ナタリー PowerPush - スチャダラパー

「3000」と「2011」に込めた思い

「3000」はずっと作ってたやつの“今年分”

──で、今回の「3000」というアルバムなんですが、これはどういう経緯で作られたアルバムなんですか?

Bose ライブ会場でそのときだけしか売ってないっていう、それが一番面白いんじゃないかっていう発想ですよね。そういうやつのほうが自分は欲しいから。

──Tシャツみたいな感じですか?

インタビュー風景

ANI そういう感じっすね。グッズ的な。

Bose でもクオリティに関しては、普通にメジャーで売ってるものと何も変わらないからね。

──これは12枚目のオリジナルアルバムというわけではないんですよね?

Bose わけではないよね。

SHINCO ないね。

Bose アルバムには入らないような曲も入れてあったりするし。例えば「バカボン」のやつ(「Bakananova」「41 Is The Number」)はお芝居で使われた少し短い曲だったんだけど、次のアルバムに入れるのもちょっと違うし今回出しちゃおうみたいな。で、THE HELLO WORKS(「MURDER MUZIK」)もアルバム1枚作るとなるとなかなか大変なんで、1曲作ってパッと出しちゃえってことで。

──じゃあ今出せる作品を軽くまとめてみた感じ?

Bose まあ、そうですね。ずっと作ってたやつの“今年分”みたいな。1曲ずつに関してはちゃんと作ってるので、曲自体が軽いわけではないんだけど。

アナログもCDもデータも持ってる

──あえて3000枚限定のCDのみでリリースするというのは、例えば配信じゃなくモノとして手に取れるものを、というような……?

ANI 特にそういうのはないですね。

──じゃあ皆さん、自分でもダウンロードで曲を買ったりしてるんですか?

Bose iTunesは普通に使うかなあ。iTunesで買っちゃうときはあるね。

SHINCO あるある。

──あ、「買っちゃう」って感じなんですか? 本当はCDのほうがいいけど、みたいな。

Bose うん、CD買って帰りに車で聴く、くらいのほうが“聴いた感”はありますよね。iTunesで買って聴くのはやっぱ薄い気がする、味が。

ANI でもけっこう買うけどなー。曲単位で買えるの便利っすよね。

──でもこだわりというか、特に20世紀からサブカルだった人って、やっぱり「モノとして持ってなきゃダメだ」みたいな感覚が……。

ANI 全くないね、そんなの。全然アナログじゃなくていい。

──ヒップホップの人はアナログへのこだわりが強いイメージもありますけど。

ANI ヒップホップの人のほうが全然データですよ。

Bose 黒人とか全然データ(笑)。

インタビュー風景

SHINCO こっちのがナウいんだぜ、って感じあるよね(笑)。

ANI iPhoneでビート組めるんだぜ、とか、どこでもレコーディングできるんだぜ、みたいなことだもんね。

Bose 時計にGPSついてるんだぜ、みたいなのと一緒だからね(笑)。

ANI 意外にそんなもんですよ。別にだからってアナログいらないとかCDいらないっていうのではなくて、1個新しい便利なのできたなーっていう。

Bose アナログも持ってるしCDも持ってるしデータも持ってる。僕らの場合は。

ANI あとデジタルリマスタリングみたいのにも弱いし。

SHINCO VHSでもLDでも持ってて。

ANI 結局DVDでも買ってて。

Bose Blu-rayも買ってるんだよ、今。

SHINCO 同じ映画の。

Bose 「パルプ・フィクション」これで何枚目?みたいな。

ANI 「マルコムX」とかVHS2本じゃん、長いから。

Bose 「DVDで1枚になったね」「やったー」だって。「やった」じゃねえよ(笑)。

元々意外と社会派なんです

──ところで、さっきの反原発の話が象徴的だと思うんですけど、今のスチャダラパーって社会派ですよね。

Bose 元々そうですよ、意外と。

ANI 違和感を。

Bose 社会に対する違和感、自分たちの居場所のなさと闘ってるんですよ。

──でも昔はもうちょっと能天気で、ノンポリだった気がするんですが。

SHINCO まあ、のんきだったしね。

Bose 今は世の中全体で笑えねーってことが多すぎて。

──じゃあそれはスチャダラパーが変わったって言うよりも。

SHINCO 世の中でしょ。

アーティスト写真。

Bose しかもほかにこういう感じのことをやってる人がいないから、より際立って見えちゃう。この前の東電の格好して写真撮ったやつとかも、僕らとしてはわりと今までどおり普通にちょっとチャチャ入れてるくらいの感覚なんだけど、そういうことやる人あまりにいなすぎるから。すげえってことになって。

──話題になってましたね。

Bose あのくらいのことをやる人が誰もいないっていうのがね。芸人でもミュージシャンでもいいんだけど。歌でやってるの斉藤和義くんくらいしかいないし。

──だからスチャダラパーがすごく目立って見えるんですよね。

ANI 悪目立ちですよ。

SHINCO 周りは引いてて、1人だけポツーンって。

Bose みんなで騒いでるつもりが誰もいなくなっちゃった。

最新ミニアルバム「3000」 / 2011年7月3日発売 / 2200円(税込)

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CD収録曲
  1. Bakananova
  2. ワープトンネル(Feat. ロボ宙 & かせきさいだぁ)
  3. MURDER MUZIK / THE HELLO WORKS
  4. A.K.A ETC
  5. カミングスーン(HIP HOP MIX) / オリジナル・ラブ featuring スチャダラパー
  6. Shadows Of The Empire(Takkyu Ishino REMIX)
  7. 41 Is The Number
スチャダラ2011~それぞれの秋~

スチャダラ2011~それぞれの秋~

2011年9月19日(月・祝) 大阪府 大阪城音楽堂
OPEN 13:00 / START 14:00

<出演>
千鳥(総合司会) / スチャダラパー / 田島貴男(オリジナル・ラブ) / TOKYO No.1 SOUL SET / 二階堂和美 / 脱線3 / マキタスポーツ / DODDODO with DJ MIGHTY MARS / and more

スチャダラパー

Bose、ANI、SHINCOによって1988年に結成されたヒップホップチーム。1990年にアルバム「スチャダラ大作戦」でメジャーデビューし、1994年に発表した小沢健二とのコラボシングル「今夜はブギー・バック」が大ヒットを記録する。デビュー20周年を迎えた2010年にはベストアルバム「THE BEST OF スチャダラパー 1990~2010」をリリース。日本のヒップホップシーンを牽引する存在として、多くのアーティストからリスペクトされている。