ナタリー PowerPush - ROTTENGRAFFTY

近所の兄ちゃんが歌う「世界の終わり」

同期バンドに「まいった!」と言わせたい

──今年15周年を迎えましたが、今後の目標みたいなものはありますか?

NOBUYA (マキシマム ザ )ホルモンだったり10-FEET、dustbox、GOOD4NOTHING、locofrankとか、やめてない同期のバンドがほんまにたくさんいて、僕らが沈んでた時代に2歩も3歩も先を行かれたんです。だからそいつらに「まいった! ロットン勘弁してくれ」って言わすまではやめれないなっていうのは思ってます。

N∀OKI BOOWYが7年で東京ドーム行ってるの、今考えるとすごいなって。俺ら今の時点で倍かかっとるやないかい!みたいな。じゃあ東京ドームでライブをっていうことでもないんですけど。

NOBUYA もうちょっと歳を取れば、今ダサいと思ってたこともやってみようかって思えるようになっていくんじゃないですかね。例えば武道館とか、東京ドームとか。それをカッコええやんって思える歳になったときに、やれてたらいいですよね。

「世界の終わり」お披露目の東名阪公演

──リリース前、5月から6月の初めにかけて“レコ発のプレツアー”を実施していましたよね。

N∀OKI どういうことやねんっていう(笑)。

NOBUYA(Vo)

NOBUYA プレツアーでは「世界の終わり」のイントロしかやってないんですよ。これが最初にも話した、KAZUOMIから曲を聴いたときに思いついたプロモーションのひとつです。

──なるほど。ではリリース後にレコ発ツアーとして行われる東名阪公演で、ようやく「世界の終わり」がお披露目されるわけですね。東名阪公演、どういうライブにしたいですか?

NOBUYA 僕が見る限り、「Walk」ツアーで各地に追いかけてきてくれてた子たちが今回のプレツアーには来てないんですよね、やっぱり。おそらく東名阪ツアーには来てくれると思うんで、そいつらに「プレツアーも行っとけばよかった」って思わせるようなツアーにしたいですね。

──ライブに来てるお客さんを見てるんですか?

NOBUYA めっちゃ見てます。

──Twitterでお客さんの動向や感想を見たりもしますか?

NOBUYA めちゃくちゃ見てますね。まあいいことばっかりではないですけど。セットリストに反映したり、あえて反映しなかったりもするんですけど、それに対するお客さんの反応も楽しいですね。「うわ、あの曲キタ!」とか「今日もあの曲やらなかった……」とか。

──やりたい音楽をやりたいようにやりたいだけっていうバンドもいますけど、ROTTENGRAFFTYは徹底的にお客さんの反応を見てるんですね。

NOBUYA 俺、自分らのやりたいことやるだけやったら金取ったらアカンと思うんですよね。自分たちのやりたいことが半分、求められてることが半分っていうのが一番美しいバランスやと思います。

“近所の兄ちゃんがやってるバンド”でいたい

──お客さんを大切にするっていうのは昔からですか?

NOBUYA ROTTENGRAFFTYって不器用なバンドじゃないですか(笑)、そこについてきてくれるファンの方に、不器用すぎて申し訳ないなっていう気持ちになるときもあるけど(笑)、ありがたいなと。前からけっこう言ってるんですけど、近所の兄ちゃんがバンドやっててなんか応援したくなる、みたいなそんな存在でいれたらいいなと思います。近所の兄ちゃんが「がんばれよ」って言うからがんばろかな、みたいな。

N∀OKI(Vo)

N∀OKI 俺はファンに対して、別に媚びたくもないし、だからといって偉そうにもしたくないから、素でいたい。「ありがとう」って思ったら素直に言うし、人としておかしいことがあったら普通に叱る。今って、勝手に近いと思って俺らとの距離感おかしい子とかいるんですけど、お客さん減らしたくないからどうにか応える、じゃなくて教えてあげたらええんちゃうの?って思うんですよね。

NOBUYA 出待ちとかでみんな並んでるんですけど、順番抜かしとかしてくるやついたら俺らめっちゃ怒るし、口の利き方とかも注意するんです。だから今、ロットンのお客さん、めちゃくちゃ行儀いいっすよ。もし僕がファンだとして、順番抜かしして好きなアーティストに怒られたら心折れて帰ると思うんですけど、今の若い子はめっちゃ謝ってちゃんと後ろに並ぶんすよ。

──ROTTENGRAFFTYだから、怒られてるというより、教えてくれてるっていう感覚なんでしょうね。

N∀OKI 学校の先生みたいになってるんちゃうかな。

NOBUYA 叱るとき叱るし、いいことやったらお互いほめ合えるような、ほんまに近所の兄ちゃんを応援してきてくれるっていう距離感が美しいなと思います。

ニューシングル「世界の終わり」 / 2014年6月11日発売 [CD+DVD] 1944円 / PINEFIELDS RECORDINGS / PINE-0029
「世界の終わり」
CD収録曲
  1. 世界の終わり
  2. Reunion
DVD収録内容

ポルノ超特急2013 in響都KBS HALL

  1. 金色グラフティー
  2. STAY REAL
  3. ill-usion
  4. I & I
  5. D.A.N.C.E.
  6. 零戦SOUND SYSTEM
  7. 悪巧み~Merry Christmas Mr.Lawrence
  8. This World

Documentary

ROTTENGRAFFTY(ロットングラフティ)

NOBUYA(Vo)、N∀OKI(Vo)、KAZUOMI(G, Programming)、侑威地(B)、HIROSHI(Dr)により1999年に京都で結成されたロックバンド。パンクやラウドロック、打ち込みなどさまざまな要素を取り入れたミクスチャーロックサウンドが魅力で、関西を中心に精力的なライブ活動を行う。2001年2月にミニアルバム「RADICAL PEACE×RADICAL GENOCIDE」をリリース。2003年3月発売のミニアルバム「SYNCHRONICITIZM」ではIKUZONE(Dragon Ash)をプロデューサーに迎え、楽曲に更なる厚みを加えた。同年11月にシングル「悪巧み~Merry Christmas Mr.Lawrence」でメジャーデビュー。その後も数々の作品を生み出し、2006年にJ(LUNA SEA)が立ち上げた新レーベル「INFERNO RECORDS」に移籍。シングル「マンダーラ」をリリースした。その後、2010年に約4年ぶりとなるアルバム「This World」を発表し、ロックファンに健在ぶりをアピール。2011年にはベストアルバム「SILVER」「GOLD」を発表、レコ発ツアーは各地でソールドアウトとなる。2013年にリリースした5thアルバム「Walk」がバンド史上最高セールスを記録。約8カ月にわたる全国ツアーも大成功に収めた。そして2014年6月、5thシングル&DVD「世界の終わり」をリリース。