高校の楽しい思い出が1つでも増えるきっかけになれば

──では、ここで合唱会当日の様子をまとめたドキュメント映像を観ていただきましょう。

斎藤　いいですね！ 感動しますね、これは。みんないい顔をしてるな。

鈴木　ホントだね。

田淵　生徒のみんなが喜んでくれたのが何よりよかったと思うし、いいプロジェクトになりましたね。150人の生徒それぞれにとって、思い出深いものになったらいいって。今の時点で「いい体験ができた」と思ってくれてもうれしいし、何年か経って大人になったときに「そう言えば俺、閉校になる前の最後の年に合唱したんだよな」って思い出すこともあるだろうし。そういう体験って、人生の中で何かの転機になることもあると思うんです。そこに少しでも力になれていたらいいなと。

鈴木　先生、生徒、校舎、僕ら、スタッフも含めて、関わった人たちがみんないい仕事をしたと思うし、満足感がありますね。僕らもやれることは全部やりましたし、映像チーム、ラジオのスタッフ、タイムテーブルを管理する人なども100％以上の仕事をしてくれたんじゃないかなって。

斎藤　生徒のみんなもがんばってくれましたからね。学校は来年の3月でなくなってしまうけど、旭川東栄高校の楽しい思い出が1つでも増えることが大事だと思うし、僕らがそのきっかけを作ってあげられたとしたら、こんなにうれしいことはないので。

──生徒たちの合唱も素晴らしかったですね。

斎藤　そうですね。最後は生徒と僕らが向かい合って合唱したんですけど、みんな本当にいい表情をしていたし、顔を見ても目をそらさないで、まっすぐ目線を返してくれたんですよね。その感じにもグッときましたね。

田淵　男子もよくがんばってたしね。

斎藤　そうだね。練習期間は2週間くらいだったのかな？ 大学受験の準備もあるし、野球部は合唱会の次の日が試合だったんですよ。放送部も全道大会の最中だったり、慌ただしい時期だったんですけど、しっかり集中して練習してくれたんだなって。

鈴木　素晴らしかったですよ、ホントに。打ち上げも楽しかったし（笑）、僕らにとってもいい思い出になりました。僕は中学、高校時代がそれほど楽しくなかったので、それを上書きしてもらった感じもあるんですよね。

田淵　そうなんだ（笑）。10代の頃を思い出してみると、スレたところはありつつも、やるべきことはちゃんとやってた記憶もあって。旭川東栄高校の生徒を見ていて「俺にもこういうときがあったな」って思い出したりしましたね。

鈴木　田淵、「浄化される」って言ってたよね（笑）。

斎藤　生徒全体の雰囲気もすごくよかったからね。閉校されるのは悲しい出来事だけど、しっかり1つになって取り組んでくれた感じがすごくあったので。

田淵　うん。さっきも言いましたけど「高校3年生のとき、みんな一丸となってがんばったな」という体験は、あとになっていい思い出になると思います。「卒業式でも歌いたい」と言う生徒もいたし、よかったですよ。

──「学び舎の春 ～LAST RUNNNERS～」は今回のプロジェクトのために制作された楽曲ですが、幅広い人に当てはまる内容だし、ぜひ歌い継いでほしいです。

田淵　卒業式の定番になったら、子供たちの歌唱力向上につながるかも（笑）。

斎藤　いいことだね（笑）。

田淵　もし歌ってもらえたらうれしいですね。僕らはこの企画のお手伝いをさせてもらっただけですけど、いろんな人に歌ってもらって1人歩きすれば、楽曲にとっては幸せなことなので。