音楽ナタリー PowerPush - MELLOWSHiP

リスナーに変化与える“革命的”新作

それぞれのルーツ

──皆さんが影響を受けた音楽はなんですか?

tomoki(Vo, B)

tomoki 僕はRed Hot Chili Peppersですね。あと175RとかMONGOL800とか青春パンクも好きでした。

──tomokiさんはスラップのソロこそあれど、普段はピック弾きです。ミクスチャーバンドとしては珍しいかもしれないですね。

tomoki そう、単純にピック弾きで出せるドライブ感が好きなんですよ。

$ENKIN 僕らの曲だとサビはピック弾きの感じがいいなって思うからハマってると思います。

──なるほど。例えばツービートで駆け抜ける「You're waitin'」の疾走感はリズム隊の趣向も影響していそうですね。

Tatsuya 僕が以前やってたバンドではメロコア中心のツービートの曲が多かったこともあって、一番得意なのがツービートなんです。前作では若干それを抑えていた感じが正直あったんですけど、今作ではツービートを含めて自分らしさも入れることができました。Hi-STANDARD、locofrankあたりを聴いて育って、$ENKINとtomokiが以前やってたバンドがアメリカ西海岸系の縦ノリの感じだったので、うまくミックスされたかな。

$ENKIN MELLOWSHiPの結成前、Tatsuyaが別のバンドでツービートを叩いてたのも知ってるので、今回それをやってほしいっていうのもありました。

Tatsuya locofrankの(笹原)達也さんのドラムに一番影響を受けてるんで、「You're waitin'」とか「Tomorrow」みたいなメロディックパンク系の曲が特にしっくりきます。早くライブでみんなにも聴いてもらいたいです。

──ではToshikiさんのルーツは?

Toshiki ギターを始めたきっかけはELLEGARDENです。あとはハイスタから入ってメロディックパンク、中3くらいからRIZEとかいわゆるミクスチャー系を聴き出して、そこから掘り下げていってRage Against The MachineとかLimp Bizkitとかも聴きつつ、今に至ります。

Toshiki(G)

──なるほど。$ENKINさんは全員の好きなものを咀嚼して、バランスよくバンドの楽曲に反映させているんですね。

$ENKIN 誰が何を一番好きかはわかってるつもりでいます。「このリフならToshikiは喜ぶかな」とか考えながら作ることもありますし。

──それぞれの影響はもとより、tomokiさんがピック弾きで、Tatsuyaさんがツービートが得意、Toshikiさんがヘビー好きとなるとアタックの強いサウンドになりそうですよね。でも完成した音源を聴くと激しいだけじゃなく絶妙なバランスになっていますよね?

$ENKIN 僕らだけじゃ、このバランスは見つけられませんでしたね。お世話になってるエンジニアさんとはプログラミングについて突き詰めていったんです。あとゲネプロで一晩中ライブハウスにこもったときは、PAさんに朝まで付き合ってもらって生音を作りこみました。

歌詞はいつだってストレート

──収録曲について詳しく聞かせてください。「Introduction」は着メロのようなシンセのメロディが印象的です。

$ENKIN 1トラック目のイメージはまさにそれです。雑踏の中で着メロっぽいシンセを流しているんですけど、実はそれが「Re:revolution」のイントロと同じメロディっていうのが面白いかなって。

──そこから2曲目の「Re:revolution」がヘビーなリフで始まるのかなって想像したんですが、低音少なめのシンセ音から始まって、そのあとにバンド演奏が入ってきます。

$ENKIN 「Re:revolution」はイントロでシンガロングを入れてて、バンド演奏が始まったらみんなですぐに歌えるようにしたかったんです。お客さんのことを考えて作った結果、最初は低音を抑えてシンガロングが映えるようにしました。

絶対に前向きで終わりたい

──「TIME PARADOX」の歌詞で気になるフレーズがあったんですが、「Mr.V」ってどなたですか?

$ENKIN wrong cityのVictor(Vo, G)です。彼らとツアーを回ったときがあって、すごい楽しかったんですね。それでVictorと「なんでこんな楽しいと時間が過ぎるのが早いんだろうな」って話をしてるときに、「『TIME PARADOX』ってタイトルの曲書きなよ」って突然言われて、なんかそれいいなと思ってツアー中に曲を書いたんです。

──「V氏が僕にヒントをくれた」という歌詞の通りのエピソードですね。同じ曲の歌詞に出てくる「This T’s 16 beat」のTはTatsuyaさん?

Tatsuya(Dr)

$ENKIN そうです。この曲でTatsuyaが高速でハイハットを叩く部分があるんですよ。そのアレンジを生かすかどうか考えたときに、絶対Tatsuyaはこのフレーズを気に入ってるだろうし、残したほうがいいなって思った結果、今回ここに関してはオケを生かすだけじゃなくて「このTの16ビート『チキチキ…』ってぶっ飛んでるだろ?」とそのまま歌詞にして。

Tatsuya そう、僕の叩くフレーズについて歌ってくれることになったんでうれしかったです(笑)。

──柔軟な発想ですね。どの曲にも前向きなメッセージが多く込められていると感じましたが、怒りや悩みなどをテーマにすることはないんですか?

$ENKIN ネガティブな部分を歌ってお客さんに共感してもらうバンドではないと思うんです。僕らはドーンとかまして生み出した高揚感をお客さんに共有してもらって、やっとバンドの表現したいことが成り立つと思うので、絶対に前向きで終わりたいんですよ。だからネガティブなことに触れる歌詞があっても最終的には前向きになるように全曲書いてますね。

──「hometown」は今作では唯一、アコースティックギターをフィーチャーしたナンバーですね。

$ENKIN 実はこの曲、昔のデモに入ってるアコースティック曲の再録バージョンなんです。故郷のことを歌ってるんで、温かい感じを出したかったのと、今作は全体的に激しめなので、ここで耳を休めてもらえたらいいなって。

──デモのときから大きくアレンジは変わってない?

Tatsuya 変わってないですね。ライブでこの曲をこれからもやり続けたいなと思って今回のアルバムに入れました。

$ENKIN 個人的な話ですけど、最近実家を離れまして。大阪の南のほうの田舎に住んでたんですけど、今はそこにいないので当時とはまた違った気持ちで故郷の歌を歌うことができるかなあって思ってます。

ミニアルバム「Re:revolution」/ 2015年4月22日発売 / 1890円 / PINEFIELDS RECORDINGS / PINE-0034
ミニアルバム「Re:revolution」
収録曲
  1. Introduction
  2. Re:revolution
  3. Layer Face
  4. You're waitin'
  5. Satisfied Days
  6. TIME PARADOX
  7. hometown
  8. Tomorrow
MELLOWSHiP(メロウシップ)

MELLOWSHiP

$ENKIN(Vo, G, Programming)、Tatsuya(Dr)、tomoki(Vo, B)、Toshiki(G)からなるミクスチャーバンド。2012年10月に結成し、ロック、ポップ、パンク、EDM、ラウドなど多彩なジャンルをあわせたサウンドを武器に活動の幅を広げている。2014年7月に1stフルアルバム「CREATE THE WORLD」をリリース。その後およそ30公演におよぶ全国ツアーを開催し、各地で盛況を収める。2015年1月にONE OK ROCK、Yellowcard、Tonight Aliveが出演したライブイベント「AP Japan x Tokyo Loud presents "Ten Hundred Miles Tour 2015"」の大阪公演でオープニングアクトを務めた。同年4月にミニアルバム「Re:revolution」をリリースし、5月より全22公演のレコ発ツアー「Re:revolution TOUR 2015」を実施する。