超特急|止まらずに進み続けること 超特急が今に刻む“復活愛”

超特急が11月20日にニューシングル「Revival Love」をリリースする。

彼らにとって17枚目となるこのシングルは、フジテレビ系木曜劇場ドラマ「モトカレマニア」の主題歌を表題曲に据えた作品。「Revival Love」はいきものがかりの水野良樹(G)が初めて超特急に楽曲提供したナンバーで、元恋人に対して揺らぐ胸騒ぎの感情を華やかなサウンドに乗せてバックボーカルのタカシが歌い上げる。

リリースを記念し、音楽ナタリーではカイ、リョウガ、タクヤ、ユーキ、タカシにインタビューを実施。新作「Revival Love」について、そして年末年始に控えたアリーナツアーについて、今抱く素直な思いをたっぷりと語ってもらった。

取材・文 / 三橋あずみ 撮影 / 伊藤元気

経験の中でつかんだもの

──全国ツアー(「BULLET TRAIN SPRING / SUMMER TOUR 2019 EUPHORIA」)が終わってからお話を聞くのは初めてなので、まずは今年の夏の活動について伺ってもいいですか?

タクヤ 毎年フェスに出させてもらうことが多かったけど、今年はツアーがあったので少なくて。何より「イナズマロック フェス」が思い出深いです。一球入魂ですべてをかけることができて、これはこれで気持ちがいいなと思いました。

カイ だって、イナズマのためだけに衣装作ったもんね。

──手応えとしてはいかがでした?

ユーキ 西川(貴教)さんリスペクトでやらせてもらったんですけど、ライブ後西川さんに「何言ってるかわかんねえよ!」とダメ出しされるくらいテンションブチ上がりで……(笑)。

リョウガ 裏でね。言われたよね。

ユーキ そうやって言われるのは今後の課題でもあるけど、印象に残ってくれたってことでもあると思うので。そういう意味では、観てくれた方が「勢いヤバいな」と思ってくれたら、すごく価値のあるライブだったんじゃないかなと思います。

カイ Instagramにもけっこうコメントをいただいて、すごくありがたかったです。

超特急

──こういった外部のライブでの必勝法みたいなものが、自分たちの中で固まってきた感覚はありますか?

カイ 探り探りではありますけどね、ある程度は。経験を重ねてきた中でつかんだものはあります。1つ思うのは……。

ユーキ あ、でもこれ、ほかのアーティストさんにバレないようにうまいこと書いておいてください(笑)。

カイ

カイ アプローチの仕方について、超特急流の方法があるよって感じかな!

──なるほど。それと、今年のイナズマはユースケさん不在でのフェス出演だったという面もありますね。

ユーキ そう、それですごい気持ちが入ったところはやっぱりありますね。さらに。

タカシ 僕の中では去年出させていただいたときとまったく感覚が違いました。2日後がソロライブ(「Utautai」)だったんですけど、本当にね、声帯やりかけてしまうくらい……。

リョウガ 危ないから(笑)。

タカシ それくらい命懸けてたんですよね、無意識のうちに。気持ちがいつも以上に出ました。

ユーキ 僕も次の日、喉ガラガラだった(笑)。ひさびさにステージ上で後先考えずやった気がする。

タクヤ ユーキ、マジですごかった。ステージ上でも感じたもん、「ユーキうるさ!」って(笑)。MCとか、ある程度段取りは決めているのに会話に割って入って叫んだりするから「スイッチ入ってんな」って……。

リョウガ お前は冷静だな?

タカシ それも大事なんよ。

ユーキ とにかくね、イナズマはホントにみんなでワーッと上がれましたよ。よくも悪くも(笑)。

自分の色をしっかり出してくれるよね

──では、新作のお話を。「Revival Love」はフジテレビ系木曜劇場ドラマ「モトカレマニア」の主題歌としてオンエア中ですが、皆さんが感じる曲の印象は?

カイ すごくドラマに合っていますよね。僕は原作のマンガも読んだんですけど、原作のコミカルなテイストにもピッタリで、なるべくしてこういう曲になったんだなと。

リョウガ 歌い出しから耳にこびり付いて離れないキャッチーさがありますよね。

──楽曲提供はいきものがかりの水野良樹さんです。超特急が一緒に仕事をするのは、これが初めてですね。

タカシ こんな光栄なことがあるのか?って感じです。レコーディングにも立ち会ってくださったんですよ。お会いしたのは初めてだったけど、人間的にもすごく素敵な方だと思いました。

タクヤ

タクヤ 僕らダンサーも、ガヤ入れでお会いしました。メンバーが多いからって水野さんが「緊張してる」とおっしゃっていて、何を言っているんだと(笑)。

カイ あんなに偉大なお方なのに物腰がすごく柔らかくて、僕らのガヤをめちゃくちゃ褒めて伸ばしてくれるんですよ。「ガヤいいよー」って。

タカシ 確かにそうやったな(笑)。

──タカシさんは、水野さんとどのようにレコーディングを進めたんですか?

タカシ 水野さんは僕が持っているキャラクターを出すことを尊重してくださいました。「自分の色をしっかり出してくれるよね」と言ってくださったのがすごくうれしかったです。

──自分の色を出すために、具体的に意識したことはありますか?

タカシ

タカシ 一番皆さんの耳に届くのはサビだと思うんですけど、どうすればより耳に残る歌い方ができるかなと考えて。「BANG! BANG!」や「DOON! DOON!」といった擬音やメンバーのガヤも入ってくるから膨らみも出てくるし、自分の歌をテレビを通しても聞こえやすく、ということを意識しました。声色を明るくすることを意識して歌った感じですね。あとはその場その場で少しだけ歌い方を変えていたりもします。実際聴いてもらって、わかってくれたらうれしいなあ。

──そうなんですね。

タカシ 全体通してすごくキャッチーな曲ですけど、AメロやBメロなんかはリズム感を重視していて、トリッキーな部分もある。そういうパートに関しては「しっかりとリズムを作って歌おう」と考えていたんですけど、水野さんは「それならばもっとこういうふうにしていいよ」とか、その都度アドバイスをくださいました。声色についても詳しくお話ししてくださって。本当に貴重な経験をさせてもらいました。

CRE8BOYとの出会い

──パフォーマンスはサビで大きくジャンプしたりハートマークを作ったりと、かわいらしい振りが印象的ですね。

ユーキ そう、サビがめちゃくちゃキャッチーなのと、最後に背中でハートマークを作ってハートが“リバイバル”する……そこは一番大事なポイントでもあるんですけど。曲のストーリーに沿ったキャッチーな振り付けで、大人から子供まで一緒に踊ってもらえるようなものに、ということを意識しました。

──今回のコレオはどなたが?

タクヤ リョウガです。

リョウガ

リョウガ 嘘です、CRE8BOYさんです。

カイ 超特急、初めましてだね。

タクヤ 引っ張りだこのチームですよ。MV撮影にも帯同してくださったんですけど、休憩の合間もずっと作業されていて、多忙だなって。

リョウガ チームの中から4人のメンバーさんが来てくださったんですけど、チームワークがすごかったね。

カイ 1人が教えて1人が立ち位置をしっかり見て……と、役割分担がすごくハッキリしているんです。

タクヤ お互いを尊敬し合っている感じが素敵だったよね。

ユーキ CRE8BOYさんはメンバーの個性がバラバラだから、いろんなダンス表現ができるんですよ。今回はキャッチーなアレンジでお願いしましたけど、また機会があれば! 「超特急好きになりました!」と言ってくださったので。

カイ 「ライブ絶対行きたい!」って言ってくれたね。

ユーキ 僕らのことを知らないだろうから、たくさんコミュニケーションを取りました。今回は初対面だったけど、もし次にお願いできたら僕らを知ったうえでの振り付けになるから、超特急ならではのエキスを入れてくださると思うし。今後、面白いことができたらなって……。

カイ エキスじゃなくてエッセンスね(笑)。

ユーキ エッセンスを!入れてくださると思うので(笑)。末永く楽しみにしていてほしいです。