ナタリー PowerPush - ar

“1時間”を緩やかに描いた癒しのポップサウンドスケープ

音を抜きつつも情景が浮かぶような音作りを目指す

インタビュー写真

──このアルバムは時間をテーマにしてますが、朝聴くのと寝る前に聴くのとではまた印象が違うと思うんです。生活の中に存在する音、生活の中に浸透している音で、聴くタイミングでいろんな色を持っている作品ですよね。

フジモト 本当にそのとおりで、生活にもっと近づくにはと考えて、時間というテーマを設けたんです。

──生活の中に存在している要素という意味では、その風景や絵が見えてくる音楽ですよね。アルバム全体に大きな波があるわけではないけど、ゆったり流れていく感じが聴き手の中でいろんなイメージを思い浮かべるきっかけを与えているような。

オオタ それはフジモトくんがトラックメイクやアレンジをする上で、とても大事にしているポイントだと思うんです。僕はできた曲を聴かせてもらってジャッジしたりすることが多いんですが、曲によっては涙がジワッとこみ上げてくるものもあって。そういうイメージをみんなも感じてほしいと思うんです。だからいろんな場所で聴いてほしいですね。ヘッドフォンで聴くのもありだし、スピーカーで聴くのもありだし、静かな夜や寝起きとか。疲れて帰宅して寝る直前に聴いたら、その日あったこととリンクして見えてくる景色が変わったりすると思うし。

フジモト 1stアルバム「plastic dish no rush」の頃は、船の曲だったら本当にボイラー室とか空間を思い浮かべて作ったり、ちょっとやり過ぎてたんですけどね(笑)。確かに曲を作るとき、景色やイメージを意識することには時間をかけてます。それだけでも十分楽しいし。

──音楽って絵とつながりやすくて、例えばある曲を聴いたときに過去に聴いたときの思い出がよみがえってくることも多いと思います。絵を思い浮かべやすいんだけど、その分自由度が高くて。音数を減らしたことが、聴き手のイマジネーションをかき立てることにつながっているのかもしれませんね。

フジモト もともとあるイメージを作るのに音を足して、そういう情景を浮かびやすくしてたんです。音を抜くことによってその感度が落ちたらイヤだなって思っていたけど、今は音を抜きつつも情景が浮かぶような音作りを目指してます。

インタビュー写真
インタビュー写真

ニューアルバム『LOVE LU LE LO』 / 2009年11月11日発売 / 2310円(税込) / THISTIME / XQER-1017

  • Amazon.co.jpへ
CD収録曲
  1. LOVE LU LE LO
  2. Thank U bye bye Robin Hood
  3. マサシクダビンチ
  4. i + i (アイタスアイ)
  5. うさぎ
  6. Mr.parachuteman
  7. lovely dance 〜あなたの中のボク〜
  8. Q.
  9. Good morning angel
  10. HAPPY BIRTHDAY
  11. chu chu chu
  12. ユラユラオドレ
  13. ON
  14. double face (ダブルフェイス)
  15. くもりデー
ar(ある)

アーティスト写真

クボアツシ(Vo)、フジモトヨシタカ(B,バンマス)、オオタツバサ(G)からなる3人組バンド。2003年、クボとフジモトにより東京で結成される。当初は宅録を主体とした活動で、コンピレーションアルバム参加やブランド「jouer avec moa?」の展示会の音楽などを手掛けてきた。坂本龍一のラジオ番組で彼らの楽曲が紹介されたことから徐々に知名度を高めていき、2005年に1stアルバム「plastic dish no rush」をリリース。同時期に音楽配信サイト「mF247」(現在は終了)にて楽曲配信をスタートさせ、好成績を獲得する。また2008年に、これまでサポートメンバーとして参加してきたオオタが正式加入。ライブ活動にも比重を置き、独自の活動を展開している。