音楽ナタリー Power Push - 「BEATRAM MUSIC FESTIVAL 2015」特集

富山中心市街地を舞台にした音と光のフェス 田島貴男&南壽あさ子が魅力を語る

富山は今っぽくなりすぎていない街

──今年の「BEATRAM」の開催期間には、富山市内で「アメイジングナイト」「アメイジングラン!」というイベントも開催されます。「アメイジングナイト」は街中がライトアップされる催しで、「アメイジングラン!」は、ライトアップされた街中を走るファンランイベントです。「BEATRAM」の会場付近や路面電車もライティングされるので、きらびやかな景色になりそうですね(参照:ビートラム2015同日開催イベント「アメイジングナイト」 - Youtube)。

田島貴男

田島 去年も富山城の城壁に映像が投影されていたよね? ライブ中でもよく見えたよ。「アメイジングラン!」も、普段ジョギングをやってるから気になるね。

南壽 私も去年のライトアップを見て、街がいつもとは違った装いで素敵だなと感じました。日中は「アメイジングラン!」で富山の空気を体感して、夜は「アメイジングナイト」。街を大切にしながら行われる街中フェスって、素敵ですね。

──ちなみにお2人は富山市にどんな印象を持っていますか?

田島 富山の街は歩いていると気持ちいいですよね。木でできた橋や古い建物が残っていて、なおかつ現代的でオシャレな感じもある。今の日本の街ってショッピングモールができたりして、どこも同じような景観になりつつあるんだけど、富山は今っぽくなりすぎてない。

南壽 確かに伝統や景観を大事にしていて、昔からあるものをそのまま残しているよさを感じます。

田島 それから富山市街は立山連峰が見えるのがいいですよね。男性的なでっかい山々で、まるで街を見守っているみたいで。例えば盛岡にも岩手山があるけど、盛岡の場合は1つでっかい山がバーンってある感じ。でも富山は連峰だからまた違った景色なんだよね。あのあたりをツーリングしたら面白そうです。

南壽あさ子

南壽 あとは地元の人たちも、一見とてもシャイに見受けられるけど、打ち解けると私の曲の感想をたくさん話してくれたり、すごく熱いものがあるんです。「BEATRAM」に初めて出演したときも、イベントが終わって帰るはずの人たちが振り向いてくれて、中には座ってじっくり聴いてくれる人もいて。そういった方々の視線からすごく温かいものを感じました。こちらが気持ちを込めて歌えばそれを敏感に受け取ってくれる、そういう感性を持った人が多いんじゃないかなと思います。街の雰囲気と、そこに住んでいる人たちの感受性の豊かさがすごくリンクしてますよね。だから音楽が好きな人も多いのかもしれません。

田島 北陸の人はそういうところがあるのかもね。新潟の人たちもそんな感じだった。最初はシャイなんだけど、とっかかりがあるとすごい話してくれて。

南壽 私は海とか風景を題材にした歌を歌うことが多いんですけど、私の曲を聴いた富山の方が「私たちの地域にすごく合うと思います」と言ってくださったんです。自分の曲を聴いて地元の風景を思い浮かべてもらえたのは光栄でしたね。今回もその言葉を思い出しながら、どの歌も大切に歌えたらいいなと思います。

富山で23年ぶりバンド編成&初公開の豪華編成バンド

──ところで田島さんは「ラヴァーマン」、南壽さんは「Panorama」とそれぞれ最新アルバムを6月にリリースしています。田島さんはアルバム発売に伴うツアーを行い、7月に渋谷公会堂でファイナルを迎えましたね。

田島 今回のツアーはもう最高で!

──音楽ナタリーでもレポートしましたが、写真から当日の白熱した様子が伝わってきます(参照:ORIGINAL LOVE田島貴男、ソウルパワー充満した渋公で完全燃焼)。

昨年行われた「BEATRAM MUSIC FESTIVAL 2014」の様子。

田島 全会場あんな感じ! 新しいツアーメンバーとのセッションが最高で、僕もテンションが上がっちゃって、どんどんお客さんも盛り上がっていって。近年ではもっともホットでソウルフルなツアーになりましたね。新曲もオーディエンスとの大合唱になって、それで僕も調子に乗っちゃって(笑)。来てくれた人たちがアルバムをすごく聴き込んでくれているのがわかったよ。3、4年ぐらい前から弾き語りスタイルで全国を回ったり、インディペンデントでアルバムを作ったりしたんだけど、そういった活動が実を結んできたみたいで、ここに来て勢いが出てきてるね。

──一方で南壽さんは、現在47都道府県ツアーの真っ最中ですね。47都道府県ツアーは2回目です。

南壽 1回目のときはとにかく自分の音楽を聴いてもらいたいという気持ちを持って臨んだのですが、いろんな人から愛をもらいながら全国を回ることができたんです。今回は初めてフルアルバムをリリースしたということもあるので、改めて「みんなに聴いてほしい」という思いで全国を回っています。

田島 演奏はバンドで?

南壽 ほぼ1人ですが、秋からはアコースティックバンド編成のライブも増えてきます。インストアライブのときもあればカフェ、はたまたホールで演奏を行うこともあって、場所も環境もどんどん変わりますし、47都道府県という数を聞いただけでも大変そうに感じられますけど(笑)。それを成し遂げるっていう目標があるので、その日のベストを尽くして、コンディションを含めしっかりとお客さんに観てもらおうと思いながらやってますね。

──そしてツアーの最後は赤坂BLITZですね。

南壽 ツアーファイナルはバンド編成でのライブになります。今のところこの編成でのライブは赤坂BLITZと「BEATRAM」出演時の2回だけですね。

──今年の「BEATRAM」に向けて、意気込みのほどは?

昨年行われた「BEATRAM MUSIC FESTIVAL 2014」で演奏する田島貴男。

田島 「ラヴァーマン」のレコ発ツアーと同じく木暮(晋也 / ヒックスヴィル)、冨田(謙)さん、真城(めぐみ / ヒックスヴィル)、小松(シゲル / NONA REEVES)さん、シゲ(村田シゲ / □□□)と出演するんですけど、バンド編成でこういう音楽イベントに出るのは珍しいし、富山でORIGINAL LOVE名義のライブをやるのは1992年以来だから23年ぶりですね。演奏もめちゃくちゃノッてきてるので、その勢いを富山に持って行って、溜まりに溜まったソウルを爆発させたいと思います!

南壽 「BEATRAM」ではプロデュースでお世話になっている、鈴木惣一朗さんをはじめとしたワールドスタンダードの皆さんと一緒に挑もうと思ってます。

田島 ずいぶん年上の人たちとやるんだね。

南壽 ふふふ(笑)。ベースとドラム以外にもフルート、クラリネット、バイオリン、フリューゲルホルンとかいろんな楽器が入って、普段とはまた違った音になりそうです。この編成での演奏は「BEATRAM」が初めてなので、私もどうなるか楽しみです。

田島 あの場所と合いそうだね。

南壽 ありがとうございます。野外で気持ちいいと思うので、時間をゆったり使いながら、思いっきり楽しみたいです。そしてそれがお客さんにも伝わるようにがんばります。

左から、田島貴男、南壽あさ子。
ニューアルバムシングル「リリースタイトル」 / 2015年00月00日発売 / レーベル名
2015年10月10日(土)
富山県 富山城址公園 芝生広場 特設ステージ メインステージ / プラタナスステージ / フロントステージ / 富山市内環状線・路面電車 トラムステージ
OPEN 10:30 / START 11:00
<出演者>
ayU tokiO / 80KIDZ / ORIGINAL LOVE / カジヒデキ / カルメラ / 小島麻由美 / 鈴木惣一朗 a.k.a ワールド・スタンダード / Soggy Cheerios / 高田漣 / 南壽あさ子 / NONA REEVES / POLTA / LUCKY TAPES / Rei / and more
2015年10月11日(日)
富山県 富山城址公園 芝生広場 特設ステージ メインステージ / プラタナスステージ / フロントステージ / 富山市内環状線・路面電車 トラムステージ
OPEN 10:30 / START 11:00
<出演者>
Wienners / OKAMOTO'S / カーネーション / Keishi Tanaka / 四星球 / スチャダラパー / 関取花 / 藤原さくら / ホフディラン / POLYSICS / RED JETS / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS / やまも / and more

BEATRAM MUSIC FESTIVAL 2015 中夜祭「よふかしビートラム」

2015年10月10日(土)
富山県 MAIRO
※出演者は後日発表。
田島貴男(タジマタカオ)

1985年結成のバンド・レッドカーテンを経て、1987年よりORIGINAL LOVEとしての活動を開始。1991年7月にアルバム「LOVE! LOVE! & LOVE!」でメジャーデビューを果たす。同年11月発売の2ndシングル「月の裏で会いましょう」がフジテレビ系ドラマ「BANANACHIPS LOVE」の主題歌に採用され全国的に注目を集めた。その後も「接吻 kiss」「朝日のあたる道」などのシングルでヒットを記録し、1994年6月発売の4thアルバム「風の歌を聴け」はオリコン週間アルバムランキング1位を獲得。以降もコンスタントに作品を発表し、柔軟な音楽性を発揮している。2015年6月には通算17枚目のオリジナルアルバム「ラヴァーマン」をリリースした。

BEARTAM MUSIC FESTIVAL 2015
ORIGINAL LOVE最新アルバム
「ラヴァ―マン」
2015年6月10日発売 / 3240円
WONDERFUL WORLD RECORDS
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南壽あさ子(ナスアサコ)

1989年千葉県佐倉市出身のシンガーソングライター。幼少の頃からピアノを始め、大学時代に軽音部に所属。その後音楽活動を本格的にスタートし、2010年より東京を中心にライブ活動を行う。2012年6月には湯浅篤をプロデューサーに迎えたシングル「フランネル」でインディーズデビュー。2013年10月にはシングル「わたしのノスタルジア」でTOY'S FACTORYよりメジャーデビューを果たした。2015年6月10日にはメジャー1stアルバム「Panorama」を発表した。このアルバムの収録曲「ちいさなラズベリー」はポプラ社で発刊されている絵本「ねずみくん」シリーズとのコラボソングにあたり、彼女の読み聞かせを収めたCD付き絵本も発売されている。

「Panorama」初回限定盤
「Panorama」通常盤
南壽あさ子最新アルバム
「Panorama」
2015年6月10日発売 / TOY'S FACTORY
初回限定盤 [CD+DVD]
4000円 / TFCC-86520
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通常盤 [CD]
3000円 / TFCC-86521
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