ゆらゆらブンブン、真夏の野音で独自のロックを表現

2008年7月21日 14:30 7 音楽ナタリー編集部

ゆらゆら帝国とBOOM BOOM SATELLITESの2組による対バンライブ「US AND THEM」が7月19日に東京・日比谷野外音楽堂にて開催された。

熱唱する坂本慎太郎（ゆらゆら帝国）

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HOT STUFF PROMOTIONの設立30周年記念イベント第2弾として行われたこのイベント。対称的なアプローチでロックンロールを進化させる2組の共演ということで、真夏日を記録した炎天下の野音には幅広く多彩な客層が集まった。

この日の一番手はBOOM BOOM SATELLITES。ライブが開始するなり、最新アルバム「EXPOSED」の人気曲「MORNING AFTER」や「EASY ACTION」、そして今年のジャパンツアーでも披露されたボコーダー・ボーカルバージョンの「Dig The New Breed'08」が畳み掛けるようにプレイされる。とどまることのない硬質でアッパーなビートに会場の温度はますます上昇。澄みわたる青空の下に極上の音楽空間を作り出した。

ライブ中盤には映画「APPLESEED」に提供された「UNDER DOG」や、久しくライブで演奏されなかった初期のナンバー「PUSH EJECT」といったレア楽曲も繰り出され、会場のファンを驚かせた。「SUMMER SONIC 08」や「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2008 in EZO」、「METAMORPHOSE」をはじめ今年数多くのロックフェスに出演する彼らだが、これらのフェスではどのようなセットリストを組んでくるのか期待が高まるところだ。

ラストに披露されたのは「KICK IT OUT」。最初から最後までエモーショナルなテンションを保ったまま1時間弱にわたるパフォーマンスが終了。中野と川島の2人は観客に向けて深々と頭を下げながら「ありがとうございました！」とひと言だけコメントし、ステージを後にした。

あたりを夕闇が支配しはじめ、それまでの暑く湿った空気が少しクールダウンしたところでゆらゆら帝国が登場。総立ちで歓声を上げる客席に向かって坂本慎太郎が「あ、ども」と呟き、「太陽の白い粉」でライブがスタートした。「あえて抵抗しない」では坂本はギターを置き2本のマラカスをシェイク。痙攣したように踊りながら彼がマラカスを左右に振り乱すたびに、観客も手を振りながらそれに呼応する。

「タコ物語」では後半に客席からの手拍子に合わせてアカペラを披露し、続く「ロボットでした」では前半で坂本がタンバリンを叩くなど、バラエティに富んだステージアクションが続々と展開。途中でそのタンバリンが後ろに放り投げられると絶叫にも似た歓喜の声が沸きあがる。満員の観客の目はステージ上の3人のカリスマ性あふれる一挙手一投足に釘付けとなっていた。

「3×3×3」が終わると、あまりに拍手が大きくライブが終演したような雰囲気になってしまったため「あっ…、まだっ、まだっ」と呟いて坂本がファンをなだめる一幕も。「どうもー」という言葉で仕切りなおして「つぎの夜へ」「無い!!」が演奏され、会場を感動に包んで全10曲のライブが終了。イベントのタイトルにもなっているPINK FLOYDの「US AND THEM」がSEで流れ、人気ライブアクト2組による異色の対バンは幕を閉じた。

※記事初出時、本文中のゆらゆら帝国の曲名に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

2008年7月19日 HOT STUFF 30TH ANNIVERSARY「US AND THEM」セットリスト

BOOM BOOM SATELLITES

01. MORNING AFTER
02. EASY ACTION
03. Dig The New Breed`08
04. BRING IT ON DOWN
05. UNDER DOG
06. PUSH EJECT
07. INTERGALACTIC
08. Get Back In My House
09. KICK IT OUT