M!LK|M!LKに捧げた青春の行方 アニバーサリーソングに込めた僕たちの5年間

M!LKが11月6日にニューシングル「ERA」をリリースする。

2014年11月に産声を上げたM!LKの結成5周年を記念して発表される今作。アニバーサリーソングの「ERA」はさわやかなサウンドに乗せてグループの歩んできた軌跡やそのときどきのメンバーの思いを歌い上げる楽曲で、7人は聴く者に向けて“もう子供じゃない でも大人じゃない”今の等身大の思いを訴えかける。

シングルリリースを記念し、音楽ナタリーではメンバー全員にインタビューを実施。「ERA」のフレーズに投影させた飾らない感情や、1人の青年としてM!LKの活動に抱く自身の思いなどについて、話を聞いた。

さらに特集後半には、M!LKのリーダー・吉田仁人が結成5周年に際して抱くグループへの思いをテキストにして掲載する。

取材・文 / 三橋あずみ 撮影 / 須田卓馬

核心を突かれた感覚があった

──「ERA」はM!LKのデビュー5周年記念シングルとしてリリースされる作品ですが、表題曲はM!LKのこれまでの歩みやそのときどきの思いを表現したような楽曲ですね。皆さん自身は、この曲を聴いてまずどんなことを思いましたか?

佐野勇斗 簡単に言うと「めっちゃいい曲だな」と。メロディもそうだけど、何よりも歌詞を見たときにそう感じました。曲を聴く前に、(山中)柔太朗からLINEが来たんですよ。「めちゃくちゃいい曲だから早く聴いて」って。そのメッセージを見て「どんなもんかな?」と少し構えたんですけど、ホントにその通りで、すぐにプロデューサーさんに「めちゃくちゃいい歌です、ありがとうございます」って連絡をしました。僕らのことをすごく思って作ってくれたんだなということが伝わってくる歌だったから。

山中柔太朗 グループLINEに曲が送られてきたんですけど、「まだ聴いてない人がいるかも」と思って「聴いて」ってみんなにメッセージを送ったんです(笑)。聴いたとき、僕はもう衝撃というか……「こんなにすごい歌詞の曲を歌うの」と驚いたというか。僕たちのことを歌っている曲だけど、聴いてくれる人に「一緒に進んでいこう」と訴えかける内容でもあって。なんだろう、今このタイミングだからこそ歌える曲なんだろうなって思えました。自分たちにもこれだけ響く曲だから、み!るきーず(M!LKファンの呼称)にも響いてくれるはずだとも感じましたし。

──曲を聴くと、どんな景色が思い浮かびますか?

吉田仁人 「いろんなことがありました」って歌いますけどね……やっぱり直接的だなあと思いますよ。僕は去年の5月、5人から4人になった記憶がよみがえってきたし。

塩﨑太智 「やりきれない別れを飲み込んで」、ですからね。

仁人 すごく核心を突かれたような感覚があって「もう曲にできるようになったんだな」とも思えて。

太智 うん。

仁人 1つの記憶として、僕らが受け止められるようになったんだなと思ったんですよね。

宮世琉弥 あの、「やりきれない別れを飲み込んで」というところは、僕たち3人(琉弥、柔太朗、曽野舜太)にも当てはまると思ったんですよ。

柔太朗 そうだよね。

琉弥 僕らはBATTLE BOYS(EBiDAN研究生によるプロジェクト)や各営業所の仲間との別れを飲み込んでM!LKのメンバーになったから。

曽野舜太 僕は名古屋営業所のみんなにさよならをして、覚悟を決めてM!LKに入ったことを「ERA」を聴いて再確認したし、もっとがんばっていかなきゃなという思いにもさせられました。

柔太朗 自分も東京(営業所)の仲間やライバルがいたから今こうしてがんばれている、という気持ちがありますし……。

勇斗 確かにそうだよなあ。

柔太朗 「やりきれない別れを飲み込んで」のパートは、振りも感情が入れやすい動きだったりするんです。振付師の方も「それぞれの記憶を思い出しながら踊ってほしい」と言ってくれたんで、踊っていても感慨深いものがあったりして。

板垣瑞生 とにかく「ホントにいい曲だな」と思ったし、自分の中では「まだ大人じゃない でも子供じゃない」というサビのフレーズにはすごく考えさせられるところもあって。僕は今、高校を卒業して社会人という立場だけど、まだ未成年で。大人と呼ばれるにはまだまだだけど、自分の人生に自分で責任を持っていて……という部分で、今の状況をこの曲に認めてもらって、勇気をもらえるような感覚もあるんです。

僕らは挑戦者だ

──瑞生さんのように、皆さんそれぞれ特にグッときたフレーズはありますか?

塩﨑太智

太智 サビの「報われたいよな 最後笑ってたいよな」という部分は、「そういう感情って自分の人生の節々にあるな」と思いました。M!LKの活動に関してもそうだし、例えば受験なんかもそうだし。あと、ラストが「思い通りにはいかなくても」という1文で終わるじゃないですか。すごく不思議な余韻を残して終わる感じがして、ここも僕は好きです。

柔太朗 僕は、2番のサビの「何も無駄じゃない 君は無駄じゃない」っていうところ。まだ17歳のガキですけど、自分にも「あのときあきらめないでやり続けたから花が開いたのかな」と思えるようなことがたくさんあるので。今は無駄だと思えてしまうようなことも、やり続けることで未来につながるというのは、本当に感じることなんです。だから、その思いをみんなと共有できてうれしいというか。

舜太 僕は「簡単じゃなくて でも逃げたくなくて」というところ。僕、EBiDANに入りたての頃、めちゃくちゃダンスが苦手だったんですよ。「『Believe Yourself』(EBiDANの全体曲)を覚えてこい」ってスタッフさんに動画を渡されたけど本当にできなくて、「体動かん!」と思ってた(笑)。でも逃げたくはない、やらなきゃいけないとムキになったし、そういう気持ちや経験が積み重なって今の自分がいるから。あとここの歌詞は、そのあとの「積み重ねた一秒よ どうか明日を裏切るな」っていうところにもつながっていくんですよね。

柔太朗 そう、そこもめちゃくちゃヤバいよね!

吉田仁人

──仁人さんはいかがですか?

仁人 僕は、「僕らは言わば挑戦者」というフレーズが、攻めてるなと思いました。ここは柔太朗と舜太と琉弥が歌っているんですけど、3人とも「M!LKでこれから思い切りやってやろう」という、すごい熱量で歌っているなと思いますし……。

柔太朗 そうですね。

仁人 見方を変えれば、男性のダンスボーカルグループがたくさんいる中で、「僕らは挑戦者だ」と言っているようにも捉えられるなって。今居る場所は僕らにとってはすごくチャレンジングな世界だと思うし、そこでM!LKが1つ食い込めるようになりたいという、すごく熱量のある思いが歌詞に組み込まれているっていうこと自体がうれしいです。また、そういう気持ちを3人が歌っているというのもいいなと思います。

──そう、「ERA」は歌割りにもすごく意味がありますよね。

柔太朗 そうなんですよ。素晴らしい歌割りになっていて。

板垣瑞生

舜太 長年M!LKのことを見守ってくれているスタッフさんが決めてくれました。

仁人 「いろんなことがありました」は太智と僕だしなあ。

柔太朗 歌い出しが勇斗くんっていうのもいいよね。「諦めの悪い 僕達のこと 『まだやってる』って誰か笑っても」って。

瑞生 笑われたことあるなあ。けっこう言われない?

勇斗 俳優の現場では言われることもあるよね。「いつまで(音楽活動を)やるの?」とか。

一同 へえー。

柔太朗 そう思うとさ、いろんな考え方があるよね。