僕らの音楽がどういうものかわかるアルバム

──皆さんの原点と今をしっかりパッケージできた1stフルアルバムになりましたね。

岩淵紗貴（通称ポチ / Vo, G）　ありがとうございます。昨年リリースしたミニアルバム「C」も、今までの自分たちとあのときの自分たちをきっちり表現できたなという思いがあったんですけど（参照：CHEESE CAKE「C」インタビュー）、この「YEARS」はもっと深いところまでそれを表現した続編というか。「C」に入れられなかった曲も収録できましたしね。1曲目の「三角形関係」や2曲目の「ウソツキライダー」も実は「C」の頃からもうあって、ずっとライブでもやりたかった曲なんですよ。だから、メンバー内でも「やっと出せるね」って言ってて。「三角形関係」は絶対にフルアルバムに入れたいという思いが強い曲だったんです。この曲にはCHEESE CAKEのライブに賭ける思いも詰まっているから、次のツアーもこの曲を絶対に1曲目にしたいと思ってるくらいです。

──今、それくらいライブに対する思いが強いと。

岩淵　そうですね。アルバムのテーマ感とライブのテーマ感をつなげたいという思いが強くて。これまでは音源とライブがちょっと別物になっていたというか、そこが自分でも納得いかない部分だったんですよ。だから初めてのフルアルバムでやっとその部分をつなげることができるなって。

──一瀬くんはどういうアルバムになったと思いますか？

一瀬貴之（通称：イッチー / G）　僕らはもう8年くらいこのバンドをやってるんですけど、ようやく1stフルアルバムを出せるなって。インディーズ時代の曲もメジャーデビュー後にリリースしたシングルもこのアルバムのために作った曲も入っていて、今のCHEESE CAKEのベスト盤とも言えるようなアルバムになったと思います。なので、このアルバムから聴いてもらっても僕らの音楽がどういうものかわかってもらえると思うんですよね。

ライブ感が大きなテーマだった

──このアルバムのために書いた曲というのは？

一瀬　「平行線のうた」「ゼイガルニク」「虹の向こう」「蜩」あたりですね。新曲はこのアルバムが7月にリリースされるということもあって、これまでなかなか表現できなかった季節感を出せたらと思って、歌詞もサウンドも夏を意識しました。

──サウンドは多彩で、一瀬くんのアレンジセンスは相変わらずさすがだなと思いました。

一瀬　ありがとうございます。今回はいつもよりギターの重ねる本数を減らしたんです。

──それはライブを意識して？

一瀬　そうですね。音源で音を重ねすぎちゃうとライブでやったときに物足りなさを感じるお客さんもいると思うので。そうならないようにライブでちゃんと再現できて、生で鳴らしたときに際立つフレージングを意識しました。

──金山くんはどうですか？

金山尚右（通称：ゴン / Dr）　アルバムができてうれしいです！

岩淵　それだけ？（笑）

金山　レコーディングが楽しかったです！ 伊豆のリゾート地のスタジオで録ったんですけど、ずっと気持ちよく作業できたんですよね。そういう空気感もアルバムの中に入ってると思います。ドラムのプレイ的にはあまり意識しすぎないのを意識するというか。

──自然体で臨んだということ？

金山　そう、自然体でしたね。ずっとリラックスしてました。

──田村さんは？

田村三果（通称：アネキ / B）　イッチー（一瀬）が入れるギターの本数が減ったので、ベースの支えを今まで以上に意識しました。丁寧に演奏しつつも、ライブ感を残したいと思って。それがうまくいったと思います。

岩淵　そうだね。やっぱりライブ感が大きなテーマだったよね。