音楽ナタリー PowerPush - DREAMS COME TRUE

祝・デビュー25周年「ATTACK25」特集

中村正人×ハマ・オカモト(OKAMOTO'S)対談

打ち込みのベースラインをコピーする

──中村さんも初期は4弦ベースを弾いていたんですよね?

中村 もちろん! 僕は最初はミュージックマンのスティングレイで。あっ、本当の最初はグレコなんだけど(笑)。

ハマ なんでスティングレイにしたんですか?

中村正人

中村 当時ルイス・ジョンソンがめっちゃ流行ってて。あと、その頃はほかにはギブソンとフェンダーしかなくて、それとヤマハがいろんなモデル出してたくらい。だからスティングレイがすごく革新的な存在だったんだよね。「プレシジョンベースとジャズベースの音がいっぺんに出せるのはスティングレイだけだ」ってみんな思い込んでて。ほんとは全然違うんだけど。

ハマ ふふふ(笑)。

中村 楽しい時代だったんですよ。そのあとはまたジャズベのオールドに戻って。でも実はだまされてて、ネックしかオールドじゃなかった。

ハマ ボディは違ったんですか。

中村 うん、修理に出して初めて気が付いた。ネックだけ62年製で、ボディはたぶんグレコかなんかだったかな(笑)。イシバシ楽器で42回ローンで買ったのに(笑)。

ハマ それ相当ショックですね。

中村 その後プロになってセッションミュージシャンを始めてからは、スタインバーガーを使ってた時期もありましたね。当時はシンセベースもやんなきゃなんない時代だったんで、できるだけ小さいほうがいいからってことで。あとはハートフィールドっていう日本のメーカーの5弦ベースを使わせてもらったり。

──5弦ベースを使い始めたきっかけは?

中村 その頃ドリカム始めて、ライブやるために打ち込みを始めたんです。当時ローランドのMC-500とTR-626か707、あとシンセはDX21。この3台だけで打ち込みをして、それをTASCAMの246っていうカセットテープのマルチトラックレコーダーに入れて。そうやって打ち込みをしてるうちに、やっぱりE以下の音が出てきて、自分が打ち込んだものを弾けなくなっちゃった。それでローを足すために5弦ベースになったんです。

ハマ なるほど。最初から5弦ベースだったわけではないんですね。

中村 うん、僕はまずベースラインを打ち込むんですよ。じゃないと自分が手癖で弾ける範囲しか弾かなくなっちゃうんで。

ハマ へー!

中村 今もそうなんです。最初に自分で打ち込んだフレーズをコピーするとこから始めるの。それでヘタクソだとクビ。「中村、お前使えないな」ってクビにしてシンセベースを使うっていう。

ハマ あはは(笑)。

“ちゃんと弾く”ベーシスト

──ハマさんのベース遍歴も教えていただけますか?

ハマ 僕は最初は小さいアンプとシールドとタブ譜の読み方の教本が全部セットになってる……。

中村 ベース初級者セットみたいなやつ?

ハマ そうです。フェンダージャパンのジャズベースでしたけど。中学に入るときに親に買ってもらって。それはもう中学3年間弾き倒しましたね。で、そのあと高校入ってからは僕もスティングレイで。

中村 へえー!

左から中村正人、ハマ・オカモト。

ハマ 僕らの世代はやっぱりレッチリ(Red Hot Chili Peppers)のフリーがすごかったんで。だから今は位置高めでプレベを弾いてますけど、当時はものすごい下げてスラップばかりしてるプレイスタイルでしたね。

中村 あはは(笑)。

ハマ そこを入口にしてソウル、ファンク、ガレージに行きました。レッチリはヒューマンツリーというか、音楽のルーツを全部教えてくれたし、カバーもするしっていうバンドだったから、それで知った音楽はすごく多くて。そこからもっと掘り下げて、ニューオーリンズやモータウンを好きになっていくっていう。

中村 なるほど。だからジェームス・ジェマーソンっぽいのかな、プレイスタイルが。ちゃんと弾いてるっていうか、指が強い。

ハマ そうですね。

中村 今の人ってササッって弾くでしょ。それだと録音しても音がガーンと出てこない。僕はチャック・レイニーと仕事をしたときに、「やっぱ間違ってなかった!」と思ったんだよね。ジャコ・パストリアスだってものすごい力で弾いてるから、実際。

ハマ 名だたるベーシストってみんなテンション強いですよね。フリーもすごく弦高高いって言いますし。

ブラスセクションがたまらなく好き

ハマ 中村さんって、一番のルーツというか、特に入れ込んだバンドやミュージシャンはいらっしゃるのですか?

中村 うーん、僕らは「ポップスベスト10」と「歌謡ベストテン」の世代ですからね。ジャンル関係なく、すべて食ってましたよね。キャット・スティーヴンスもThe LettermenもCarpentersもGrand Funk Railroadも。The Beatlesが解散したあとだったんで、その呪縛から解放されてあらゆるものが入ってきてた時代で。

ハマ なるほど。

中村正人

中村 で、その一方では歌謡曲があって。筒美京平さんや阿久悠さんたちが作った超プロ中のプロの音楽。それがやっぱりルーツにはありますよね。もちろんEarth, Wind & Fireも大好きで。やっぱりブラスロックとかブラスファンクが好きだったんだと思う。ChicagoとかBlood, Sweat & Tearsとか初期のKool & the Gangとか。Parliamentもジェームス・ブラウンもそう。ブラスセクションっていうのがたまらなく好きだなってあとで気が付きました。自分では吹いたこともないんですけどね(笑)。

ハマ でもその感じ、すごく納得です。うらやましいです、単純に。テレビで流れる歌謡曲だって、当時は生演奏が当たり前でしたよね。“生演奏”っていう言葉がまずちょっとよくわからないんですけど、個人的には。

中村 あはは(笑)。生演奏以外にどんな演奏があるんだってことだよね。

ハマ そうなんですよ!

中村 確かに歌番組のバックバンドは僕らの世代にとってものすごい憧れだった。トランザムとか井上堯之バンドとか。「夜ヒット」に出るような有名なバックバンドになりたいって思ってましたね。

CONTENTS TOP
中村正人×百田夏菜子(ももいろクローバーZ)対談
中村正人×ハマ・オカモト(OKAMOTO'S)対談
中村正人×亀田誠治対談
著名人アンケート「私の好きなドリカム」
中村正人インタビュー
ニューアルバム「ATTACK25」 2014年8月20日発売 / UNIVERSAL SIGMA
初回限定盤 [CD+DVD] / 4104円 / UMCK-9725
通常盤 [CD] / 3240円 / UMCK-1525
CD収録曲
  1. THE CHANCE TO ATTACK WITH MUSIC
  2. ONE LAST DANCE, STILL IN A TRANCE
  3. あなたにサラダ以外も
  4. I WAS BORN READY!!
  5. MONKEY GIRL - 懺鉄拳 - (懺鉄拳の懺は懺悔の懺)
  6. 軌跡と奇跡
  7. FALL FALLS
  8. MORE LIKE LAUGHABLE
  9. さぁ鐘を鳴らせ
  10. 愛して笑ってうれしくて涙して
  11. 想像を超える明日へ - Album Version -
  12. MADE OF GOLD ―featuring DABADA―
  13. この街で
  14. MY TIME TO SHINE
  15. 愛がたどりつく場所
  16. AGAIN - Album Version -
初回限定盤DVD収録内容

撮り下ろし&レア映像満載の豪華85分。25周年を記念したスーパーでスペシャルな架空テレビ番組「THE CHANCE TO ATTACK WITH MUSIC」。なんと!あの日本テレビ系列の人気音楽番組「LIVE MONSTER」の制作チームが全面協力!アタックマン、チャンスウーマンの2人が登場し、さまざまなレアコンテンツを紹介!

DREAMS COME TRUE(ドリームズカムトゥルー)

吉田美和(Vo)と中村正人(B, Arrangement , Programming)による2人組バンド。1989年にメジャーデビューし、1992年発売の5thアルバム「The Swinging Star」は当時の日本記録となる300万枚以上のセールスを記録する。その後もシングル、アルバムともにミリオンヒットを連発し、ソウル / R&Bを基軸にしたサウンドが老若男女問わず幅広い層から支持されている。2014年にはデビュー25周年を迎え、同年8月20日に通算17枚目のオリジナルアルバム「ATTACK25」をリリース。8月23日からは全国13都市32公演におよぶ全国アリーナツアーをスタートさせる。なお1991年より4年に1回のペースで「史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND」と題したイベントを実施しており、エンタテインメント性を追求した内容で多くのファンを魅了し続けている。

ハマ・オカモト

1991年生まれ、東京都出身。ロックバンドOKAMOTO’Sのベーシスト。2013年、日本人ベーシストとして初の米国フェンダー社とエンドースメント契約を締結する。高校在学中よりズットズレテルズのメンバーとして活躍し、2009年よりOKAMOTO'Sに加入。これまでシングル5作品、アルバム6作品を発表。米国・豪州ツアーやベトナム、香港、韓国、台湾などのアジア公演も積極的に行っている。2014年はCDデビュー5周年を掲げ8月27日にRIP SLYME、奥田民生らを迎えてコラボレーションアルバム「VXV」をリリースし、秋にはアニバーサリーライブツアーを行う。ファイナル公演は10月25日に日比谷野外大音楽堂で行う予定。