ナタリー PowerPush - ニコナタ 影山ヒロノブ×小出祐介(Base Ball Bear)「超音楽祭2014」対談

継承されるアニソンの遺伝子

「ニコニコ超会議」初出演に向けて

左から影山ヒロノブ、小出祐介。

──ここまでの話を伺っていると、影山さんはもちろんですけど、Base Ball Bearが「ニコニコ超会議3」の「超音楽祭2014~超会議3~」に召喚されたのにはすごく納得できる感じがありますよね。

小出 たぶんギターロック畑のバンドの中では、僕らが一番親和性高いと思うんですよ。そういう自負はありますね(笑)。ただ、当日どういうライブにしようかっていうのはかなり迷ってますけど。

──影山さんと小出さん、それぞれ普段からどんなところを大事にしながらライブをされていますか?

影山 僕なんかはね、10代の頃になりたかった憧れの人たちの残像を追い求める感じっていうか、そういうスタイルがずっと気持ちよさとして残っているので、とにかくステージ上では楽しむっていうことだけをいつも考えるようにしてライブはやってますね。それこそ「ROBONATION」以降はアーティストもお客さんもすごくロックなノリでライブを楽しむようになっているから、ロックバンドが出るフェスなんかと同じようにガーッと盛り上げるような感じでやってますね。

小出 僕らはもともと、90年代のニューウェイブやUKロックに影響を受けているので、最初は低温感──いかに温度の低い感じで熱い演奏をするか、みたいな感じだったんですよ。でも、僕らが作る曲とお客さんが求めているものを照らし合わせていく中で、だんだんとフィジカルなライブになっていって。今ではお互い肉体的に高め合うライブになってます。

──そういったライブ観をニコニコ超会議のステージでもぶつける感じですかね。

小出祐介

小出 いやー、そこですよね。その空間の雰囲気が全然想像できないんで、どういうスタンスで行こうかな、みたいな。一応頭の中で考えてるパターンは今のところ2つあって。1つは一切こびないパターン。「ニコ超会議? いやそんなの関係ねえから。俺らロックバンドですし!」みたいな。もう1つは真逆で完全にこびてるパターン(笑)。「ニコ超会議だ! うえーい!」みたいな(笑)。どうしようか本当に迷ってますけど、僕の気持ちとしてはこびたいです。クソこびたいです(笑)。

影山 あはははは(笑)。そのあたりはどうなんだろうね? 俺も超会議に出るのは初めてだから、ちょっとつかめない感じはありますよ。

小出 いやでもイベント自体、影山さんの味方は多いですよね。もともと親和性めっちゃ高いわけだから超ホームだと思う。問題は僕らの在り方ですよ、やっぱり(笑)。

影山 でも、さっきおっしゃってたアニソンですでに浸透してると思うから、普通にどっちのスタンスで行ってもみんなめっちゃウエルカムだと思いますけどね。今のアニソンファンはみんなノリがいいし。「Animelo Summer Live」とかでも、誰のファンだかわかんないくらい最初から最後までみんな盛り上がってくれますからね。ただ、みんなめっちゃ楽しんでたわりに、言いたいこと言うよなっていうのが怖いけど(笑)。

小出 ネットの書き込みとかね。確かにね、それはある(笑)。アニソンってそういう部分が一番シビアそうですもんね。

影山ヒロノブ

影山 でも、ひどいこと書いてるわりに毎回チケット取ってJAM Projectのライブに来てくれてる人もいますからね。そういう書き込みとかも含めて、みんな盛り上がってくれてるのかなって俺なんかは思ってますけどね。

小出 そうだと思いますね。ネットとアニメの親和性自体めちゃめちゃ高いわけだし。

──超音楽祭の模様はニコ生で配信もされるので、コメントがリアルタイムで流れます。

影山 そうですよね。ニコ生の番組に出させていただくと、俺のこと「髪薄いな」とか書いてるやつがいて。誰がハゲや!みたいな(笑)。

小出 あははは。僕は普段、そういうネットの書き込みなんかは見ないようにはしてますけど、今回はせっかくの機会なんで思い切り楽しみたいなと思いますね。みんなにも楽しんでもらいたいですし。画面いっぱいに草がはえたらいいな(笑)。

影山 ニコ生のコメントが流れるシステムって、今やもう日本においてなくてはならないものになってる感じはしますよね。世界中の人が知ってくれてるし。

小出 うん。もはや文化ですよね。ライブ会場でお客さんがワーッと盛り上がることで生まれるグルーヴっていうのは当然あるんですけど、同様にネット配信でディスプレイ上に文字がバーッと出てくることで生まれるグルーヴも間違いなくあるんですよ。僕らはニコ生さんでライブ中継をやってもらうことがあるんですけど、盛り上がった演奏をすれば画面はちゃんと弾幕で覆われますからね。そういうところはすごく好きですね。

影山 Base Ball Bearをはじめ、普段なかなか一緒にできる機会のない方と同じステージに立てるのが光栄だし、すごく楽しみです。俺、ヒャダインと一緒にやってるBase Ball Bearの映像を観ましたけど、すごく日本らしいカッコいいバンドだなって思ったんで。

小出 ありがとうございます! 僕も普段なかなか交差しない方々と同じステージに立てる機会は初めてなので楽しみです。もしかしたらアウェイかもしれないですけど、むしろそこにラインナップされたことの喜びのほうが大きいというか。僕らが今までやってきたことがちゃんとつながったなって。だってロックフェスに出られるロックバンドはたくさんいますけど、ニコ超会議に出てるロックバンドはそうそういないですからね。しかもRHYMESTERから影山ヒロノブさんまでを渡り歩けるのはうちのバンドくらいだと思うんで(笑)。

影山 あはははは(笑)。

小出 現場にしろネット配信にしろ、見て損のないイベントになると思うので、ぜひ目撃してほしいなって思います。

左から影山ヒロノブ、小出祐介。

ニコニコ超会議3

「超音楽祭2014 ~超会議3~」DAY1概要

2014年4月26日(土)千葉県 幕張メッセ国際展示場 ホール8 超音楽祭ステージ
OPEN 10:00 / START 11:00 / END 17:30(予定)

<出演者>
影山ヒロノブ / Base Ball Bear / アップアップガールズ(仮)/ ELISA / 椎名ぴかりん / SKY-HI / SCREEN mode / 春奈るな / ℃-ute / 流田Project / 任天堂スペシャルビッグバンド

<ニコニコ生放送>

JAM Projectニューシングル「Breakthrough」 / 2014年4月30日発売 / 1296円 / ランティス / LACM-14210
JAM Projectニューシングル「Breakthrough」
収録曲
  1. Breakthrough
  2. Maverick~覚醒されし獣~
  3. Breakthrough(Off Vocal)
  4. Maverick~覚醒されし獣~(Off Vocal)
Base Ball Bear ニューアルバム「二十九歳」 / 2014年6月4日発売 / EMI RECORDS
Base Ball Bear ニューアルバム「二十九歳」
初回限定盤 [CD+DVD] / 3780円 / UPCH-29167
通常盤 [CD] / 3165円 / UPCH-20353
CD収録曲
  1. 何才
  2. アンビバレントダンサー
  3. ファンファーレがきこえる(Album Mix)
  4. Ghost Town
  5. yellow
  6. そんなに好きじゃなかった
  7. The Cut feat. RHYMSTER(Album Mix)
  8. 方舟
  9. The End
  10. ERAい人
  11. スクランブル
  12. UNDER THE STAR LIGHT
  13. PERFECT BLUE(Album Mix)
  14. 光蘚(Album Mix)
  15. 魔王
  16. カナリア

※曲順、曲名は変更の可能性があります。

初回限定盤付属DVD
  • メンバーによる初の公式インタビュー
  • 2014年4月4日、TOUR「光蘚」ファイナルとして名古屋ボトムラインにて敢行されたBase Ball Bearによる最新ライブ映像 (収録曲未定)
影山ヒロノブ(カゲヤマヒロノブ)

1961年2月18日、大阪府生まれ。1977年にハードロックバンド・レイジーのボーカル“ミッシェル”としてデビューを果たす。1981年5月のレイジー解散後はソロとして活動し、1985年にKAGE名義で「電撃戦隊チェンジマン」の主題歌を担当。これを機に特撮・アニメソングでの活躍が増え、「ドラゴンボールZ」の主題歌「CHA-LA HEAD-CHA-LA」や「聖闘士星矢」主題歌「聖闘士神話 ~ソルジャー・ドリーム~」などを次々と大ヒットさせた。2000年には同じくアニメソング界を牽引する水木一郎、松本梨香、さかもとえいぞう、遠藤正明とともにJAM Projectを結成。現在は遠藤正明、きただにひろし、奥井雅美、福山芳樹とともにJAM Projectとして日本のみならず世界各国を舞台に活動しながら、作詞、作曲、編曲、プロデュースをこなす「アニソンアーティスト」として幅広い活躍を見せている。

Base Ball Bear(ベースボールベアー)

小出祐介(Vo, G)、関根史織(B, Cho)、湯浅将平(G)、堀之内大介(Dr, Cho)からなるロックバンド。2001年、同じ高校に通っていたメンバーによって、学園祭に出演するために結成された。高校在学中からライブを行い、その後も楽曲制作等、精力的な活動を続け、2006年にメジャーデビューする。2007年には「抱きしめたい」「ドラマチック」「真夏の条件」「愛してる」といったシングルや、アルバム「十七歳」を立て続けに発表。2010年1月には初の日本武道館単独公演を開催した。バンド結成10周年を迎えた2011年には、シングル3枚とアルバム「新呼吸」を発表。2012年は2度目の日本武道館公演を皮切りに活発なライブ活動を展開し、2013年2月に初のベストアルバム「バンドBのベスト」とシングル「PERFECTBLUE」を同時リリースした。2014年6月には約2年7カ月ぶりとなるオリジナルアルバム「二十九歳」を発表。9月からは全国19都市を回るライブツアー「2014年秋ツアー」(仮)を行う。