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フジファブリック「VOYAGER」表現しきったホールツアー

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フジファブリックが5月19日に東京・NHKホールにて「フジファブリックHALL TOUR 2013 “VOYAGER”」の東京公演を開催した。

最新アルバム「VOYAGER」を携え、初めて全国規模のホールツアーを敢行したフジファブリック。彼らはサポートメンバーに名越由貴夫(G)とBOBO(Dr)を加えた5人編成で、「VOYAGER」の世界観を映像演出とともに表現した。

客電が消灯すると、会場に常設されたパイプオルガンを奏でるシルクハット姿の金澤ダイスケ(Key)にスポットライトが当てられる。ものものしいメロディが響きわたり緊張感で満たされた場内は、ステージに5人が現れるとたちまち大歓声に包まれた。彼らは開放感あふれるアッパーチューン「Small World」でライブをスタートさせ、山内総一郎(Vo, G)は「東京ー!」と叫んでオーディエンスの興奮を高める。BOBOのカウントから始まった「夜明けのBEAT」で会場の熱気は一気に上がり、観客は楽しそうに手を上げながら踊った。

「自分勝手エモーション」「Upside Down」とアルバムの中でも異彩を放つナンバーが続けざまに繰り出されたあと、前作アルバム「STAR」に収録された「Splash!!」での山内、金澤、名越による怒涛のソロパートが客席を盛り上げる。加藤慎一(B)が作詞作曲したポップなナンバー「こんなときは」が終わりに差し掛かると「Fire」のイントロがかぶさるように流れ出し、先程までの柔和な雰囲気は一変。曲の終盤で5人はしばらく攻撃的なサウンドを爆音で鳴らし続けて観客を圧倒した。

「NHKホールバージョンでございました」と「Fire」について言及した山内は、「疲れたでしょ?」といったんオーディエンスを座らせる。全員が着席した光景に「おおー……。紅白に出るとこんな感じなんでしょうねえ。出れるかなあ、出てみたいですね」と笑顔を見せつつ、この日の会場であるNHKホールにまつわる思い出話を語った。金澤はパイプオルガンを弾いた感想を「神様になった気分でした」とコメント。NHK教育「ニャンちゅうワールド放送局」の登場キャラクター・ニャンちゅうのモノマネをし、山内に「キーボード、ニャンちゅう!」と改めて紹介されるという一幕もあった。

美しいバラード「春の雪」が演奏されたあとのMCでは、アルバムタイトル「VOYAGER」に込めた思いとツアーに訪れた人々への感謝の気持ちが語られる。再び観客が立ち上がった後半のブロックでは、山内のみならずそれまで寡黙にベースを弾いていた加藤もステージ前方に歩み寄った。「Magic」ではシンガロングが起こり、「星降る夜になったら」ではハンドクラップが一体感を生み出す。そして最後に「Light Flight」が披露され、本編は感動的に締めくくられた。

アンコール2曲目の「虹」では金澤がキーボードを足で弾いたり、BOBOが気迫あふれるプレイを見せたりと、会場はこの日一番の盛り上がりを見せる。清々しくフィナーレを飾った「STAR」まで全21曲を届けた5人は、手をつないで大きく一礼し、満足気な表情でステージを降りた。

なおフジファブリックは10月よりライブハウスを回る全国ツアーを開催。10月19日の石川・金沢EIGHT HALLから11月23日の東京・Zepp Tokyoまで9公演を行う。

「フジファブリックHALL TOUR 2013 “VOYAGER”」2013年5月19日セットリスト

01. Small World
02. 夜明けのBEAT
03. 会いに
04. 自分勝手エモーション
05. Upside Down
06. Splash!!
07. Bye Bye
08. Time
09. こんなときは
10. Fire
11. まばたき
12. 春の雪
13. 徒然モノクローム
14. 流線形
15. Magic
16. 星降る夜になったら
17. 銀河
18. Light Flight
<アンコール>
19. 透明
20. 虹
21. STAR

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