音楽ナタリー Power Push - ЯeaL

現役女子高生バンドが描く大胆な戦略

すべての人に「このバンド、ヤバいで」と言わせたい

Fumiha ただそういう、バンドを取り巻く環境については最高やと思うんですけど……。

Aika(Dr, Cho)

Aika 技術的なことであったりは……。

Ryoko うん。環境がよくなりつつあるぶん、周りの期待も大きくなっていて。「それに応えられてるか?」って言われたら、100%の自信はないですし、あと環境がよくなるっていうのは、ЯeaLを知ってくれる人が増えてるってことでもありますし。そうなればよりシビアな目にさらされることになるし、また「どうせアイドルバンドなんだろ」っていう声も出てくるわけですし。

──今もそういう誤解に基づく評価って気になります?

Ryoko 4人ともメッチャ気にしてます(笑)。

Fumiha ライブをしたら、速攻エゴサして(笑)。

Yurika YouTubeに動画を上げたら「いいね」(「高く評価」)の数をチェックして(笑)。

Ryoko (右手の親指を下に向けながら)けっこうこっちが多くてヘコんで(笑)。あと2ちゃん(ねる)とかTwitterの評価とかも気になりますし。ホメ言葉よりも悪口のほうが書きやすいから、そっちが目立つだけっていうのもわかってるんですけど、でもそういうことを書いてる人にも「このバンド、ヤバいで」って言わせたら勝ちやなとは思ってるし、そう言わせていないということは、まだまだのバンドなんだと思うんで。そういうことに対するイラ立ちみたいなものも、MCや曲に出ちゃってるんでしょうね。

Yurika ただそこまで深刻にも考えてなくて、そういうのを見て私たちが「なにくそ!」って思ってればいいんだとは思ってるんです。

Fumiha あと「気にしてくれてありがとう」「悪口でもなんでもいいわ。ЯeaLの名前を広めてくれてありがとう」って気持ちもあるにはありますし。

“戦略的ボツ曲”がデビュー曲に

──具体的なデビューの話っていつ頃あったんですか?

Yurika 「高校卒業までには」って、ふわっと話はしてました。

──「高校在学中にデビュー」っていうのもRyokoさんの例の年表の中には……。

Ryoko ありました。スタッフさんにもその年表を見せてましたし(笑)。

Yurika だからデビューは私たちが決めていたことでもあるんです(笑)。

──ちょっと話が行ったり来たりになっちゃうんですけど「秒速エモーション」はどういうテーマをもとに書いた曲なんですか?

Ryoko 「桜の曲」で「切なくて」「踊れる曲」で「お客さんがタオルを回すこともできる曲」っていう欲張りな感じで(笑)。今回のシングルのために100曲くらい書いて、この曲が最後にできた曲なんですけど、なんで最後にできたかって言ったら、いったん私の中でボツにしてたからで。

──へえ。なぜボツに?

Ryoko それも私の立てたスケジュールの問題で。今回に限らず、曲を作るときって「今のЯeaLの状況でこの曲をやるべきなのか?」っていうことを考えちゃうんです。例えばどれだけいいバラードができたとしても「今のЯeaLがバラードをやってもな」と思ったら出さない。戦略的に曲を出したいんです。

──でも、今回の「秒速エモーション」は結局ボツにはしなかった。

Ryoko そういう判断ができたのがメンバーとスタッフさんのおかげで。これまではずっと私が1人で「これは今のЯeaLで歌うべきか」って考えてきてたんですけど、やっぱり1人だと考えられることには限界があるし、独りよがりになる可能性もあったので。でも今はチームとして一緒にちゃんとした戦略を練れるようになっている。今回もボツにした「秒速エモーション」をみんなに聴いてもらったら予想以上に好評で。そこであの曲の魅力とか必要性に改めて気付くことができましたから。

──楽器隊の皆さん的にはRyokoさんの曲に対するOK / NGの判断には乗れてる?

Yurika 逆の意味で乗れてないです(笑)。今回の曲に限らず、Ryokoちゃんの曲は全部好きなので。中3の頃から「えっ、これなんかヒドくない?」っていう曲はなかったと思う。

Aika だから私たちにデモを聴かせてくれたあと「あの曲はやっぱり……」とか言われると、気に入った曲がボツになる悲しさがあるんですよ(笑)。

──「私、あの曲のドラム叩きたかったのに……」。

Ryoko 「Ryokoが叩かせてくれない」(笑)。

Aika もっとヒドいのが、アレンジを完成させたあと「やっぱあれナシ」って言われることもあるという(笑)。

ЯeaL メジャーデビューシングル「秒速エモーション」
2016年3月9日発売 / 1300円 / SME Records / SECL-1858
収録曲
  1. 秒速エモーション
  2. Outsider
  3. スタートライン
  4. 秒速エモーション ~Instrumental~

ЯeaL「“至上最大無謀なデビューレコ発ライブ” at 大阪城野音 ~ゆずれない想いが野音にある!~」

2016年3月27日(日)大阪府 大阪城野外音楽堂

ЯeaL(リアル)
ЯeaL

Ryoko(Vo, G)、Yurika(G, Cho)、Fumiha(B, Cho)、Aika(Dr, Cho)からなるガールズバンド。2012年12月8日、当時中学3年生だった4人が結成してまもなく関西圏を中心に積極的にライブ活動を開始する。そして高校1年生となる2013年には「eo Music Try」の決勝大会に進出し、2014年7月には大阪・阿倍野ROCKTOWNで行われた初のワンマンライブをソールドアウト、12月には初の全国流通盤「Change Your ЯeaL」を発表するなど瞬く間にシーンで注目の存在に。また2015年8月には、オーディション「出れんの!? サマソニ!?」を勝ち上がり「SUMMER SONIC 2015」に出演。そして4人の高校卒業月となる2016年3月、シングル「秒速エモーション」でメジャーデビューを果たす。