降幡愛×本間昭光|最強タッグで生み出す“2020年版の80's”

声優の降幡愛がソロアーティストとして活動を開始することを発表した。

降幡はバンダイナムコアーツが音楽プロデューサー・本間昭光所属のbluesofaとタッグを組んで立ち上げた新レーベルPurple One Starの第1弾アーティストとしてデビュー。2020年初秋に1stミニアルバム「Moonrise」をリリースする予定だ。そして今回デビューの発表に合わせて、ミニアルバムのリードトラック「CITY」が先行配信された。「CITY」は降幡が愛する1980年代のシティポップを、本間のプロデュースによって表現した楽曲。彼女が自ら作詞を手がけ、これまでのキュートなイメージとは180°異なった哀愁漂う大人っぽい世界観を徹底的に表現している。

音楽ナタリーでは本間と降幡による対談をセッティング。Purple One Starの方向性と、アーティスト・降幡愛の秘めたる可能性についてクロストークをしてもらった。このテキストからデビューミニアルバムへの期待を大きく膨らませてほしい。

取材・文 / もりひでゆき

やりたいことがどんどんあふれてきた

──今回、新たに始動した「Purple One Star」とは、どんなコンセプトを持ったレーベルなのでしょうか?

本間昭光 アーティストを含め自分たちがやりたいもの、興味があるもの、好きなものを思いきり自由にやってみようっていうのが1つのコンセプトではありますね。結果的にはものすごくジャンルレスなレーベルになると思うんですけど、対外的に「あのレーベルは面白いことをやってるよね」と思ってもらえることを目指していこうと。現在オンラインミーティングを重ねる中、「とにかく守りに入らない」という意識はみんなで共有できていますね。

──第1弾アーティストとなる降幡さんの「CITY」を聴かせていただくと、レーベルが持つ個性や、その面白さは強く実感できますよね。

降幡愛 そうですよね(笑)。楽曲に関しては、本当に私の好きなことをやらせてもらえている感じで。「CITY」はレーベルとしても降幡愛としてもやりたいことを全部詰め込むことができた楽曲なので、早く世に出したい気持ちでいっぱいです。

──降幡さんは今回が待望のソロアーティストデビューとなるわけですが、そこへの思いはいかがですか?

降幡 最初は「まさか自分がソロデビューするとは!」という気持ちが大きかったですね。私はマンガやイラスト、カメラなんかがすごく好きで、わりとクリエイティブ気質ではあるんですけど、自分がソロアーティストとして歌うことへのイメージはそこまで持っていなかったんです。もちろんやってみたい気持ちはあったとは思うんですけど、それは実現することのない、ただの妄想でしかなかったというか(笑)。なので今回、スタッフさんに声をかけていただけてすごくうれしかったし、一緒に楽しいことができるならぜひ参加したいと素直に思えたんですよね。しかも、いざ制作が始まってみれば「自分にはこういう一面があるんだな」という気付きと共にやりたいことがどんどんあふれてきたりもして。そういった中で徐々にソロアーティストとしてデビューする実感が湧いてきた感じではありますね。

マジだな、この人

──楽曲制作は具体的にどのように進んでいったんですか?

降幡 まず最初に本間さんを含めたスタッフの方々とのお食事会があったんですけど、そこで「シティポップとか80'sの音楽が好きなんです」というお話をさせていただいて。そのときに「だったらシンディ・ローパーみたいなイメージもいいよね」みたいなことを本間さんに言っていただいて。

本間 うん。そこでソロアーティストとしての降幡さんのイメージが見えた感じはあったかな。せっかくソロでやるんだったらルビィ(黒澤ルビィ。降幡が演じている「ラブライブ!サンシャイン!!」のキャラクター)ちゃんとはまったく違う方向がいいんじゃないかなとは思ってましたけど、本人から“80's”というキーワードが出たので、シンディ・ローパーみたいなことをやったらファンの人たちは絶対にびっくりするぞっていうね(笑)。しかも、80'sが再注目されてひさしいですけど、実際に80年代に音楽をやっていた連中が今の時代に改めて80'sを作るってあんまりないじゃないですか。だったら僕も含めて80年代に音楽をリアルタイムで作ってきた連中を集めて、2020年版の80'sをマジでやろうじゃないかと。当然、そこに今の降幡さんのセンスが加わることで、最新モードの80'sになるだろうし。そんなことをジャストアイデアとして食事会の席で話していたわけですけど、次のミーティングになったら降幡さんが自ら具体的な企画書を作ってきちゃったというね(笑)。

降幡 あははは(笑)。そうですね、作っちゃいましたね。

本間 そこには楽曲の方向性からCDジャケットのイメージまで、たくさんのアイデアが詰まっていて。それを見たときに「マジだな、この人」と思って、こっちのテンションもさらに上がっちゃったんですよね(笑)。降幡さんはとにかく80年代の音楽についてめちゃくちゃ詳しいんですよ。当時をリアルタイムで過ごしていた人間と話してる感覚になるくらい、いろんなことを知り尽くしてる。だから彼女が80'sをやることに対しては一切の嘘がないんですよね。そこを僕はすごく面白いなと思ったんです。

降幡 私はけっこう好き嫌いがはっきりしているタイプなので、せっかくやるのであれば自分の好きなことをやりたいなと思ったんですよ。なので後悔のないよう、自分の中にあるイメージは全部提示しようと思って企画書を作っちゃったという(笑)。

本間 しかも、その企画書の中に描いてあったイラストがね……。

降幡 そう、紫を使ったイラストだったんですよ。自分のやりたいことをイメージしたら、レーベル名である「Purple One Star」に偶然つながりました(笑)。

本間 レーベル名には、ランティスのレーベルカラーである赤と、僕の会社bluesofaの青を掛け合わせて紫になるという意味も実はあるんだけど、その第1弾アーティストである降幡さんが自ら出してきた色も紫だったという。そのときに点と点がつながった気がしたんですよね。すべてがなるべくしてなってることなんだなって。そんなことを感じられるプロジェクトって実際あまりないことなので、みんなのテンションがより上がっているところはありますよね。

降幡 うんうん。このチームにはいい空気しか流れてないですもんね。