ゆうちゃんしか考えられなかった

──EMERGENCYという名前はどういった経緯で？

小野坂　名前を決める会議を何時間もやってたんですけど、全然まとまらなくて（笑）。数日後にスタッフから「この候補から選んでください」って渡されたものが、何かに引っ掛けたギャグとか、もうロクでもなくて（笑）。こんなのじゃ音楽ファンもアニメファンもついてこないよと思っていたときに、ウチのマネージャーが「この3人でやるなんて、危険っすね……」って口癖のように言っていたのを思い出したんです。じゃあEMERGENCYでいいじゃん！って。これは緊急事態だ！ってね。

──それぞれのお名前でいくと、後藤さんのDANCING YUKARIはよくわかるんですが、CRAZY YUっていうのは、小林さんとしてはどうなんでしょうかと思っていて。もうちょっと女性らしい名前のほうがいいとか……。

小林　いえいえ、とんでもないです。大変光栄なことだと思っています。

小野坂　わはははっ（笑）。

小林　小野坂さんからいただいたお名前ですので、これから末永く、大切にしていきたいと思います。

小野坂　正直、かわいい声優なら他にもいっぱいいるんですよ。でも今回のプロジェクトでは思いっきり振り切ってやってくれる人がよかった。そう思うと、ゆうちゃんしか考えられなかった。いつも一緒にお芝居をするときも、彼女はテストから全力なんです。だから本番で声が枯れてたりするんだけど（笑）。

小林　本当に申し訳ありません！

小野坂　いやでもね、テストくらいじゃ声は枯れないですよ。きっと家で練習しているときから本気なんだと思います。その気持ち、振り切れてる感じが欲しかったんです。そういう意味でCRAZY YUと命名しました。

ごはん食べて、曲を作って、お風呂入って寝る

──tkrismさんは皆さんに対する最初の印象は覚えていますか？

小野坂　スカイプで会議をしたんですよね。でも画面の向こうには、旅行代理店の人が座っていて。

後藤　そうそう！ カチッとネクタイをして。

小野坂　それがtkrくんだった（笑）。すごくおとなしくてマジメで、普通に社会人って感じで。コイツがダンスミュージック作るの？って面食らいましたね。

tkrism　そんなに驚かなくてもいいのに、と思ってました。

──tkrismさんの音楽の歴史でいうと、最初はエレクトーンをやられてたんですよね。

tkrism　はい、鍵盤から始めたんですけど、中学の頃に家にあったパソコンをいじっていて、MIDIを知るんです。無料だったのでとりあえず触ってみたら、これは面白いぞと。高校の頃はバンドをやったりもしてたんですけど、結局自分でコツコツ作るほうが向いているのかなと。今使っているDTMを取り入れたのが3年くらい前ですね。

──今回のデビューに至るまでは、どのような活動をしていたんですか？

tkrism　ほとんど趣味みたいなもので、もう生活の一部だったんですよ。ごはん食べて、曲を作って、お風呂入って寝るみたいな。バンドをしていたころは「ビッグになってやる！」みたいな野心もありましたけど。

小野坂　あったんだ！

tkrism　はい、ちょっとだけ。でも自分で作るようになってからはライブの仕方もわからないから、家でコツコツと。せっかく作ったんだから聴いてほしいなと思うようになったのが1年くらい前で、それからクラブでDJを始めたんです。