乙女新党が明かす「日常生活での妄想」

──「もうそう★こうかんにっき」はセリフや歌詞のインパクトが強い曲ですね。聴いた瞬間にまず冒頭の早口なセリフパートが耳に残りますし、歌詞にも「特技・妄想 趣味・妄想」「二軍の 十四歳」と印象に残るフレーズが多いし。最初に歌詞を読んだとき、皆さんどう思いましたか？

葵　最初にデモテープを聴いたとき、いきなり早口のセリフが出てきて。サビに行く前に「今なんて言った？」って何度も聴き返して、ずっとそこばかり聴いてました。

高橋　私は「クラス内ヒエラルキー」の「ヒエラルキー」の意味がわからなくて、最初に調べました。それで「ああ、1軍、2軍、3軍ってことか」ってわかったら、自分たちが普段思ってるようなことが歌詞になってるんだなと共感できました。

荒川　「友達と マンガ再現」「話 合わせ 笑うとか 一緒に トイレ行くだとか なんだかんだで 邪魔くさそ 私にゃ 無理だ」という歌詞なんて、まさにね。

──歌詞にはそういう女子中学生の日常のほか、いろんな妄想がつづられてます。皆さんは普段の生活の中で同じように妄想することはありますか？

葵　例えばマンガを読んで、もし自分が主人公だったら「この人がこう言ったら、私ならこう返す」とか、そういうことを寝る前によく考えます（笑）。

田尻　最近は音楽番組を観てると「あ、次は（乙女新党が）出れる？ いや、出たい！」って、自分たちが出ることを想像するのが楽しくて。

葵・荒川・高橋　うん、わかる！

葵　司会者にどんな話を振られて、どんなことを答えてとかね。

高橋　私、けっこう謎なことをしてるかも。

──それはどういったことですか？

高橋　人前で言ったことがないから引かれるかもしれないけど、勉強するときは1人2役でやってるんです。

葵・荒川・田尻　えーっ、なにそれ!?（笑）

高橋　「家庭教師の優里花だよ。どこかわからないところはある？」「ここです」「ここはね、こうするんだよ」「なるほどー」って、頭の中で会話しながら勉強して……気持ち悪いよね？（笑） でも楽しく勉強ができるんです。

──1人で黙々と勉強するよりは、そうやったほうが覚えやすいと。

高橋　そうなんです。1人2役で会話しながらするのがいいんです。うふふ（笑）。

荒川　私は学校で文芸部に入ってるので、妄想しながらいろいろ書いてます。あと、アニメやマンガを観てるときはもちろん妄想したくなりますし。

──自分をアニメやマンガの主人公に置き換える妄想って、たぶん誰もが通る道だと思いますよ。

葵　だから「もうそう★こうかんにっき」を大人の方が聴いたら「ああ、自分も昔はこうだったな」って思うだろうし、私たちより小さい子たちは「中学生になったらこんなこと思うんだ」って考えるかもしれない。同世代だけじゃなくて、いろんな世代の人が聴いても楽しめると思います。

PV撮影の敵は「恥ずかしさと寒さ」

──PVでは皆さん都心でリヤカーを引いてがんばってましたね。

荒川　新宿の都庁前で撮影したんですけど、ビル風がすごかったんですよ。

葵　通行する人も多くて、恥ずかしさと寒さに負けずにがんばりました（笑）。

田尻　街頭演説をしてるシーンがあって、通行してる人に手を振るんですけど、通りがかった人は「え、乙女新党ってなに？」って言っていて。

──そうか、まだデビュー前ですし、知ってる人もごく限られてますからね。

葵　手を振ったら振り返してくれるんですけど、私たちの衣装がすごく派手なのでみんなクスクス笑ってるんです。

田尻　4人でリヤカーを引きながら横断歩道を渡ったときも、赤信号で止まってる車の運転手さんはビックリしてました。いきなり派手な格好をした女の子がリヤカーを引いて走ってくわけですから（笑）。

荒川　カメラマンさんはちょっと離れたところから撮影してたので、PV撮影だって気付いてない人も多かったと思いますよ。

高橋　完全に不審者だよね（笑）。

──ロケだけでなくダンスシーンもフィーチャーされてます。

荒川　ダンスはねえ……。

葵　私は持久力がないので、歌いながら踊ってると最後のほうにはクタクタになってしまって、最後のキメポーズもフニャフニャになっちゃうんです（笑）。

田尻　PVを観て自分がこんなにも踊れてないのかってわかったら、かなり不安になりましたね。

葵　でもみんなで助け合ってダンスを覚えて。動きが激しいしフォーメーションの移動も多いから大変でした。

田尻　これからCD発売記念イベントがあるんですけど、今はそこに向けて練習してるので、たぶんPVのダンスよりもうまくなってると思います。