音楽ナタリー Power Push - うたパス「Listen with」特集 Vol.3 楠田亜衣奈

“無自覚なネットの達人”くっすん流「Listen with」活用術

知らないうちに世の中が便利になっていた!

──ちなみに最初に買ったCDって?

近藤真彦さんの「ミッドナイト・シャッフル」です。「銀狼怪奇ファイル(~二つの頭脳を持つ少年~)」っていうドラマの主題歌だった上に、小学2年生のときの担任の先生が近藤さんの大ファンで、クラスの催し物みたいなときに流していて。まさに大きな扉が開かれた状態だったから母に買ってもらいました(笑)。あと、これも私がネットの情報を使いこなせてないって話なんですけど、配信で曲を聴き始めたのもつい最近で……。

──それはなぜ?

楠田亜衣奈

「CDじゃないと!」っていうこだわりもちょっとあったし、車のCDプレイヤーで音楽を聴くことが多いからっていうのもあるし、あとこれが一番の理由なんですけど配信での曲の聴き方が……。

──なるほど(笑)。

難しい操作とか手続きが必要なんじゃないかと思ってたんです。でもこの間調べてみたら、私の知らないうちに世の中がすごく便利なことになってたんですよ!

──アプリを立ち上げて曲名をタップやクリックすれば聴けちゃうし、サービスによっては携帯電話の料金とまとめて利用料を請求してくれるし(笑)。

そうなんですよね(笑)。だから今はCD屋さんが閉まっちゃった夜中なんかに「ちょっといつもと違う曲を聴きたいな」ってアクセスして「あっ、あのアーティストさんが新曲を出してる」って感じで使ってます。

私、そんなに楽しそうにしてたかなあ

──話が前後するんですけど「大きな扉」の話を踏まえた上で、先日リリースされた楠田さんのデビューミニアルバム「First Sweet Wave」を聴くとちょっとビックリする気がします。

そうかもしれないですね。

──電子音丸出しのシンセを使った「トドケ ミライ!」や、2コーラス目のサビ前の絶妙なタイミングで楽器がブレイクする表題曲のような、ヒネりを加えたアレンジをタイトなプレイで聴かせるギターロックが並んでますよね。

だからボーカルレコーディングのときもけっこうがんばりましたし、今も「イベントとかライブとかでちゃんと歌えるかな?」ってプレッシャーを感じてます(笑)。

──すごくポップなんだけど、いわゆるストレートなJ-POPじゃないからけっこうテクニカルなボーカルを求められますよね。ただ楠田亜衣奈名義であるということは楠田さんがこの曲をセレクトしたのでは?

こういうアルバムになったのは“私の”意思ではあるんだけど、“私だけの”意思ではないって感じなんです。「さんくっすん祭り」を観た音楽プロデューサーの山田(高弘)さんやレーベルのスタッフさんが提案をしてくれたものなので。「さんくっすん祭り」って去年もやってるんですけど、そのときにはJUDY AND MARYさんの「そばかす」をカバーさせていただいていて……。

──山田さんたちが「JAMが好きなら、ちょっとヒネったギターロックはハマるだろう」と考えた感じ?

楠田亜衣奈

そういう感じなんだと思います。大きな扉の向こうの曲たちの中でもガールズロックは特に好きだし、中でも「そばかす」は小学生の頃からカラオケに行ったら必ず最初に歌うくらい、しかもカラオケの機械のリクエスト番号を覚えていたくらい好きですから(笑)。ただその話をしたわけじゃないから「なんでみんな、私が実はこういう曲が好きなことを知ってるんだろう?」って不思議ではあるんですよ。私「さんくっすん祭り」で、そんなに楽しそうにしてたかなあ、って(笑)。

「声優だから歌う」のは自然なこと

──山田さんたちの提案で方向性が決まったとなると楽曲制作にはあまりコミットしていない?

というわけではないですね。例えば「HO♡HOLIDAY」っていう打ち込みの曲があるんですけど……。

──楠田さんのボーカルを“声ネタ”のように使った、このアルバムでは異彩を放つEDMライクな曲ですよね。

アルバムの中にそういう曲がアクセントとしてあるとうれしい、っていうお話をしたのと、ほかの曲についてもデモをいただいたあと「ここはこうしたい」っていうお話は必ずさせてもらってました。

──なるほど。ところでいつ頃から「いずれは音楽活動も」って考えてました?

「歌える声優になりたい」と思ってこの世界に入ったわけではないんですけど、私、声優になって初めての仕事が歌のお仕事で。

──“声優”の初仕事が“歌”の仕事?

初めて受かったオーディションが「ラブライブ!」の東條希役だったので。

──そうか。「ラブライブ!」って雑誌「電撃G's magazine」の1企画として始まって、世界観やキャラクターデザイン、それから配役が発表されたあと、まずは音源制作やライブといった音楽活動を積極的に展開してましたもんね。

楠田亜衣奈

なので初仕事がμ'sの1stシングル(2010年の「僕らのLIVE 君とのLIFE」)のレコーディングだったんです。しかも当時はアニメ化なんて全然決まってなくて、雑誌の読者の方と一緒にライブやCDを通じて「ラブライブ!」という作品を育てていってる段階で。そういう状況で声優としてのお仕事をスタートしているから「声優だから歌う」のは自然なことだったし、ライブのお客さんの反応を見て「こう表現したら、こう伝わるんだ」ってお芝居にもフィードバックできることを勉強させてもらう機会も多くて。そうしているうちに「いつかソロでも歌ってみたい」って気持ちが芽生えてきたんです。

──そしてこのたびデビューを果たしました。いかがですか? 改めてデビュー盤を聴いてみて。

私が好きな曲が集まった、本当に私らしいアルバムになったな、って思ってます。当たり前なんですけど、声もやっぱり私らしいですし。

──今お話をしている声以上にかわいらしく歌ってますよね。その声がタイトなギターサウンドに乗っているアンビバレントな感じもカッコよかったし、面白かったです。

でも「声を作ろう」とは考えてなくて。もしかしたら「この曲の歌い方って(東條)希じゃん」「あのキャラと似てるかも」って思う方もいるかもしれないんですけど、キャラクターを演じているのも私ですから。キャラクターソングって全部キャラクターのものであるのと同時に、私のものでもあると思っているので、今回も「キャラソンみたいにならないように」とか「楠田亜衣奈らしさってなんだろう?」って悩むことなく、どの曲も「これが私なんです」って自然に楽しく歌えた気はします。メロディと展開を追いかけるのは大変でしたけど(笑)。

──あと「私が好きな曲が集まった」ということは「実はあのアーティストのあの曲が好きだから『トドケ ミライ!』のことも好きなんです」っていう感じで、ミニアルバムを聴くための補助線になりそうな曲ってあったりします?

ホントに素のまんま、「『トドケ ミライ!』ってなんか好きだなあ」って感じで歌ってたから気付かなかったんですけど、好きだと思ったということは実はそういう曲があるのかもしれないですね。その話もチャットでできたら面白そうだから、ちょっと家のCD棚を探ってみます(笑)。

楠田亜衣奈

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「Listen with」楠田亜衣奈
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楠田亜衣奈(クスダアイナ)
楠田亜衣奈

千葉県生まれの女性声優。2010年、メディアミックスプロジェクト「ラブライブ!」シリーズの東條希役として声優デビュー。以来、アニメ「にゅるにゅる!!KAKUSENくん」シリーズ、「ミリオンドール」「プリパラ」シリーズなどに出演する一方で、「ラブライブ!」の出演声優からなるユニット・μ'sの一員として音楽活動も活発に展開する。2010年の「僕らのLIVE 君とのLIFE」以降、数十枚に及ぶCDをμ'sと派生ユニット名義でリリースし、2013年からスタートしたテレビアニメ版「ラブライブ!」の関連楽曲は軒並みオリコン週間シングルランキングベスト10内にランクイン。また2014年、2015年にはμ'sの一員としてさいたまスーパーアリーナでの2DAYS公演に出演している。そして2015年10月、μ'sの楽曲も手がける山田高弘サウンドプロデュースによるミニアルバム「First Sweet Wave」を引っさげて楠田亜衣奈名義でのアーティストデビューを果たした。


2016年1月12日更新