音楽ナタリー PowerPush - GLAY

「MUSIC LIFE」特集

TERU×箭内道彦対談

GLAYの新作「MUSIC LIFE」リリース記念特集第3弾となる今回はボーカリストTERUと、広告クリエイターにしてフリーペーパー「風とロック」の編集人、そして猪苗代湖ズなど数々のバンド・ユニットに参加する箭内道彦が登場!

2011年3月の東日本大震災発生直後から現在に至るまで、積極的に支援活動を展開するTERUと箭内。両者の対談は箭内が、一連の活動から垣間見えるTERUの横顔を分析する展開に。名うての広告クリエイターは、日本で最も有名なロックバンドのフロントマンをどう切り取るのか。その言葉にぜひ耳を傾けてみてほしい。

取材・文 / 成松哲 撮影 / 上山陽介

「まだいい人」だから魅力的なTERUとGLAY

箭内道彦 今回のGLAYのアルバムのタイトル「MUSIC LIFE」の「MUSIC」と「LIFE」ってどっちも、たぶん僕が人生の中で一番目にしている単語なんです。

TERU そういえばそうですよね(笑)。

箭内 もう17~18年、タワーレコードの「NO MUSIC, NO LIFE.」キャンペーンをやってますから(笑)。GLAYとの出会いも「NO MUSIC, NO LIFE.」ですし。昔(2002年)、JIROさんにポスターに登場していただいたのが僕とGLAYとの初めての接点で、そのあと僕が司会になって2年目(2009年)にNHKの「トップランナー」のトークゲストとしてTAKUROさんが出てくれて、GLAYがスタジオライブをやってくれて。そして一昨年、JIROさんがTHE PREDATORSとして「風とロック芋煮会」に出てくれたり、去年「別冊カドカワ」の企画でひさしぶりにTAKUROさんと対談させてもらったり、今年に入ってからはHISASHIさんに「東北六魂祭」で、僕がプロデュースするTOHOKU ROCK'N BANDっていう謎の集団に参加していただいたり(笑)。

左からTERU、箭内道彦。

TERU あとライブに足を運んでいただいたりもしてますよね。

箭内 そうだ! 一昨年の12月にいわきであったライブ(「HOTEL GLAY presents GLAY CHRISTMAS SHOW 2012 Winter THE SWEET ROOM in Iwaki Perfoming Arts Center "Alios"」)でもぎりをやらせてもらったんだった。

──へっ!?

TERU そう、会場の入り口でチケットのもぎりをなさってたんですよ(笑)。

箭内 しかも勝手に(笑)。GLAYが僕の地元である福島でライブをやるって聞いたから、呼ばれてもないのに行って「いらっしゃいませ」って。

──あはははは(笑)。さらに箭内さんは今年3月にあった「GLAY EXPO 2014 TOHOKU 20th Anniversary」のプレスカンファレンスにゲストとして登壇しています(参照:東北に元気を!10年ぶり「GLAY EXPO」9月に宮城で)。箭内道彦という人にそこまでさせるGLAYの魅力ってなんなんでしょう?

箭内 それを本人を目の前に話すんですか!?

TERU ぜひ聞きたいですね(笑)。

箭内 いやあ……。言葉にしてしまうとあまりに単純で軽く聞こえてしまうかもしれないんですけど、いい人じゃないですか。しかも「まだいい人」なんです。これだけ売れているロックスターともなるとちょっと変わっているというか、ヒネくれていたり、イヤなところがあったりするものだとも思うんですよ。そうじゃないと世の中バランスがとれないから。例えばクラスいち頭のいいヤツが性格まですごくよかったりしたら……。

TERU できすぎですね(笑)。

箭内 ところがTERUさんはもちろん、GLAYはメンバー全員「できすぎ」なタイプなんですよ(笑)。その素直でいい人な感じは東日本大震災以降の東北に対する取り組みにも表れているし、ライブに来ているファンのみんなの笑顔を見ていてもわかることなんだけど、だからこそ恐るべき存在だと思うし、すごく素敵な存在だとも思うし。大好きです。

TERU ありがとうございます(笑)。

金髪だけど、ちゃんとした大人

TERU

TERU でも俺も箭内さんに同じことを感じてましたよ。物事を素直にストレートに捉える方なんだろうな、と。何か行動を起こすときって周りの目が気になるものだし、箭内さんももちろん周囲のことを意識してはいると思うんですけど、それでも「そんなことはどうでもいい! 正しいことはこれなんだ」って突き進んで、ほかの人たちのためにちゃんと道しるべを作ってくれている。

箭内 いやいやいや(笑)。

TERU 例えばTAKUROってチャリティみたいな社会的な活動に関わるのにすごく慎重なんです。自分の中で正しさを見出せないとなかなか賛同しなかったりするんですけど、このあいだの「風とロック」のイベント(9月開催の「風とロック芋煮会2014」)にKIZUNA BANDで参加したときの話なんかを聞くと、すごく自信満々だったんだろうなって感じられて。チャリティに対してちょっと神経質ですらあるTAKUROがなんでそうなれたかっていったら、箭内さんが背中を見せてくれたから、やり方を示してくれたからなんですよね。だからすごくストレートで、ちゃんとした大人なんだろうな、と。

箭内 そんなこと全然ないから(笑)。

TERU 金髪だったりはするんだけど(笑)、俺の中の箭内さんはちゃんとした大人なんです。

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「MUSIC LIFE」参加ドラマーインタビュー
ニューアルバム「MUSIC LIFE」 / 2014年11月5日発売
「MUSIC LIFE」
2CD豪華盤 BALLADE BEST☆MELODIES / 3996円 / ポニーキャニオン / PCCN-00017
2CD豪華盤(G-DIRECT限定)BALLADE BEST☆MEMORIES / 3996円 / loversoul music & associates / LSCD-0018
1CD盤 / 2700円 / ポニーキャニオン / PCCN-00018
CD収録曲
  1. BLEEZE(Album Ver.)
    [作詞・作曲:TERU / ドラム:永井利光]
  2. 百花繚乱
    [作詞・作曲:TAKURO / ドラム:松下敦]
  3. Only Yesterday
    [作詞・作曲:TAKURO / ドラム:村石雅行]
  4. 疾走れ!ミライ
    [作詞・作曲:TERU / ドラム:永井利光]
  5. 祭りのあと
    [作詞・作曲:TAKURO / ドラム:永井利光]
  6. 浮気なKISS ME GIRL
    [作詞・作曲:TAKURO / ドラム:高橋まこと]
  7. 妄想コレクター
    [作詞・作曲:HISASHI / ドラム:永井利光]
  8. Hospital pm9
    [作詞・作曲:TAKURO]
  9. DARK RIVER
    [作詞・作曲:TAKURO / ドラム:村石雅行]
  10. TILL KINGDOM COME
    [作詞・作曲:TAKURO / ドラム:中村達也]
  11. MUSIC LIFE
    [作詞:TAKURO / 作曲:JIRO / ドラム:永井利光]
GLAY(グレイ)

函館出身の4人組ロックバンド。TAKURO(G)とTERU(Vo)を中心に1988年から活動を開始し、1989年にHISASHI(G)が、1992年にJIRO(B)が加入して現在の体制となった。1994年にシングル「RAIN」でメジャーデビュー。1996年にはシングル「グロリアス」「BELOVED」が立て続けにヒットし、1997年に「HOWEVER」がミリオンセールスを記録したことでトップバンドの仲間入りを果たす。1999年7月には幕張メッセ駐車場特設会場にて20万人を動員するライブ「MAKUHARI MESSE 10TH ANNIVERSARY GLAY EXPO '99 SURVIVAL」を開催。この人数は単独の有料公演としては、日本のみならず全世界での史上最多動員記録となっている。その後も数多くのヒット曲やヒットアルバムを生み出し、2010年4月には自主レーベル「loversoul music & associates」を設立。メジャーデビュー20周年を迎えた2014年9月20日には、宮城で大型ライブ「GLAY EXPO 2014 TOHOKU 20th Anniversary」を敢行した。同年11月5日、1年10カ月ぶりとなるオリジナルアルバム「MUSIC LIFE」をリリース。

箭内道彦(ヤナイミチヒコ)

1964年、福島県郡山市出身。東京藝術大学卒業後、博報堂勤務を経て「風とロック」を設立。タワーレコード「NO MUSIC, NO LIFE.」、リクルート「ゼクシィ」など数々の話題の広告キャンペーンを手がける。「月刊 風とロック」発行人。2011年に「NHK紅白歌合戦」にも出場したロックバンド「猪苗代湖ズ」のギタリストでもある。


2014年11月26日更新