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初音ミク10周年特集|40mP×イラストレーター・たま|ミクがミクであり続けた理由

初音ミクの10年 ~彼女が見せた新しい景色~

初音ミクは今のままでいい

──「Initial Song」の制作で原点に立ち返ってみて、ボカロ曲を作り始めた頃との違いは感じましたか?

40mP 最初の頃と今では作り方が変わっているので「成長したなあ」みたいな実感はないんですけど、作り始めた頃って自分が思い描くイメージを曲として再現できなくて、モヤモヤする経験がけっこうあったんですよ。でも今はトラックも、ミクの歌い方も、アレンジも、わりと自分のイメージ通りのものが生み出せるようになりましたね。今回「Initial Song」を作ってみて「ミクはずっと変わってないけど、作り手の僕は変わったんだなあ」と思いました。

──ずっと初音ミクで曲を作り続けてきた40mPさんが言うと説得力がありますね。

40mP ちょっと大口を叩くような感じなんですけど、たぶんいろんなボカロPさんがいる中で、初音ミクを使っている時間が一番長いのは僕なんじゃないかなって思うんです。

40mP、たま。

たま そんなにずっとミクを使っているんだ。

40mP 例えばボカロで上げていない曲の仮歌とかもミクで作るんですよ。曲を作る中でどういうノイズが入ってしまうかとかも全部知り尽くしてる。すみません、余談でした(笑)。

──ちなみに40mPさんは初音ミクのソフトの進化をどう感じていますか?

40mP 実は僕、ずっとV2(Vocaloid2)を使ってるからあんまりわからないんです。別に新しいものを避けてるわけではないし、V4(Vocaloid4)のライブラリってすごくクオリティが高いと思うんですが、僕は“ミクらしさ”が出ているのが初期のV2なんじゃないかなって思っちゃって。自分の中で一番しっくりきてるんですよね。

──先ほどの「ミクはずっと変わってない」という発言にも通じるものがありますね。

40mP ボカロってどんどん技術が進化していて、おそらく近い将来人間と変わらないような歌声を再現できるようになって、もっとたくさんの人に聴いてもらえるものになると思うんです。だからVocaloidという技術はもっと進化したほうがいい。でも初音ミクというソフトは発音のたどたどしさも含めてミクの魅力になっているから、技術が進化してもミクだけは今のまま変わらないでいてほしいですね。

初音ミクは存在し続ける

──例えばニコニコ動画をはじめとした動画共有サイトのムーブメントなどの変化についてはどう思っていますか?

40mP 初期の頃と比べたらリスナーの方々がけっこう変わった印象があります。最初の頃は初音ミクを主人公とした“機械が歌うこと”を歌詞にした曲が多かったからか、コアなファンが多かったような気がします。でも年数を重ねるごとに普遍的なテーマが歌われるようになって、もっとライトな層が増えてきたと言うか。曲自体はストーリー性の強いものが2012年頃からどんどん増えていったと思います。

──40mPさん自身はシーンの変化をどう受け止めてきたんですか?

40mP 僕、実はあんまりニコ動でボカロ曲を聴かないようにしてるんです。めんどくさいからとかじゃなくて、けっこう影響されやすいから聴いちゃうとモロに影響を受けちゃうんですよね。だから僕自身はあまり流れに対して敏感でもないし、淡々と曲を作り続けてきたって感じです。

たま 初音ミクが登場した2007年頃は、ニコニコ動画を観るために会員登録をしなきゃいけなかったこともあって十代より二十代の人のほうが、動画文化に触れていたと思うんです。でも今って小中学生が当たり前のように動画を観ているので、そういう意味ではファン層、年代がどんどん広がっている。もちろん離れていってしまう人もいるけど、どんどん新しいファンが増えている感じもあるんです。

40mP 僕らが小さい頃は今のように音楽があふれていなかったですから。小さい頃から動画で音楽に触れられるのって、いいことだと思います。

たま ボカロの曲って作り手によってジャンルが全然違うから、いろんな音楽に触れられるわけですよね。

40mP 中学の頃に聴いてた曲が人生の中で一番印象に残るって聞いたことがあって。それがボカロ曲になるかもしれないってことですから。ちょっと責任も感じています(笑)。

──Vocaloidにまつわるブームについて、40mPさんは現状をどう思っていますか?

40mP ニコニコ動画をはじめとした動画共有サイトには今も昔もクリエイターさんが居続けているから、よく言われるような衰退みたいなことは感じていないですね。僕と一緒でずっと曲を作ってきた人もいれば、一度は姿を消した古参の方々がひさしぶりにボカロ曲を公開する場合もあるし、もちろん新しくボカロで曲を作り始めましたって人もいる。循環と言うか、クリエイターのサイクルができあがっているから、もうどこかで途絶えることはないと思うんです。その循環の中心となる軸には、初音ミクが居続けている。そんな初音ミクを中心としたボカロのシーンを、これからもずっとみんなと一緒に楽しんでいきたいと思っています。

左から40mP、たま。
V.A.「HATSUNE MIKU 10th Anniversary Album『Re:Start』」
2017年8月30日発売 / U&R records
V.A. 「HATSUNE MIKU 10th Anniversary Album『Re:Start』初回限定盤 」

初回限定盤
[CD2枚組+10周年記念イラストブック]
4212円 / DUED-1228

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通常盤
[CD2枚組]
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DISC 1
  1. アンノウン・マザーグース / wowaka feat. 初音ミク
  2. ヒバナ / DECO*27 feat. 初音ミク
  3. ボロボロだ / n-buna feat. 初音ミク
  4. Initial song / 40mP feat. 初音ミク
  5. 大江戸ジュリアナイト / Mitchie M feat. 初音ミク with KAITO
  6. リバースユニバース / ナユタン星人 feat. 初音ミク
  7. 快晴 / Orangestar feat. 初音ミク
  8. それでも僕は歌わなくちゃ / Neru feat. 初音ミク
  9. ひとごろしのバケモノ / 和田たけあき(くらげP) feat. 初音ミク
  10. 君が生きてなくてよかった / ピノキオピー feat. 初音ミク
  11. 神様からのアンケート / れるりり feat. 初音ミク
  12. Steppër / halyosy feat. 初音ミク、鏡音リン、鏡音レン、巡音ルカ、KAITO、MEIKO
DISC 2
  1. みんなみくみくにしてあげる♪ / MOSAIC.WAV×鶴田加茂 feat. 初音ミク
  2. Tell Your World / livetune feat. 初音ミク
  3. 千本桜 / 黒うさP feat. 初音ミク
  4. 初音ミクの消失 / cosMo@暴走P feat. 初音ミク
  5. ロミオとシンデレラ / doriko feat. 初音ミク
  6. 独りんぼエンヴィー / koyori(電ポルP) feat. 初音ミク
  7. カゲロウデイズ / じん
  8. from Y to Y / ジミーサムP feat. 初音ミク
  9. *ハロー、プラネット。 / sasakure.UK feat. 初音ミク
  10. BadBye / koma'n feat. 初音ミク
  11. オレンジ / トーマ feat. 初音ミク
  12. ハジメテノオト / malo feat. 初音ミク
著:40mP イラスト:たま
「小説『からくりピエロ』」
2017年9月1日発売 / 角川ビーンズ文庫
著:40mP イラスト:たま「小説『からくりピエロ』 」

文庫 626円

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Kindle版 580円

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イナメトオル / 40mP(イナメトオル / ヨンジュウメートルピー)
イナメトオル / 40mP
2008年にニコニコ動画にVocaloidを使用したオリジナル曲の投稿を開始。「Melody in the sky」の動画で使用された初音ミクのイラストが、周囲の建物と比較して巨大に見えると視聴者に指摘されたことから40mPと呼ばれるようになる。以降は人気ボカロPの1人として「からくりピエロ」など数多くのポップソングを発表。2012年からは、7人の歌い手と生バンド、ストリングス、ブラス、コーラス隊を率いたホールコンサート「虹色オーケストラ」を不定期で開催する。2013年夏にはNHK「みんなのうた」のオンエア曲に「少年と魔法のロボット」が選ばれ、ボカロ曲の採用が番組史上初ということもあって大きな話題になる。2015年にはイナメトオル名義でシンガーソングライターとしての活動を開始。「虹色オーケストラ」でタッグを組んでいる盟友・事務員G(Piano)や[TEST](G)、mao(B)、ショボン(Dr)をバンドメンバーに迎えて、同年11月にNBCユニバーサル・エンターテイメントからメジャーデビューアルバム「1.7m」をリリースした。
たま
たま
2008年にニコニコ動画をはじめとした動画共有サイトでイラストの提供や動画の制作を開始。特に初音ミクや鏡音リン・レンなどVocaloid関連のイラストを数多く描き、ゲームソフト「初音ミク -Project DIVA- 2nd」のモジュールデザインなども手がけている。2013年には40mPの楽曲「少年と魔法のロボット」のミュージックビデオを制作。このMVは「NHKみんなのうた」でオンエアされ、大きな注目を集めた。