ナタリー PowerPush - BugLug

楽しさ全開!ポップに回帰した「HICCHAKA×MECCHAKA」

「アクマ笑ウ」仮タイトルは「喪黒福造」

──一転してカップリング曲の「アクマ笑ウ」は、ちょっと不気味な楽曲ですね。

一聖 気持ち悪い変態的な曲を作ろうと思って、気味の悪い雰囲気に焦点を絞ったんです。ここ最近のBugLugは暗い色が強かったんで、この曲を作ってたときは落ち着きましたね(笑)。その結果、ものすごーくインドアな曲を作ってしまいました。聴いたときに1本の映画を観たような感覚になってもらえたらいなと思って。歌詞は「いつしか愛情は憎悪に変わる」ということをテーマに書いてったんです。聴き終わったときにゾッとしてもらえたらと。

 俺は感情が空っぽな、無機質なイメージのギターを弾きましたね。一聖がこの曲でいつもとは違う歌い方をしているので、歌の乗っている部分では、あえて抑揚をつけないギターを弾いて。そうじゃない部分では、逆に思いっきり感情をあらわにしたプレイをしたんです。感情はあるんだけど、血が通ってない感じというか、そんな不思議さを意識した1曲です。

一聖 最初にこの曲を聴いたときの感想が「なんだ、これ!?」だったんです。2013年にこの昭和感ってすごいなって。懐かしいというか、古くさいというか。そんな独特な空気感をギターで表現するのに、湿り気を混ぜた音色を選んだんです。はっきりしない音色ですけど、その雰囲気こそがこの曲のイメージを作り上げている部分だと思うんです。全体的な音像は温かくて、サビをあえてふんわりさせていたり。映画とかドラマCD的な感覚というか。聴いて絵が浮かびやすい曲だと思います。

燕(B)

 マイナーなメロと、レトロっぽく、湿っぽく温かい空気感がすごく気持ち悪いなと。個人的にはその感じがすごく好きなんですけどね(笑)。実はこの曲の仮タイトルが「喪黒福造」(※マンガ「笑ゥせぇるすまん」の登場人物)だったんです(笑)。仮タイトルがあったことで、すごくイメージがつかみやすくて(笑)。気持ち悪くて怖い空気感が出せた1曲になったと思いますね。

将海 ドラムは淡々と叩いたんですけど、最後のセクションだけすべてをぶっ壊すイメージで叩きました。あの壮大な感じが個人的にすごく気に入ってるので、ぜひ注目してほしいですね!

 言ってみれば、そこがハイライトですから。この曲はラストのためにあるような曲と言っても過言ではないので、そこはじっくり感じてほしいですね。

子供たちに絶対に負けられない!

──そしてシングルの3曲目を飾るのは「Revolution Perfect Game~BugLug Quest~」。

一聖 これは昨年NHK Eテレ「大!天才てれびくん」にヴィジュアル系バンドに憧れるテレビ戦士たちのレクチャー役としてBugLugが出演したときに作った曲で。番組内で子供たちがV系バンド「チビラグ」を結成したので、そのために書き下ろしたんです。そのセルフカバーですね。子供たちが歌ってるのを見たら、すごいカッコよくて悔しくなり(笑)。ライブでやってみたらすごくノリもよくて。「あ、これ完全にBugLugの曲だわ!」って思ったので、ちゃんと音源に残したいと思ったんです。

──戦隊モノ系なイメージの楽曲だけど何かテーマはあったんですか?

一聖 「子供が歌う曲」っていうテーマだったんで、自分が子供の頃ってどんなんだったかな?って思い返してみたんです。子供の頃って、無敵だったなぁって。無知ゆえになんでもできると思ってたし、なんなら空でも飛べると思ってましたからね。

──怖い怖い。

一聖 ホント(笑)。そんな無敵な感じを曲にしたかったんです。自分って未知の存在なんだぞ!ってことを歌いたかったんです。歌詞の中に「変身!」ってフレーズがあるんですけど、ここは子供たちが変身ポーズをしながら歌うのをイメージして作って。自分が歌ったときに、一気に子供の頃に返った感覚になったんです! ファンの子たちもそこで一緒に変身ポーズをしてくれたんですごく盛り上がって。今後ライブでは鉄板曲になっていくんじゃないかなと思います。

──個人的にBugLugのイメージって、この曲に一番近いんですよね。

一聖 うん。まさにそうかもしれないです。いろいろやってきて、今やっと自分たち色を見つけた結果がコレなんじゃないかなって思ってますね。そういう意味では、このシングルでやっと自分たちがなりたかったBugLugをつかめた気もしますね。

 子供たちが歌うものだけど、BugLugらしい爪痕も残してやろうと思って作ったので、特にそう感じるのかもしれないですね。

 実は、原曲ができあがった段階から、自分たちがやりたくてたまらなかったんで、今回こうして音源に残せて満足してます。

一樹 とはいえ、今回はカバーですから! セルフカバーとはいえ、子供たちが歌った原曲があるわけですから、そこがライバルでしたね(笑)。絶対に負けられないぞ!っていう思いで攻めました(笑)。とにかく音圧では負けられないので、音にはとことんこだわりましたし、ギターソロもアレンジし直したので、機会があったら原曲と聴き比べてみてほしいですね。きっと面白いと思います。

──さて、シングル発売後はツアーが始まりますね。

一聖 最終公演が12月15日Zepp DiverCity TOKYOで、過去最大キャパでのライブになるので楽しみながらもがんばりたいと思います。漠然と大きいところでライブしてみたいっていう目標はあったんですけど、目の前で現実のモノとなると、「おっ! マジか!?」って感じになっちゃってますね(笑)。

 Zeppって国内最大規模ライブハウスですからね。ずっと「BugLugはライブハウスだな」って言われてきたので、その一番大きな場所に立つとなると……正直気負いはあるんですけど(笑)、ここが1つの通過点になるようにがんばりたいと思います!

ニューシングル「HICCHAKA×MECCHAKA」/ 2013年9月25日発売 / Resistar Records
初回限定盤A [CD+DVD] 1890円 / RSCD-114~5
初回限定盤B [CD+DVD] 1890円 / RSCD-116~7
通常盤 [CD] 1260円 / RSCD-118
初回限定盤CD収録曲
  1. HICCHAKA×MECCHAKA
  2. アクマ笑ウ
  3. HICCHAKA×MECCHAKA(Let's Sing ver.)
初回限定盤A DVD収録内容
  • HICCHAKA×MECCHAKA -Music Clip-
初回限定盤B DVD収録内容
  • HICCHAKA×MECCHAKA -メイキングオフショット-
通常盤CD収録曲
  1. HICCHAKA×MECCHAKA
  2. アクマ笑ウ
  3. Revolution Perfect Game~BugLug Quest~
  4. HICCHAKA×MECCHAKA(Let's Sing ver.)
BugLug(ばぐらぐ)
BugLug

一聖(Vo)、一樹(G)、優(G)、燕(B)、将海(Dr)の5人からなるヴィジュアル系バンド。2009年8月に結成され、2010年4月に1stシングル「ASOBIZ」をリリースする。結成当初はドラマー不在だったが、2011年11月に将海の加入によって現在の体制となる。毒をはらんだ歌詞や、ハイボルテージなサウンドが特徴。2013年に入ってからは3月に3枚のシングル「Live to Love」「BUKIMI」「R.I.P」を同時発売し、さらに5月にシングル「文明開化」をリリースするなどハイペースに作品を発表。9月25日にニューシングル「HICCHAKA×MECCHAKA」をリリースする。