アントーニオ本多が感じる“いいバイブス”

──今、るびいさんから「尊敬している」と言われたように、メジャーデビュー以降の1年で、成田さんのセンターとしての存在感がグッと増した気がします。そのあたり自覚はありますか？

成田　自分でも信じられないですけど、こうして素晴らしいメンバーと巡りあえて、やりたいことが実現できてるってのが大きいと思います。作品やライブで何か表現したいっていう気持ちは以前からあったんですけど、今まではそのやり方がわからなくて。今はそれができてるから、みんなもついてきてくれてるのかなって。

──アントンさんはどんなところに成田さんの成長を感じますか？

アントーニオ本多　以前の成田くんはいいものは持ってるけど、まだ若いからいろいろな欲だとかリビドーだとかにまみれてたんですね。でも今は青春の苦しみみたいなものを経て、人とコミュニケーションをとることにも慣れて、年齢や経験を重ねたことで、もともとあったいい部分が伝わりやすくなってるんだと思います。でも、まだわからないですけどね、彼が内にどんな狂気を抱えてるかは。

──成田さんが2012年に「SUNSET HEART ATTACK」の歌詞を、作詞経験のないアントンさんに発注したのがアントンさん参加のきっかけですよね。

本多　成田くんが私の、その当時やった試合のことについて歌詞を書いてくれって言ってくれまして。そのときの私の気持ちと、成田くんの中でくすぶってるものとがたぶんシンクロしてたんですね。

──「歌詞なんて書いたこともないし断ろう」とは思わなかった？

本多　成田くんは、私だけじゃなく全員に対してそうなんですけど、仕事を頼む相手のことを本当に好きなんです。だから頼まれた人たちは成田くんと話してコミュニケーションをしていて感じるものがあると思う。簡単に言うと自分が尊敬されてるのを感じて、気持ちよくなっちゃうんです。「この歌詞はアントンさんにしか書けないです！」って言うんですよ（笑）。好きとか尊敬っていう感情が全体をうまく進めてる。流行りの言葉で言うと“いいバイブス”を放ってる。

大内雷電の軸はブレない

──大内さんも、成田さんを長い間近くで見てきた1人ですよね。

大内　アントンさんと成田がリスペクトの関係だとしたら、僕と成田はフレンドの関係なんです。2012年に出会ってから今まで4年間、ほぼずっと離れることなく、たぶん会ってない週とかないですから。

──そんな大内さんから見て今の成田さんはどうですか？

大内　すごく楽しそうですよね。昔はいろんな雑務も全部1人でやってたけど、メジャーデビューしてからは、作品のプロデュースや歌に集中できる環境が整った。ちゃんと前だけ見て、作りたいものを作れてる感じがします。

──大内さん自身の役割も加入当初とはずいぶん変わりましたよね。

大内　そもそも最初はバンドでしたからね（笑）。まさか自分が踊ることになるとは思ってなかったですし。ただ自分がやってることは変わったけど、成田と一緒にやっていくってのは最初のうちから決めてたんで、その軸はブレてないです。

──ベースを弾くかどうかは関係ない？

大内　小さなことです（笑）って言えるようになったのも4年経ったからですけどね。

本多　大内さんのダンス評判いいんですよ。

大内　僕は歌もダンスも素人ですからね。一生懸命やんないとチャンやまいぷに（塚本）みたいな基礎能力の高い人たちにはかなわないので（笑）。