Da-iCE|“夏曲”から脱却したサマーアンセムを

アブラ少な目、キラ増しで

──カップリングの「Fly Higher」についても聞かせてください。この曲は大輝さんが作詞作曲に参加されているんですよね。「Fly Higher」はすごくさわやかな楽曲に仕上がっていますが、大輝さんの作る曲って、もともとこう……。

大輝 はい、言わんとしていることはわかります(笑)。そうなんです。

想太 暗いですよね!

──そう、重ためじゃないですか。

工藤大輝

大輝 そういう指定がくるからそう書いてるだけで……いや、そうですねはい、暗いんですけど(笑)。

──なので、今回の曲はイメージと違うなと思ったんです。

大輝 はい。ちょっとチャレンジをしてみました。今まで書いた中では上位に入るレベルでポジティブ系ですね。ただ、僕はひねくれているので裏テーマみたいなものも同時に設けたんですよ。

──それはどのような?

大輝 この曲は「光る星をつかもうぜ」っていうようなメッセージを歌う曲なんだけど「いや、でも星って昼間も出ているよね?」って。星をチャンスと置き換えたとき、「夜にしか見えないから夜にしか手を伸ばさない」と言うよりも、「その前から手を伸ばしておかないと、つかめないんじゃないの?」ということを歌いたかったと言うか。

想太 おお。

大輝 だから、全体を通して純粋にポジティブではあるんですけど、そこからもう一歩、さらに深く自分を鼓舞しようぜっていうメッセージを伝えられるかなと思います。

想太 ええ歌詞やなあ。

大輝 誰だよ(笑)。

想太 いや、ホンマ。

──想太さん、歌っていてどうですか?

花村想太

想太 僕はこの曲のデモ段階から歌わせていただいているんですけど、デモと比べるとかなりブラッシュアップされてキラキラした仕上がりになっているので。

大輝 そうだね。

想太 「キラ度増してるー!」みたいな感じがしました。

 感想がペラッペラだなあ、おい!(笑)

想太 ははははは!(笑)

雄大 「アブラ少な目、キラ増しで!」くらいの軽さだな。

一同 あはははは!

──雄大さんはいかがですか?

大野雄大

雄大 本当にポジティブと言うか、歌っていても清々しいです。だから、ムラムラする感じがなかったというか。

想太 そりゃそうでしょうねえ?(笑) これでムラムラしたらさすがに重症だよ。

雄大 ドライブというよりはクルージング、っていう感じのイメージですよね。「君色」と「Fly Higher」、どちらも夏の楽曲だけど、視点の違う夏と言うか。だから全体を通してバランスのよい作品になったんじゃないかなと思います。

根底にある「J-POPが好き」

──シングルが出るたびに感じるのですが、Da-iCEはその時々に心地いい曲調だったりジャンルをセレクトするのがうまいですよね。なので、皆さんはどんなアンテナを張って“今届けるべき曲”みたいなものをキャッチしているのかが気になっていました。

大輝 音楽のトレンドみたいなものは追ってはいると思うんですけど、5人共通で根底にあるのは「J-POPが好き」っていうところだと思うんです。だから洋楽っぽさに行き過ぎるわけでなく、J-POPとして届けられると言うか。「雄大と想太の歌がちゃんと聞こえる曲」にどう昇華させるか、っていうのが毎度テーマになっているので、そういうところが出ているのかもしれません。

──そうなんですね。ちなみに今は、それぞれどんな曲を聴いてます?

想太 僕は最近バンドにハマってますね。FIVE NEW OLDとかすごい好きなんですよ。ちょっとファンクっぽい要素があっておしゃれで。だから自分で作る曲も「ファンク要素が入った曲を作りたいな」と思うことが多いです。

雄大 僕はバラードがすごく好きなので、聴く曲の9割くらいはバラードが占めてるんじゃないかなと思うほどなんですが、みんなが「いい」っていうものはチェックしてます。自分は届ける側の人間だけど、聴き手が「いいな」と思うものだったり、その気持ちも知っておきたいと言うか。

──その中で最近ヒットした曲ってありますか?

雄大 Mrs. GREEN APPLEさんの「In the Morning」ですね。すごい元気出るんですよ。あの大森元貴さんのボーカルの出し方は意味わかんないです。

和田颯

 僕は積極的に聴くほうじゃないんですけど、でも最近はコレサワさんの「たばこ」がすごい好きです。友達に教えてもらって。

大輝 声めっちゃいいよね。

 シンガーソングライターが好きなのかも。この曲を教えてくれた友達もシンガーソングライターだし。あとお母さんの影響で福山雅治さんが好きだったりするので。

 僕も雄大と一緒で9.9割くらいバラードしか聴かないんですけど……。

想太 言ったねえ(笑)。

岩岡徹

 最近自分の中で来てるのは懐メロですね。小中学生のときに聴いてた曲とか、昔聴いていたのを改めて聴くっていう作業が好きで。今になって歌詞の意味がわかることもあるので、楽しいんですよ。

大輝 僕は本当にいろいろ聴きますけど、ここ3,4年はずっとバンドさんですね。

想太 一緒やん。

大輝 そこは不名誉なんですけどね(笑)。バンドさんって、歌詞の幅がダンスボーカルグループの曲より明らかに広いなと思っていて……「英語を使わなきゃいけない」とか「まとめなきゃいけない」みたいなダンスボーカルの曲の概念とは違って「表現力100!」っていう感じがするから、それが面白いし勉強になる。

想太 そうだね、確かに。

大輝 既存の概念にとらわれない感じがすごく勉強になるんですよね。あとは徹と一緒で、ちょっと懐かしめの曲を最近はよく聴いてます。宇多田ヒカルさんとかm-floさんとか、僕が高校生くらいのときにハマっていたところを聴き直していて。で、「ああ、このアレンジ今やったらヤバいなあ」と発見したり。

 僕らの学生時代って、すごい恵まれていたなって思うよね。

大輝 そうなんだよ、今思うと。

雄大 ランキングのトップ10に入ってる曲を知らないってことがなかったもんね。

大輝 今は当時みたいにさ、音楽番組のランキングを見てたらそのときの音楽シーンの大まかなところを把握できた、っていう時代じゃなくなっちゃったんだよ。今は。

想太 音楽番組自体も多かったしね。今はちょっと大変だと思う。

大輝 難しいと思います。バンドとダンスボーカルとか、違う音楽ジャンルがミックスするようなこともなかなかないし、メジャーもインディーも関係ないし。あとはネットだけで完結してしまったりね。

想太 ライバルも無限だよね。

埋めるのは僕ら

──Da-iCEは今全国ツアー中ですが、今年1月に東京・日本武道館に立って以降、見える景色が変わったりはしましたか?

雄大 武道館はとにかくすごい経験値になったなあと思います。ただ、僕ら的にはステップを一歩一歩上がっているような感覚なので、何かがすごく変わったというところはないかもしれないですね。今回のツアーの最後にはアリーナ公演が待っていて、今はそれを成功させたいという思いを持ちながら全国を回らせてもらっているので……気持ちだけ先走らないように、地に足を付けながら行けたらいいですね。

──今回のツアーで具体的に実現させたいものやファンに見せていきたいものはありますか?

雄大 表情などの表現ですかね。

想太 ツアーで披露してるアルバム「NEXT PHASE」のテーマが“振り幅”だったので、自分たちのパフォーマンスにおいても振り幅を持たせないと、アルバムを表現できないんです。そういう面で言うと、表現力は“NEXT PHASE”に行ってないとおかしいかな、という感じがしますね。

 まだツアー自体始まったばかりだからこれからいろいろな発見があると思うけど、ホールの規模にメンバーが慣れてきてるなっていうのは自分自身感じていて。最初は広さを感じてステージの使い方も難しかったんですけど、ホールってファンとの距離が近く感じるので、今は気持ちよさを感じます。2階もちゃんと見えるので、いい距離感でパフォーマンスができているなという感じですね。

──ツアーファイナルは想太さんの地元・兵庫のワールド記念ホールです。

大輝 想太の地元の神戸に関しては規模が1段階上がってアリーナ会場になるので、しっかり満員にしたいですよね。会場を押さえるのはスタッフだけど、埋めるのは僕ら。日程はもう決まっているので、そこへ向けて……例えばツアーのない8月に出るフェスなどで、どうやって僕らのことを知らない人にアプローチするかとかをしっかり考えて。なるべく多くの人に知ってもらって、アリーナを埋めるというのが今年の目標のような気がします。

──ツアー以外の場所でも、常に勝負なわけですね。

大輝 そうですね。ライブはもちろんしっかりやるとして、そのほかにやらなきゃいけないことがありますし、自分たちのスキルも上げていかないと。やることはいっぱいありますね。

Da-iCE

──外のイベントに出るときに皆さんが大事にされていることってなんですか?

想太 一生懸命さですね。夏フェスなんかは自分たちが燃え尽きないと、お客さんはハイになって付いてきてくれないと思うので。

大輝 そうだね。

想太 暑いぶん気分は下がりやすいけど、逆に盛り上がりやすくもあるでしょう。お客さんをどっちの気分にするかはホンマに自分たちのパフォーマンス次第なので、もっともっとギアを上げていかないとですね!

Da-iCE「君色」
2017年8月30日発売 / UNIVERSAL SIGMA
Da-iCE「君色」初回限定盤A

初回限定盤A [CD+DVD]
1620円 / UMCK-9919

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Da-iCE「君色」初回限定盤B

初回限定盤B [CD+DVD]
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Da-iCE「君色」通常盤

通常盤 [CD]
1080円 / UMCK-5634

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CD収録曲
  1. 君色
  2. Fly Higher
  3. 君色 -English ver.-(※通常盤のみ収録)
初回限定盤A DVD収録内容
  • 君色 Music Video
  • The making of 君色
初回限定盤B DVD収録内容
  • 大阪LOVER Music Video
  • The making of 大阪LOVER
Da-iCE(ダイス)
Da-iCE
2011年に結成された、ボーカリストの大野雄大、花村想太、パフォーマーの工藤大輝、岩岡徹、和田颯の5人からなるダンス&ボーカルユニット。クラブやライブハウスを主な活動の場として年間100本を超えるライブを行い、2012年にはAAAのツアーのオープニングアクトに抜擢される。2014年1月にユニバーサルシグマからメジャー1stシングル「SHOUT IT OUT」をリリースした。今年2017年1月に初の日本武道館公演を実施し、武道館公演の1週間後に3rdアルバム「NEXT PHASE」をリリース。現在「Da-iCE LIVE TOUR 2017 -NEXT PHASE-」ツアーを開催中で、ツアーの最終公演として11月18日、19日に兵庫・神戸ワールド記念ホール公演が決定している。8月30日に12枚目のシングル「君色」を発表した。