音楽ナタリー Power Push - 私立恵比寿中学

夏生まれメンバー&制作陣が徹底解説!ド真ん中のサマーチューン

「夏だぜジョニー」サウンドプロデュース担当 RYO from ORANGE RANGE×シライシ紗トリ インタビュー

エビ中の制作現場はORANGE RANGEのデビュー当時に似てる

──今回お2人でエビ中の楽曲を手がけることになったのは、どういう経緯で?

左からRYO from ORANGE RANGE、シライシ紗トリ。

シライシ紗トリ 瀬戸くん(エビ中のディレクター・瀬戸シノ氏)とは普段からよく一緒に遊ぶ……カフェ友?

──カフェ友(笑)。

シライシ 特に打ち合わせとかも関係なく。で、RYOとは今年の3月あたりから、一緒にRYOのソロアルバムを作ってるんですね。ある日、いつものようにカフェ友の瀬戸くんと「今、RYOのアルバム作ってるんだよね」って話をしているうちに……なんとなくそういう話になって。

──RYOさんはエビ中にどんな印象を持っていましたか?

RYO なんとなく存在は知っている程度だったんですけど、去年の「氣志團万博」のライブ映像を観て「オッ?」と。物怖じしない、エネルギッシュな強さを感じました。

──そのエビ中に曲を書くというオーダーには即答できましたか?

RYO もちろんもちろん。「えっ、マジっすか。やりましょう!」って。

──どういう曲にしてほしいという発注だったんですか?

シライシ いや、「このタイミングだと夏か?」「ですよねー」っていう。

RYO マジでそういう感じでしたよね(笑)。

シライシ 瀬戸くんとはいつもそんなノリで。最近はあんまりそういうのないんですけどね、昔はいつもそんな感じだったんですよ。それこそORANGE RANGEの初めの頃なんて、なんでもノリでやってたような。

RYO うん。

シライシ なんか懐かしいんだよね。エビ中の制作現場は。「こういうのどう?」「やりましょう!」というレスポンスの早さと自由さは、ORANGE RANGEのデビュー当時に似てる。

お盆とブライアン・セッツァー

──「夏」というシンプルなキーワードをもとに、どうやって曲のイメージを膨らませていったんですか?

シライシ 夏だし暑苦しいのがいいよねって。瀬戸くんとの雑談で、少し前にブライアン・セッツァーを観に行った話をしていたのを思い出して、ジャンプとかスウィングみたいなのもいいよねって話をしつつ……あとずっとお盆の話をしてたよね?

RYO 出だしはずっとお盆の話(笑)。ずっと話しながら「……お盆?」って思ってましたけど(笑)。お盆とブライアン・セッツァーがキーワードで。

シライシ たまたまRYOのソロでもジャンプ / ジャイブみたいなことを考えてて。なんとなくジャンプが今ヒップだなって。全然流行ってないけど(笑)。そこからは早かったよね。もういつもの感じで。

RYO 細かい打ち合わせもなくどんどん進んじゃうんですよ。

──いつも通りのプロダクションながら、歌うのはRYOさんではなく8人の女の子ですよね。そこは意識しましたか?

RYO 初めての体験なので、女の子が歌うところを想像しつつ、どんなこと言うと面白いかなあと。

野放しのソウル

──ボーカリストとしてのエビ中はいかがでしたか?

RYO こんなに若いのに、すでに自分のよさを知っているというか。たぶん全力で歌ってるだけだと思うんですけど、自分のいいところをうまく出してるなって。セルフプロデュースに長けている感じ。俺はデビュー当時そんなこと全然わかんなかったから。

シライシ 無我夢中だったもんね。総じて今の子ってそうなのかなって思いますよね。自分のおいしいと思われている部分の察知能力が優れているというか。「アーティストはこうじゃなきゃいけない」という風潮が今はないから、もっとナチュラルに表現できるのかと思いますけど。

──8人の個性が、それこそ音を外しているところまで含めて遺憾なく発揮されているなと思いました。サビ2回目の中山莉子さんのパートは、メロディの外し方が往年のロカビリー歌手みたいで、あれはそういうディレクションなのか、それとも天然なのかなと。

シライシ 全然、野放しであれですよ。

RYO ソウルですよね。すげえ破壊力。

──お2人の思惑通りに?

RYO 思惑を超えてきましたよ。俺のお気に入りは廣田(あいか)さんの最初のサビからの切り返し。いやあ、みんなすごい個性で。早くライブで観てみたいっすわ。

シライシ 一緒に出ちゃえばいいのに(笑)。

RYO 俺、埋もれちゃうかもしれない。恐いわー(笑)。

──先日発表されましたが、ブラスの演奏は精華女子高吹奏楽部の皆さんなんですよね(参照:エビ中、新曲「夏だぜジョニー」で精華女子ホーン隊と同年代コラボ)。

シライシ ビッグバンドというとどうしても少しアダルトな発想に行きがちだけど、ジャンプってもうちょっと元気な感じだから、うまくハマってますよね。演奏は総勢40人分ぐらいになってるのかな。

RYO ヤバいですよね。リアルを追求したらこの人数になった。

シライシ かつそこに8人のボーカルが乗ってるから、すごいトラック数になったね。

エビ中に贈る言葉

──シライシさんは「パクチー」(2013年1月発売のシングル「梅」カップリング曲。作詞・作曲・編曲:シライシ紗トリ)、「中人DANCE MUSIC」(2013年7月発売のアルバム「中人」収録曲。作詞・編曲:シライシ紗トリ、作曲:石井竜也)、そして今作と、これまでエビ中の楽曲に3度携わっていますが、何か変わってきたことはありますか?

シライシ 俺、人の名前を覚えるのが苦手なタイプなんですけど、今回のレコーディングでついにメンバーの名前を覚えました(笑)。今のエビ中はそんだけ声の個性が強いんですよ。

──RYOさんは今回が初コラボですけど、複数のボーカルが合わさるアイドルグループの楽曲制作はいかがでしたか?

RYO 主旋律が決まってなくてメロがいっぱいある感じが、新鮮で楽しかったですね。作るのは大変ですけど、逆に自分の音楽にも取り入れたいなと思いました。やっぱ面白いっすね、決まりがないというのは。

──さんざん決まりのない音楽を作ってきたRYOさんにも、まだ掘ってない鉱脈があったみたいな。

RYO そうそう。Aメロ、Bメロ……何メロまであるんだろうみたいな。今のアイドルソングって、作りそのものがすごいんですよね。

──もしエビ中にまた別の曲を作るとしたらどんなものを?

RYO 大人っぽいファンクとか面白そうですよね。すでにこっちで一方的にそんな話をして盛り上がってるんですけど(笑)。どうなるのか想像できないものをどんどんやってほしいですね。可能性にあふれてるから、エビ中は。

シライシ このなんでもあり感がね。

──では最後に、アーティストの先輩としてエビ中に助言をするとしたら、どんな言葉をかけますか?

RYO とにかくいろんなことをやる。彼女たちはすでにやれてますけど、それを続けていってほしいですね。エビ中という枠を作るんじゃなくて、何をやり出すかわからない、そういうドキドキを続けてほしいです。

シライシ それって諸刃でもありますよね。迷走にもなりうるし。大人になると迷走を怖がってしまうけど、持ち前の度胸のよさを武器に勢いよく進んでいってほしいんですよね。コケるのもありで。だんだんコケなくなっていくものだけど、彼女たちにはコケ続けてほしい(笑)。

Contents Index
安本彩花・松野莉奈・小林歌穂インタビュー
RYO from ORANGE RANGE×シライシ紗トリ インタビュー
フォトギャラリー
ニューシングル「夏だぜジョニー」 / 2015年6月17日発売 / DefSTAR Records
完全生産限定BOX [3CD+タオル] / 5000円 / DFCL-2140~3
通常盤 [CD] / 1200円 / DFCL-2144
ツアー会場限定盤 [CD] / 1200円 / DFC7-2
オンライン(forTUNE music)盤 [CD] / 1200円 / DFC7-3
完全生産限定BOX収録内容

※通常盤、ツアー会場限定盤、オンライン(forTUNE music)限定盤の全仕様を同梱。
特典:galaxxxyコラボオリジナルタオル

通常盤収録曲
  1. 夏だぜジョニー
    [作詞・作曲:RYO from ORANGE RANGE、シライシ紗トリ]
  2. 脳漿炸裂ガール(※映画「脳漿炸裂ガール」主題歌)
    [作詞・作曲:れるりり]
  3. 夏だぜジョニー(Less Vocal)
  4. 脳漿炸裂ガール(Less Vocal)
ツアー会場限定盤収録曲
  1. 夏だぜジョニー
  2. 吟遊詩人[作詞・作曲:小春(チャラン・ポ・ランタン)]
  3. 夏だぜジョニー(Less Vocal)
  4. 吟遊詩人(Less Vocal)
オンライン(forTUNE music)盤収録曲
  1. 夏だぜジョニー
  2. キャンディロッガー[作詞・作曲:井手コウジ]
  3. 夏だぜジョニー(Less Vocal)
  4. キャンディロッガー(Less Vocal)
私立恵比寿中学(シリツエビスチュウガク)

私立恵比寿中学

スターダストプロモーション芸能3部に所属するアイドルグループ。2009年夏に結成し、2010年2月には初のシングル「朝のチャイムがなりました!」を発表した。2011年4月には事務所の先輩であるももいろクローバー(現・ももいろクローバーZ)の中野サンプラザ公演にゲスト出演し、前山田健一プロデュース曲「ザ・ティッシュ~とまらない青春~」などを披露。同年10月には東京・Shibuya O-EAST(現TSUTAYA O-EAST)で初のワンマンライブを行った。2012年5月にはDefSTAR RECORDSよりシングル「仮契約のシンデレラ」でメジャーデビューを果たし、2013年7月には初のオリジナルフルアルバム「中人(ちゅうにん)」をリリース。2014年4月に行われた東京・日本武道館公演「私立恵比寿中学合同出発式~今、君がここにいる~」を最後に瑞季、杏野なつ、鈴木裕乃の3名が“転校”(脱退)した。以降は真山りか、安本彩花、廣田あいか、星名美怜、松野莉奈、柏木ひなた、小林歌穂、中山莉子の8人で活動し、2015年1月には2ndオリジナルアルバム「金八」、6月にはメジャー通算8枚目となるニューシングル「夏だぜジョニー」をリリース。8月には新潟・新潟県国営越後丘陵公園 野外特設ステージにてワンマンライブ「エビ中 夏のファミリー遠足 略してファミえん in 長岡2015」を行う。

RYO from ORANGE RANGE
(リョウフロムオレンジレンジ)

沖縄出身・在住の5人組バンド、ORANGE RANGEのボーカリスト。2001年より地元沖縄の米軍ライブハウスを中心に活動を始め、2003年6月にシングル「キリキリマイ」でメジャーデビューを果たす。同年7月リリースの2ndシングル「上海ハニー」がオリコン週間チャート5位を記録し、以降「ロコローション」「花」「ラヴ・パレード」「キズナ」など数々のナンバーワンヒットを飛ばす。2010年7月にバンドの自主レーベル「SUPER ((ECHO)) LABEL」を設立し、2012年2月にはSPEEDSTAR RECORDSとの提携を開始。2014年にはソロ名義「RYO from ORANGE RANGE」での活動もスタートさせ、同年8月に配信限定シングル「Tim Don!-Don! feat. DJ KEIN」を発表した。現在はORENGE RANGEを初期から手がけるサウンドプロデューサー・シライシ紗トリとともにソロアルバム(タイトル未定)を制作中。

シライシ紗トリ(シライシサトリ)

1971年11月15日生まれ、福島県出身の音楽プロデューサー。1995年10月に久宝留理子のシングル「コンクリートジャングル」で作家デビューを果たす。以降はSMAP、藤木直人、大黒摩季、中川翔子、May'nほかさまざまなアーティストへの楽曲提供、編曲、プロデュースを手がけている。2003年6月にはORANGE RANGEのデビューシングル「キリキリマイ」のプロデュースを務め、その後「上海ハニー」「ミチシルベ~a road home~」「花」など多くのヒットソングをともに作り上げた。2013年1月には私立恵比寿中学のシングル「梅」のカップリング曲「パクチー」の作詞・作曲・編曲を担当。同年7月に発売された私立恵比寿中学の1stアルバム「中人」では石井竜也作曲の「中人DANCE MUSIC」の作詞と編曲を手がけた。