牛丼屋で決めた第1章の終わり

──先ほど「『バンドでやっていく』と決意したときに自分の中で第1章が終わった」と話されていましたが、その決意に至るきっかけはあったんですか？

斉本　「これ」という何かがあったわけではないんですが、1stシングル「君がいて」のリリースを控えて大きな舞台に立たせてもらう機会が増えたり、徐々に周囲の状況が変化していく中で自然にという感じですね。去年の夏の話なので、本当につい最近です（笑）。誰が言い始めたわけじゃないけど、全員がそういうモードになっていったよね。

ワタさん　4人で地元の牛丼屋で話をしてね。で、全員決意を固めて学校を辞めたんです。

──周囲の友人は学生生活を謳歌している中で、大きな決断ですよね。

斉本　でもやっぱり、僕らは音楽しかやることがなかったんですよ。音楽を取ったら何も残らない人たちなので。

はっこー　うん、今さら辞められないよね。

斉本　辞めて何するの？っていう。俺だったら恋愛相談所とかやる？

全員　あははは（笑）。

デビューしたらヨリを戻せるかも

──今回のアルバムで過去の恋愛に正面から向き合ったことで、気持ちにはひと区切りつきましたか？

斉本　いやいや、終わらないですよ。だってメジャーデビューしたらヨリを戻せるかもしれないじゃないですか。

3人　あははは（笑）。

──全然あきらめきれてないんですね（笑）。

斉本　彼女との恋愛が大きすぎるんですよ、僕の中で。でも今思えば子供同士がやってた恋愛なので、あれをもう一度やり直すことは絶対にできないんですけど。

──ちなみに、メンバー同士で恋愛の話ってするんですか？

斉本　全然しないです、3人は教えてくれないので。いつも俺だけバレちゃう。

はっこー　バレちゃうっていうか、自分からガンガン言ってくるじゃん！（笑）

斉本　そりゃ歌詞にするから仕方ないじゃん。

はっこー　歌詞にする前に言ってるよね？ スタジオ入ってくるなり「聞いて聞いて聞いて」って（笑）。

僕らの世代の名古屋を引っ張っていける存在に

──今後の目標はありますか？

井深　もちろんもっと大きなステージに立ちたいとは思っています。でも正直、今の自分たちが日本武道館に立っている姿とかお客さんがパンパンに入っている光景って、全然イメージできないんですよね。目の前にあることを着実にこなして、次にできることを鮮明にしていくしかないのかなと。

斉本　そうやって少しずつステップアップしていくことでできることはどんどん大きくなっていくんだろうなってことは、名古屋の先輩たちから教わりましたね。フォーリミ（04 Limited Sazabys）さん主催のフェス「YON FES」は、僕らに新しい夢を見せてくれたなって感じましたし。本当にいい先輩に恵まれたと思うけど、僕らの世代も気合いの入ったバンドが多いので。刺激を与え合って、名古屋の僕らの世代のバンドを引っ張っていける存在になりたいと思っています。

ワタさん　そうだね。僕はこの作品を作ったことで、自分自身が成長すべきところもたくさん見つかったので。それぞれがスキルアップすることで楽曲もよりよくなると思うので、楽しみですね。

──はっこーさんは最初に斉本さんに声をかけられたとき、今の状況は想像もしていなかったのではないでしょうか。

はっこー　そうですね。僕はずっと、レールから外れるのが怖くて仕方ない人間だったんです。でもそれと同時に、そこから猛烈に外れたがっている自分もいて。僕1人じゃできなかった決断ができたのは、3人がいたからこそだと思います。

斉本　昔のはっこーくんはファミレスに入っても店員を呼ぶことができないし、スタジオに予約の電話もできないような内気な人間だったんですよ。本当に変わったと思うし、バンドがいい意味ではっこーくんの人生を狂わせてくれたと思います。モテ出してからは特に。

全員　あははは（笑）。

──斉本さんが新たな恋愛をしたら楽曲のスタイルも大きく変わるかもしれませんね。

斉本　どうなんですかね（笑）。でもどんな恋愛をしたとしても、僕は本当のことしか言わないって決めてます。そこだけは何があっても変わらないんじゃないかな。