、そこからだんだんユルい音楽を聴くようになっていきました。ミシェル・ブランチの音楽はポップやけど、景色が目に浮かぶような感傷的なところもあって、いいバランスやなって思います。感情がえぐられる感じがするんですよね。

岡P(Dr) 僕は完全にメタルですね。「スラッシュビート大好き! ツーバス大好物! 歌無視!」みたいな(笑)。でも歳を重ねるごとに歌の大事さに気付き始めて(笑)。BPMもどんどん下がってきたところで、Sunrise In My Attache Caseと出会って「こういう音楽めっちゃやりたい」と思いました。僕は別のバンドにいたんですけど、タイミングよく入れてよかったです。もともとサンライズにはメタルの要素がなかったので、いい感じで融合できてるかなって思ってます。

cubs それはめっちゃ思いますね。曲作ってるときに、ゴリゴリのフレーズとかリフとか入れてくるんですけど、いい感じにアクセントになるんですよ。「そんなん合うんや」って驚きます。

──ちょうど自分の中で好きな音楽のBPMが下がってきたところでサンライズと出会ったというのも面白いですね。

岡P(Dr)

岡P そうですね。これまでにいくつかバンドをやってきたんですけど、どんどんBPMが下がっていって、サンライズが最低速です(笑)。なかなか(BPM)100、超えないっすから(笑)。

──anoppeさんのルーツは?

anoppe 僕はまず高校生のときにNirvanaにハマって、それからRadioheadとか、ああいうちょっと暗めの音楽を聴き始めるんですけど、暗いのに飽きて(笑)、だんだん明るいものになっていきました。あと母親が洋楽の古い曲を集めたベスト盤とかを好きでよく聴いてたんで、The Monkeesとかそのあたりの音楽も聴いてましたね。

──バンドメンバー全員からルーツとして日本のアーティストが挙がってこないのは、最近のバンドでは珍しいですよね。

Kazuya 最近は確かにそうですね。昔は洋楽に憧れてたバンドがいっぱいおったけど。僕らも洋楽がルーツにあるバンドと一緒にやりたいなと思う一方で、「J-POPやからあかん」とか「ダサい」とかじゃなくて、J-POPらしさとか日本語のよさも取り入れられたらいいなとは思ってます。

Sunrise In My Attache Case「The Wall」
2017年5月3日発売 / Double Wing Records
Sunrise In My Attache Case「The Wall」

[CD]
1080円 / DWRC-003

Amazon.co.jp

CD収録曲
  1. Higher
  2. Flight
  3. The Wall
“The Wall Tour 2017”
  • 2017年6月6日(火)大阪府 心斎橋VARON
  • 2017年6月7日(水)愛知県 ell.FITS ALL
  • 2017年6月8日(木)石川県 vanvanV4
  • 2017年6月13日(火)福岡県 Queblick
  • 2017年6月14日(水)広島県 CAVE-BE
  • 2017年6月16日(金)香川県 DIME
  • 2017年6月19日(月)北海道 DUCE SAPPORO
  • 2017年6月21日(水)宮城県 仙台MACANA
  • 2017年6月23日(金)東京都 TSUTAYA O-Crest
Sunrise In My Attache Case(サンライズインマイアタッシュケース)
Sunrise In My Attache Case
2011年に奈良県で結成されたサーフポップバンド。メンバーチェンジを経て、現在はKazuya(Vo, G)、anoppe(G)、cubs(B)、岡P(Dr)の4人で活動している。2016年にRed Bull主催のバンドコンテスト「Red Bull Live on the Road 2016」にて、300組の中からグランプリを獲得。2017年5月に、タワーレコードとRed Bull Studios Tokyoによるレーベル、Double Wing Recordsから、Red BullのテレビCMソング「The Wall」をシングルリリースする。