ナタリー PowerPush - EGO-WRAPPIN'×オダギリジョー×大根仁

音楽から紐解くドラマ24「リバースエッジ 大川端探偵社」

物語の最後に希望を

──歌詞の内容もサウンド同様に「Neon Sign Stomp」とはテイストが違って、柔らかな印象を受けました。

左から中納良恵、森雅樹。

中納 なんていうかな、最近感じているんですけど、希望とかって大事じゃないですか? もしかしたら歳を重ねてそう思うようになったのかもしれないし、トガったものも好きですけど。

──はい。

中納 やっぱり生きてるといろいろ大変なこともあるから、その中で光みたいなものを感じられるのって重要だなって。だからそういうものを感じてもらえる歌詞にしたくて。

──なるほど。

中納 ドラマではいろいろな人間模様が描かれるから、最後は希望を見せたいな、と。あと、原作のマンガを読んで感じたことなんですが、どの話も、読み終わったあとに少し希望が感じられるような気がしたんですよね。その感じを大事にしつつ。

大根 話の内容としては何かが起こるようなものでもないんだけどね。

──確かに。

大根 探偵ものなのに依頼も変なものばっかりで、最悪解決しなくても話の内容に影響がなさそうっていう(笑)。

オダギリ 僕も聴かせていただいたときは、ホッとしたというか安心しました。映像作品のエンディング曲ってやっぱり重要で、例えば映画やドラマを観ていて、「なんでエンディングテーマがこの曲なんだろう」って違和感を感じることがけっこうあると思うんです。

一同 (笑)。

大根 例えば……って例を出しづらい話(笑)。

──確かにそういうこともありますけど、そういうのって実際映画を作っている側の方も感じていたんですね(笑)。

オダギリ ええ。自分が出演した作品でそう思ったこともありますし。作品の世界観と合っていないと違和感が生まれるじゃないですか。いろいろな事情があるから、仕方ないことだと思うんですけど。僕が自分の作る作品に自分の音楽を乗せたいと思うのも、そういう部分が理由なんですけどね。

──その話だけで、エンディング曲の重要性がわかる気がします。それと、大根監督の作品はかねてから音楽的に楽しめる要素がたくさんあると思っていましたが、今日お話を伺って、今回もそういうドラマになっているなあと改めて感じました。

中納 そうですね。本当に面白いドラマになっているので、一緒に音楽も楽しんでくれたらうれしいなって思いますね。

 僕としても、自分が住んでいる浅草を舞台にしたドラマということもあり、浅草を代表するような気持ちで作りました。このドラマに自分の音楽が混ざっているのがうれしいです。あとは、一斗缶サウンドをぜひ聴いてほしいです。

左から森雅樹、中納良恵、オダギリジョー、大根仁。

「Neon Sign Stomp」ショートVer. MV

ニューシングル「BRIGHT TIME」/ 2014年5月21日発売 / NOFRAMES / MINOR SWING / TOY'S FACTORY / TFCC-89503
[CD] 1620円 / TFCC-89503
収録曲
  1. Neon Sign Stomp
  2. 太陽哀歌
  3. パンドラの箱
  4. サニーサイドメロディー
ドラマ24「リバースエッジ 大川端探偵社」 / テレビ東京系 / 毎週金曜24:12~放送(※テレビ大阪は翌週月曜23:58~放送)
ドラマ24「リバースエッジ 大川端探偵社」

脚本・演出:大根仁 ほか
出演:オダギリジョー(主演)、石橋蓮司、小泉麻耶 ほか

©「リバースエッジ 大川端探偵社」製作委員会

Blu-ray / DVD BOX「リバースエッジ 大川端探偵社」/ 2014年8月20日発売 / 発売元:「リバースエッジ 大川端探偵社」製作委員会 / 販売元:東宝
Blu-ray BOX [Blu-ray 5枚組(本編4枚+特典1枚)]/ 20520円 / TBR-24395-D
Blu-ray BOX [Blu-ray 5枚組(本編4枚+特典1枚)]/ 16416円 / TBV-24396-D
EGO-WRAPPIN'(エゴラッピン)

1996年、中納良恵(Vo)と森雅樹(G)によって大阪で結成。2000年に発表された「色彩のブルース」や2002年発表の「くちばしにチェリー」は、多様なジャンルを消化し、EGO-WRAPPIN'独自の世界観を築きあげた名曲として異例のロングヒットとなる。2011年4月には10周年を迎え、東京・大阪・韓国で10公演を開催した恒例のライブ「Midnight Dejavu」を集約したライブDVDを、7月には初となる写真集を発売した。数々のフェスへの参加や他アーティストとのコラボなど積極的な活動を続け、2013年4月に約2年半ぶりとなるアルバム「steal a person's heart」をリリースした。2014年には、大根仁脚本・演出、オダギリジョー主演のドラマ「リバースエッジ 大川端探偵社」の主題歌、劇中歌、エンディングテーマを担当。森は同ドラマの劇伴も手がけた。5月に「リバースエッジ 大川端探偵社」の主題歌、劇中歌、エンディングテーマを収録したシングル「BRIGHT TIME」をリリース。

大根仁(オオネヒトシ)

1968年生まれ、東京都出身。演出家、映像ディレクターとしてさまざまなドラマやビデオクリップを手がける。代表作は「演技者。シリーズ」「週刊真木よう子」「湯けむりスナイパー」など。2010年夏に放送されたドラマ「モテキ」のヒットによりその名を広く知られるようになる。2011年、映画監督デビュー作となる映画版「モテキ」が公開され大ヒット。2013年1~3月には脚本・演出を務めたドラマ「まほろ駅前番外地」が放送され、深夜ドラマでは異例のギャラクシー賞を受賞した。

オダギリジョー

1978年生まれ、岡山県出身の俳優。1999年に俳優デビュー。2003年に「アカルイミライ」で映画初主演を果たすと、その後は「血と骨」(2004年)、「メゾン・ド・ヒミコ」(2005年)、「ゆれる」(2006年)、「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」(2007年)、「舟を編む」(2013年)など話題映画に次々と出演し、多くの賞を受賞する。また「悲夢」(2008年)、「PLASTIC CITY」(2008年)、「マイウェイ 12,000キロの真実」(2011年)など海外作品にも出演。ドラマでは「サトラレ」や「時効警察」シリーズ、大河ドラマ「八重の桜」などに出演した。さらに2007年には監督・脚本・音楽を自らが手がけた映画「さくらな人たち」を制作した。