相思相愛

──吉川さんとアカシックのお二人は今日が初対面だそうで。そうなるとお互いいろいろ聞きたいことはあると思いますが……。

理姫　あるある！

──理姫さんはこれまで吉川さんにどんな印象を持っていましたか？

理姫　私は「きっかけはYOU!」（2011年5月にリリースされた吉川の1stシングル）が出たときに「衝撃的な美女が現れた！」と思ったんです。本当に。同性でも好きな顔のタイプがあって、吉川さんが私、本当に好きなんですよ。このフェイスが。これまさに美人。まる。みたいな。アップフロントの皆さんの中でもダントツの美女だと思ってます。

吉川友　あら、うれしいー。

奥脇達也　非の打ちどころがない。弱点がないですよね。

吉川　何度かお会いしてくと、私の欠点がどんどん見えてくると思います（笑）。すっごい言われるんですよ。「こんな人だったの？」って。

──吉川さんはアカシックの音楽を聴いてどう思いましたか？

吉川　初めて聴いたときから、理姫さんの歌声ってすごく耳に残るんですよ。1回聴いたら耳から離れない感じで。MVは「プリチー」（2014年10月発売の2ndミニアルバム表題曲）が一番好きで、「プリチー」の理姫さんの顔がめっちゃタイプです。

──相思相愛ですね。

理姫　よかったー。うれしいなあ。

早くも次回作コラボ決定!?

──アカシックが吉川さんの曲を書くことになったのはどういうきっかけで？

吉川　あ、それ私も知りたい！

奥脇　最初はアップフロントさんから「何か曲ないですか？」ってお願いがあって、それは吉川さんにというオファーではなかったんですよ。まずはアップフロント所属の皆さんのあらゆる曲を聴きまくって……でも音楽的な幅が本当に広いから、これだ！と思える方向がなかなか見つからなくて。結局、過去の作品を意識するよりも、アカシックっぽいものを1曲ポンと投げておこうと。それが、しばらく経った頃にうちの担当から「吉川友さんのシングルに採用された」と連絡があって。

──あ、そうだったんですね。組み合わせの意外性とは裏腹にすごくフィットしてたので、吉川さんをイメージして書いたのだとばかり。では特に「こういうテーマで書いてほしい」というオファーではなく、自由に？

理姫　そうですね。自由に作らせてもらいました。

──外部アーティストに曲を書くのは、やはりアカシックの曲作りよりも大変ですか？

奥脇　いや、気持ち的には自分たちの曲を書くよりラクですね（笑）。自分たちの曲だと、例えば吉川さんが好きだと言ってくれた「プリチー」を作ったら、次に出す曲は「プリチー」を超えなきゃいけないし、「プリチー」で使ったネタは使えないなと自分の手札を消して、新しいものを発見しなきゃというプレッシャーがどんどん大きくなるんですよ。外部の方に曲を書くときは、それまで培ってきたものを全部出してやろうというスタンスなので、アイデアはどんどん浮かぶんです。

──誰が歌うかわからないとなると、歌詞も難しいですよね。

理姫　どなたが歌うのかわからないけど、せっかくなら自分じゃなくアイドルの子に歌ってほしい内容にしたいなと思って。

──「アイドルが歌う曲」という前提で書き進めていったと。

理姫　はい。年齢的に広く見て、10代の子なら等身大で歌える、20代の子なら懐かしく思いながら歌えるようにと思って書いたんですけど……吉川さんが歌うとわかっていたら、私はもっと尖った歌詞が書けたかなと思いました（笑）。だから正直もう1回チャンスが欲しい。

奥脇　あー、作りたいねー。

──曲の話題に入る前に次回作の話が（笑）。

吉川　これ決定ですね。ありがとうございます！

実体験に願望を込めて

──吉川さんは「チャーミング勝負世代」を聴いてどう思いましたか？

吉川　今回がデビューから10作目のシングルで、アルバムも5枚リリースさせていただいた中でいろんな曲を歌ってきましたけど、ここまでがっつりロックで歌詞がキュートなロックカワイイ曲はなかったので「新しい曲が来た！」と思いました。

──新機軸だけど今の吉川さんにぴったりだなと思ったので、もともと吉川さんに当てて書いたんじゃないというのが本当に意外でした。

吉川　そうですよねー。

──理姫さんは歌詞を書くときは全部実体験だとおっしゃってましたけど（参照：アカシック「DANGEROUS くノ一」特集 理姫×ピスタチオ伊地知対談）、アイドルに書く場合はどうなんですか？

理姫　やっぱり自分が体験した出来事から膨らますんですけど、そこに自分の願望を入れるというか。私もアイドルやかわいい人、きれいな人が好きだから、「このかわいい人にこういうことやってもらいたいなー」という願望があるんですよ。美しい人に「なんだかんだ美しい 絶対 幸せだ」って言われたい……って歌ってもらいたくて。

奥脇　なるほどね（笑）。

──吉川さんはこの歌詞に対して、リリース発表時のコメントで「一人であせってる女の子の等身大ソングです！ こんな時代もあったなぁ～～。笑」とおっしゃってますよね（参照：吉川友10thシングルは大森靖子、サクライケンタ、アカシック参加の両A面）。

吉川　合ってます？ 解釈合ってます？ こんな時代もあったなあ、懐かしいなあって思ったんですよ。茨城からイモ臭い女の子が東京に出てきて、荒波にもまれて、意地張ってた時期もあったなあって。

──意地張ってたんですね。

吉川　はい。ほかの女の子に追い付こう、負けないようにがんばろうと意地を張ってた時期がすごく懐かしい。