ナタリー×ramblin' presents「ベベチオ」スペシャルコンテンツ

エレクトロニクスとアコースティカルな質感がナチュラルに溶け合った、独自のポップ・ワールドを聴かせる、ベベチオ。充実のミニ・アルバム3枚を経て、ついに完成した待望のファースト・フル・アルバム『ちょうちょ』。春の息吹を感じさせる、キラキラした傑作アルバムについて、ソングライティングも手がけるヴォーカル/ギターの早瀬直久が語った。

取材・文/宮内 健(ramblin')

ベベチオ『ちょうちょ』を語る

ベベチオの音楽は、春の匂いがする──おだやかな日差しにあたためられて、気分も気温もふわっと上がってきて。どこからともなくただよってくる花の薫りが鼻をくすぐり、色めきだつ街の景色や草木のあざやかさが目に映える──彼らの音楽を聴くと、一瞬にしてそんな情景が浮かんでくるのだ。

ソングライティングを手がけるヴォーカル/ギターの早瀬直久と、ベースの平良正仁からなる二人組のポップ・ユニット=ベベチオは、これまでに3枚のミニ・アルバムをリリースし、そのどれもがクオリティの高い作品で、耳の早いポップ・リスナーからは熱狂的な評価を集めてきた。そんな彼らが満を持してリリースしたフル・アルバムが、この『ちょうちょ』だ。

「アルバムの制作に入る前から、『ちょうちょ』というタイトルにしたいと考えてたんです。街を歩いててちょうちょが飛んでいるの見かけると、“あっ!ちょうちょ!”って一瞬のうちに心を奪われて、美しさや可愛らしさに見入ってしまうじゃないですか。そんな、ちょうちょが持っているファンタスティックなポピュラリティに魅了されるところがあって。ベベチオの音楽でもぜひ“あっ!ちょうちょ!”って思うような感覚になって欲しいなって思って。あと、人が知らない間にサナギになっていたと思えば、キレイな羽根が生えて優雅に舞ってるような……誰にでも起こり得る魔法のような現実を描いてみたかったというのもあります」(早瀬直久、以下同)

いたずらな春風が、街の景色や色彩を魔法をかけるようにあざやかにしていく──そんなきらめきや何かがはじまりそうなワクワクする感覚を見事に表現しているのが、1曲目に収録されたリード曲「お花畑」。エレクトロニクスとアコースティカルなサウンドを融合したベベチオならではのアプローチに、ストリングスの導入など、新たな表現が加わったことで、さらにカラフルに開花している。

「老若男女問わず、誰でもお花畑に入ると何か違う世界に迷い込んでしまうようなイメージを、僕は持っていて。まずはそこに“ちょうちょ”を飛ばしたいと思ったんです。曲の前奏や間奏などで夢幻な雰囲気にして、アコギのリフでふぁっと目が覚めて唄いだす……夢と現実を行き来する感じを出せたのでは?と思っています」

ファンタジーと生活感のはざかいをただよう感覚は、バスクラリネットのコミカルな音色が心を和ませる「Butterfly」や、どこかとぼけているけど勢いのあるホーン・アレンジが魅力のオール宅録チューン「F」などでも色濃く反映されている。また、ベベチオの音楽を語る上で外せないのが、映像や情景、あるいはストーリーを、音楽の向こうに見せてくれるところだろう。実際、「幸福のスイッチ」は上野樹里主演の同名映画の主題歌として制作されたものだし、CMソングとして起用された「恋の中」もCMの絵コンテから曲想を膨らませていったものだという。

「僕自身、音楽は色のついた言葉だと思ってるくらいですから、楽曲を聞いてもらって映像や情景を浮かべてもらうのは非常に嬉しいことですね。僕が抱いたイメージを、僕の“言葉”で色濃く表現したい。制作する時も目をつむって作ることが多いので、自ずと頭の中には情景が浮かんでいますね。なので言葉もメロディもアレンジも同時に浮かんでくることが多いんです。僕の想い描く情景は俯瞰で見ていることが多いので、曲ごとに、聴く人それぞれの距離感が生まれてくれるのだろうと思います。映画を観て様々な感想を抱くように、楽曲に対する感触も色とりどりになってもらいたい。やはりその辺は奥深くなるように心がけて制作しているつもりです」

色とりどり、かつ奥深くなった表現を支えているのは、レコーディングに参加する(通好みの)ミュージシャンたち。彼らのワンマン・ライヴでもおなじみの、ギター中森泰弘(ヒックスヴィル)や、キーボードの高野 勲はもちろん、ペダルスティールに田村玄一などツワモノたちが、ベベチオのグルーヴを彩っている。

「参加いただいたミュージシャンの方々には曲の世界観を感じて演奏してもらいと思っていたので、レコーディング直前までずっと曲について話してましたね。喋ってばっかの楽しいレコーディングで(笑)、こういう時間も貴重な醍醐味です。あえてひとつあげるとすれば、今回ベベチオ初登場となるストリングスのアレンジなどを手がけていただいた、中島ノブユキさんと詰めていく作業が刺激的でしたね。プロっぽい時間というか、とても構築的な瞬間でしたね」

その中島ノブユキが歌心のあるピアノを聞かせる「アイボリー」と、チェロとヴィオラが流麗に響く「別れのスプーン」は、早瀬自身も思い入れの強い曲なのだという。

「アイボリーは、僕が故郷を思うときの色なんですよね。だんだん音楽活動が忙しくなってきて、身も心もすっかりアイボリーに染まったころにこの曲はできました。泣いて笑って育った場所から離れれば、すべてが思い出になって現実の世界から消えてしまいそうになる。“忘れちゃうんだろ?”と言われたことより、“忘れてもいいんだよ”と言ってくれた声が忘れられなかったりする──そんな切ない情景だからこそ、勇気を与えたかったんです。2曲とも“お別れ”という世界観のある曲ですが、悲しみに手を振ってるだけじゃなくて。“じゃあね”と言って、明日の太陽を眩しがる眼差しというか」

そう。春は別れの季節でもあり、新たなな出会いの季節でもある。あたたかな春風の中に、一瞬だけ冷たい空気が混じっていたり、浮き足立つ気分の片隅に、どうしようもなく消えないせつなさがあることに気付いたり。そんなメランコリックを感じさせるところも、ベベチオの音楽に春の匂いを感じさせる要因なのかもしれない。

ベベチオ ライブスケジュール

イベント名 New Album『ちょうちょ』リリース記念インストアライブ
日時 3月1日(土) open 14:00/start 14:00
会場 TOWER RECORDS 札幌ピヴォ店
料金 観覧フリー
出演 ベベチオ
お問い合わせ エイベックス・マーケティング(株)札幌営業所
TEL 011-251-1866(平日11:00~18:00)
イベント名 New Album『ちょうちょ』リリース記念インストアライブ
日時 3月1日(土) open 17:00/start 17:00
会場 TOWER RECORDS アリオ札幌店
料金 観覧フリー
出演 ベベチオ
お問い合わせ エイベックス・マーケティング(株)札幌営業所
TEL 011-251-1866(平日11:00~18:00)
イベント名 唄ゴコロ
日時 3月3日(月) open 18:30/start 19:00
会場 梅田シャングリラ
料金 前売:2500円/当日:3000円(ドリンク代別途)
出演 タテタカコ/榎本くるみ/ベベチオ
チケット Shangri-La WEB、チケットぴあ、ローソンチケットにて取り扱いあり
イベント名 New Album『ちょうちょ』リリース記念インストアライブ
日時 3月9日(日) open 15:00/start 15:00
会場 TOWER RECORDS 新宿店 7Fイベントスペース
料金 観覧フリー
出演 ベベチオ
お問い合わせ TOWER RECORDS 新宿店 TEL:03-5360-7811
イベント名 2MANS WORLD-?『Life is Beautiful.DX』
日時 3月28日(金) open 18:00/start 19:00
会場 青山月見ル君想フ
料金 前売:3000円/当日:3500円(ドリンク代別途)
出演 TOMOVSKY/ベベチオ ※ベベチオの出番は19:00から
チケット ベベチオ オフィシャルサイト
お問い合わせ 青山月見ル君想フ
TEL:03-5474-8115/FAX:03-5474-8116
info@moonromantic.com

ベベチオ レコ発ツアー

イベント名 ベベチオ live tour'08
日時 4月28日(月) open 18:30/start 19:30
会場 大阪心斎橋アメ村BIG CAT
料金 前売:3000円/当日:3500円(ドリンク代別途)
出演 ベベチオ
チケット チケットぴあ TEL:0570-02-9999
ローソンチケット TEL:0570-000-777
イープラス http://eplus.jp
お問い合わせ GREENS TEL:06-6882-1224
http://www.greens-corp.co.jp/
主催 GREENS
後援 Space Shower TV/FM802
イベント名 ベベチオ live tour'08 "ジャポネイオン" ちょうちょ
日時 5月9日(金) open 18:30/start 19:30
会場 東京原宿ASTRO HALL
料金 前売:3000円/当日:3500円(ドリンク代別途)
出演 ベベチオ
チケット チケットぴあ TEL:0570-02-9999
ローソンチケット TEL:0570-084-003
イープラス http://eplus.jp
お問い合わせ HOT STUFF PROMOTION TEL:03-5720-9999
http://www.lultimo.jp/
主催 HOT STUFF PROMOTION
後援 Space Shower TV/FM802

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ジャケット写真

ベベチオ 1stフルアルバム「ちょうちょ」

amazon.co.jpへ iTunes Storeへ

PC 収録曲配信中
着うた(R) 収録曲配信中
CD 発売中

2008年2月13日発売 / 2,625円
XNHL-14002 / In The Garden Records

スペシャル動画配信中!
動画コメント ライブ映像
プロフィール

早瀬直久(ボーカル、ギター)と平良正仁(ベース)により、2000年秋に結成。宅録を中心に創作活動を続け、2003年、ミニ・アルバム『左右対称のダンス』でデビュー。その後、『ひとつやふたつ』『JAPANESE SPOON』と高いクオリティのミニ・アルバムをコンスタントにリリースし、着実に支持を集めていく。2006年10月には上野樹里主演の映画『幸福のスイッチ』主題歌にもなった、シングル「幸福のスイッチ」を発表。2008年、2月13日に初のオリジナル・フル・アルバム『ちょうちょ』をリリースしたばかり。レコ発記念のワンマンは、4月28日(月)心斎橋BIG CAT、5月9日(金)原宿ASTRO HALLにて開催決定!

「ベベチオ blog Parts」配布中!詳しくはこちらまで

[ramblin' × ナタリー] ベベチオ インタビュー掲載中

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