「アンサーズ」と「answers」

──そしてカップリング2曲目は「SAO」の初代オープニングテーマ「crossing field」の英詞バージョンです。なぜ英語で歌ってみようと？

私の代表曲だからですね。「SAO」って国内はもちろんなんですけど、海外でもすごく愛されていて。私が海外のアニソン系のイベントでこの曲を歌うと、みんな日本語で歌ってくれるんですよ。「SAO」をきっかけに、日本語が母国語じゃない人たちが、日本語のLiSAの歌を覚えてくれたことが本当にうれしかったので、今度は私の番。海外の人も含めて「SAO」とLiSAを愛してくれている人たちに感謝の気持ちを伝えたくて英語で歌ってみました。

──ぶっちゃけ大変じゃなかったですか？

すっごく大変でした！ 以前組んでいたバンドでも洋楽のカバーはしていたし、オリジナル曲も英語だったんですけど、あるとき外国の方のバンドと対バンすることになって。「この人たちの前で英語は歌えない！」「対等に戦えるほどの英語力はない！」ってビビっちゃって、それ以来、英語で歌うのは封印してましたから（笑）。

──でも、今回歌った。

みんなへの感謝の気持ちがあったし、あと今はちゃんと発音の先生が付いてくれていますから（笑）。あのときよりは自信をもって英語を歌えるようにはなれたんだし、やってみよう。もともと洋楽は好きなんだし、英語を歌わないのはもったいないよなって。……でもやっぱり発音は大変でしたね。

──よく日本人は「L」と「R」を正しく発音できないなんて言われがちですけど……。

そこもハードルの1つだったし、あと子音で終わる単語が……。例えば「answers」を日本語的に歌うと「アンサーズ」ですよね。

──ところが英語の場合、最後の「ズ」＝「zu」の母音「u」は発音しない。

でも、空気を抜くように「z」は発音しなきゃいけないんですよね。その子音で終わる単語の発音にはけっこう悩まされた気がしてます。なんちゃって英語で歌ってたバンド時代、なんで私は外国人バンドに勝てないと思っちゃったのか、よくわからなかったんですけど、今回その理由を痛感させられました（笑）。

──ただ、さすがというか、カッコよく歌ってますよね。

ありがとうございます（笑）。言語は違えど歌い慣れている曲ではあるから、今、私は何について歌っているのかはちゃんと理解できるし、ちゃんと言葉の1つひとつに感情を込められましたから。あと英語って日本語ほど文節をはっきりと区切って発音しないじゃないですか。だから英語で歌うと“言葉を歌っている”というよりも“メロディを歌っている”っていう感覚になれて。流れるようなメロディラインの気持ちよさをそのまま引き出せるんですよね。

九段下の真ん中で“LiSA第2期”の開幕を宣言

──さて来年早々には大一番、武道館リベンジマッチが待っています。

私の中では前回の武道館までは“第1期”という位置付け。 “スーパーマンLiSA”として活動していたつもりの時期だったんです。

──でも、おっしゃる通り「つもり」だった（笑）。

ステージ上で正体がバレたことにより（笑）。

──じゃあ今年は “第2期”で、来年は第3期？

いえ。今年は「SAOⅡ」でいうところの《キャリバー》編ですね（笑）。

──インタールードというか、その後に《マザーズ・ロザリオ》編という大ネタを控えている感じ？

そういう感じですね。2期に向かう途中。弱さもちゃんと見せて、みんなの力を借りながら素の状態でも戦える存在になるまで。今はそういう過程にあるんだと思ってます。

──そして来年の武道館から“LiSA第2期”が本格的にスタートする、と。

ちゃんと鎧を脱いだ、でもちゃんとステップアップしている、第2期ならではのLiSAの姿をお見せします！