音楽ナタリー Power Push - うたパス Presents「オトガタリ」

Vol.1 大谷ノブ彦(ダイノジ)

ジョージ・ウィリアムズ

さまざまな分野で活躍する著名人に、自身の思い出深い音楽体験を語ってもらう連載企画「オトガタリ」がスタート。第1回目はゲストにお笑いコンビ・ダイノジの大谷ノブ彦を迎え、ラジオDJでありタレントのジョージ・ウィリアムズが話を聞いた。フェスなどでDJとしても活躍するなど音楽好きとして知られる大谷が、そこまで音楽に惹かれる理由とは?

取材 / ジョージ・ウィリアムズ 文 / 石橋果奈 撮影 / 上山陽介
取材協力 / 株式会社 博報堂アイ・スタジオ

 
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クラスのみんなが知らない音楽を好きな自分が誇らしかった ──大谷ノブ彦(ダイノジ)

14歳で聴いたLAUGHIN' NOSEやSex Pistols

ジョージ・ウィリアムズ 大谷さんは何がきっかけで音楽が好きになりましたか?

大谷ノブ彦(ダイノジ) 小さい頃から音楽番組で流れている歌謡曲はなんとなく聴いてたんですけど、“電気が走った”のは中学3年生の14歳のとき。僕は当時友達が全然いなくて、でもプライドが高いから遠足のときお弁当の時間に1人で食べたくなくて川に向かって石投げてたんですね。そしたら学校一の人気者だったうちの相棒・大地(洋輔)さんが「アイツかわいそうだから仲間に入れてやろうぜ」って誘ってくれて(笑)。僕と大地の共通項は母子家庭っていうことなんですけど、そういう話から仲良くなって大地の家に泊まりに行くことになったんです。人生で初めてのお泊まりだったんですけど、うちの母親がすごい感激しちゃってパジャマ5着ぐらい持たされて(笑)。

左からジョージ・ウィリアムズ、大谷ノブ彦。

ジョージ 愛情のある母ちゃんだなあ。

大谷 今思ったらホントそうなんですよね。それで大地と夜中までいろいろ話してたんですけど、彼がレコードを聴かせてくれて。

ジョージ 大地さんのお兄さんってバンドマンなんですよね?

大谷 そうそう! 東京にいたお兄さんが大地のところに、東京で流行ってるインディーバンドのレコードとかカセットをたくさん送っていたんです。

ジョージ お2人は大分県の育ちですよね。あの時代ってインターネットもないのに、東京の珍しい音源が手に入ってたなんてすごいなあ。

大谷 そうなんです。大地に「東京ではパンクっちゅーのが流行っとる」って教えてもらって(笑)。その夜LAUGHIN' NOSEやSex Pistols、LÄ-PPISCHを聴いたんです。当時のLÄ-PPISCHはいわゆるワールドミュージックじゃないけど、Fishboneみたいな感じで。僕にとってはスカなんて聴いたことない音楽だったんです。今挙げた3バンドを聴いたときに「あれ? 音楽って遠い世界の物語だと思ってたけど、超近いところにあんじゃねえの?」っていう不思議な気持ちになって。

ジョージ それまでは音楽をBGMのように聴き流していたけど、そこで衝撃が走ったんだ。

大谷ノブ彦

大谷 そう。当時はスカとかパンクロックとかよくわからなかったけど「このリズム気持ちいいな」とか「こんな音楽あるんだな」っていうところから音楽にのめり込んで、そこから「カッコいいアルバム教えてください!」って近所のレコード屋に通うようになったんです。クラスのみんなが知らない音楽を好きな自分が少しだけ誇らしくて。

ジョージ 今までは孤独だったけど、ちょっと満たされたような気持ちになったんだ。

大谷 音楽を好きになる前は、たぶん自分が母子家庭だっていうこともあるんだろうけど、自分の運命みたいなものを恨んだりとか、悲劇の主人公みたいな気分になったりすることがあって。そんな自分が嫌だったんだけどソウルミュージックみたいに、虐げられてる中でこういう叫びがあるんだなとか、そういう気持ちを違う形でエネルギーとして放出している音楽にどんどん救われていったんですよね。

ジョージ 大谷さんにとって14歳の1年は相当大きかったんでしょうね。友達もできたし、音楽も好きになったし、歩む道がそのときに見えたのかなって。

大谷 ホントそうだと思う。あの年で全部変わったような気がするなあ。

大きいフリッパーズ・ギター

ジョージ 高校生のときはどんな音楽を聴いていたんですか?

大谷 高校生のときに出会ったのが奥田民生さん。ユニコーンがツアーで大分に来てくれたんですよ。

左からジョージ・ウィリアムズ、大谷ノブ彦。

ジョージ 大谷さん、民生さん大好きだもんね!

大谷 大好き! 僕取材とかで写真撮ってもらうときに唇を尖らせるんですけど、あれは奥田民生さんがバンド時代によくやってた写り方のマネで(笑)。あとは彼の影響で好きになったThe Beatles。聴いていくうちにジョン・レノンもポール・マッカートニーも母子家庭だってことを知って「俺も母子家庭!」って(笑)。そのあとフリッパーズ・ギターが出てくるんですけど、名前見たら小山田(圭吾)と小沢(健二)で、俺ら大谷と大地じゃないですか。「彼らは頭文字が“小”で俺らは“大”……。俺ら大きいフリッパーズ・ギターなんじゃねえの?」って、田舎の学生だから思い込んじゃうんですよ(笑)。

ジョージ 特別な人間なんじゃないかって(笑)。

大谷 そうそう(笑)。そのあと大学進学で東京出てきたときには実は追っかけやったバンドがいて……。

ジョージ へー。誰なの?

大谷 THE BLUE HEARTSです。中学生のときクラスのみんなが聴いてたんですけど、でも「俺はLÄ-PPISCHが好き」とか、「エレファントカシマシっていう最近出てきたバンドが好き」って言って“コアな音楽を聴いている自分”にアイデンティティを見出していたんです(笑)。ホントはブルーハーツを遠くで観ながら「すげえカッコいいなあ」って思っていたんだけど、「俺は聴かない!」って意地を張ってて。でももう東京に来たらクラスメイトにもバレないから、19歳のときにブルーハーツの関東近郊の公演すべて観に行ったんです(笑)。出待ちして握手してもらって。

ジョージ そうだったんだ!

大谷 ブルーハーツの代表曲「人にやさしく」が本当に大好きで、曲の中で「ガンバレ!」って言うんだけど、歌い出しでは「気が狂いそう」って言うわけ。気が狂いそうなヤツのがんばれっていう言葉だからこそ、すごく刺さったんですよね。

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大谷ノブ彦

1994年に大地洋輔とお笑いコンビ・ダイノジを結成。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。音楽や映画などのカルチャーに精通しており、近年はDJダイノジとして数多くの音楽イベントに出演している。池田貴史(レキシ)とともにフジテレビ「アフロの変」でMCを担当。ニッポン放送「大谷ノブ彦 キキマス!」、JFN系「SCHOOL NINE」でパーソナリティを務める。

ジョージ・ウィリアムズ
ジョージ・ウィリアムズ

1970年生まれ。日本とイギリスのハーフ。ラジオDJ、VJ、タレント、ナレーターとして幅広い分野で活躍。InterFM「Ready Steady George!!」やTOKYO FM「COUNTDOWN JAPAN」など多くのレギュラー番組を抱える。現在放送中の「プロミス」のテレビCM「地方番組編」にもラジオDJ役で出演中。