THE BAWDIES、武道館で至福のパーティ「R&Rに幸あれ!」

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THE BAWDIESが11月27日、初の日本武道館単独公演を行った。

THE BAWDIES(撮影:橋本塁【SOUND SHOOTER】)

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武道館の四方八方を埋め尽くした観客。(撮影:橋本塁【SOUND SHOOTER】)

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ドラムセットを自ら回転させるMARCY。(撮影:橋本塁【SOUND SHOOTER】)

ドラムセットを自ら回転させるMARCY。(撮影:橋本塁【SOUND SHOOTER】)

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ドラムセットのみ後方に向けて「I'M IN LOVE WITH YOU」を演奏するTHE BAWDIES。(撮影:橋本塁【SOUND SHOOTER】)

ドラムセットのみ後方に向けて「I'M IN LOVE WITH YOU」を演奏するTHE BAWDIES。(撮影:橋本塁【SOUND SHOOTER】)

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ROY(撮影:橋本塁【SOUND SHOOTER】)

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TAXMAN(撮影:橋本塁【SOUND SHOOTER】)

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JIM(撮影:橋本塁【SOUND SHOOTER】)

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今回の武道館公演は、6月からスタートした全国ツアー「THE BAWDIES "LIVE THE LIFE I LOVE" TOUR 2011」のファイナル公演として行われたもの。客席を360度解放した会場には約1万3000人もの観客が集まり、THE BAWDIESとの濃厚なロックンロールパーティを楽しんだ。

定刻を10分過ぎた頃に会場が暗転。恒例となったSAM & DAVE「SOUL MAN」が爆音で流れる中、楽器とアンプ、そして電飾をあしらった大型バンドロゴが配置されたシンプルなステージにメンバーが登場した。4人はそれぞれの楽器を何度か音出しすると、MARCY(Dr)のカウントに合わせて「I BEG YOU」からライブをスタート。45年前に同会場で行われたTHE BEATLESの初来日公演を彷彿させるパフォーマンスに、客席からはかつてないほどの大歓声が送られた。

1曲歌い終えたところで、ROYが「今日のルールは単純明快、簡単だ。思いっきり楽しめ!」と観客を煽ると、2曲目「JUST BE COOL」に突入する。グルービーなリズムに合わせて、観客は上下にジャンプ。THE BAWDIESは続く「SHOW ME UP」でも会場の大きさに臆することなく、エネルギッシュなパフォーマンスと演奏で会場を沸かせた。

「この武道館の中心で何を叫べばいいかって? これしかないでしょう、とびっきりの愛じゃないですか? 惜しみもなく伝えたいと思います、愛してます」というROYのメッセージに続いて、バンドはポップなミディアムナンバー「LOVE YOU NEED YOU」を披露。CDでのAIのパートをTAXMAN(G, Vo)が代わりに歌い、ROYとの絶妙なハーモニーで武道館をピースフルな空気で包み込む。曲を歌い終えたところで、ROYが思わずガッツポーズ。続けて、「最高です。マジで気持ちいいよ。みんなも声出してごらんよ、最高だから」と語りかけると、「KEEP ON ROCKIN'」で再び会場をヒートアップさせていった。

ROYが「こうやって武道館でパーティができるのも、何でも全力で楽しんできたからかなと思います。どんなことでも全力でやってきたし、全力でやるから意味がある。その気持ちをここで全部発散させたいなと」と会場中に向けて語りかけると、バンドは前作「THERE'S NO TURNING BACK」のオープニングナンバー「I'M A LOVE MAN」で観客をさらに盛り上げる。続いてTAXMANが「ここで僕も1曲歌っていいですか?」叫び、サイケデリックテイストのロックンロールナンバー「WHAT A LONELY NIGHT」を披露。曲中盤ではJIM(G)が激しいアクションを伴うギターソロでファンを魅了した。

「EVERYDAY'S A NEW DAY」「ANNE」といったソウルフルなミディアムチューンを歌い終えると、常に熱狂的なリアクションで応える観客に向けてROYが「もうね、なによ。なによ、あなたたち!(笑) 最高以外のなにものでもないですよ」とうれしそうに話しかける一幕も。そして、THE BAWDIESの4人は「THANKS BILL」「BITTER BUTTER」を立て続けに演奏し、よりディープなロック&ソウルワールドを展開していった。

ライブも中盤に差し掛かった頃、ROYが「マジで武道館は特別なんだと思ってます。45年前にここでTHE BEATLESが初めて生でライブをして。ここに立ったからには日本のロックンロールの継承者になれると思ってます。ここはゴールでも通過点でもありません。ここからがスタートです!」と高らかに宣言。そして「MARCYがどうしても武道館でやりたいってことがあって」と言うと、MARCYが「じゃあ、やります」と答えドラムセットの乗った台を降りる。すると、ドラム台の横に付いたレバーを押しながらドラムセットを回転させ、ステージ後方の「MARCY見切れ席」側を向かせた。この粋な計らいに、「MARCY見切れ席」側の観客は大興奮。ROYが「わかりますか、『この俺(MARCY)の男の背中を見ろ』と。そして後ろのお客さんには『俺だって前に立てるんだ!』というわけです」とMARCYの気持ちを代弁すると、このセッティングのまま「I'M IN LOVE WITH YOU」を演奏し始めた。「MARCY見切れ席」側の観客は自分たちの正面を向いたMARCYに向けて、今まで以上に大きな歓声を送る。そんなMARCYの隣にJIMも立ってギターを弾きまくり、より「MARCY見切れ席」側を盛り上げた。

「I'M IN LOVE WITH YOU」の演奏を終えると、MARCYは再びドラム台を黙々と回転させ元のセッティングに戻す。すると今度はTAXMANが「せっかくの武道館なのに、MARCYばかり目立って。僕だって目立ちたいなと。なので、インディーズ時代の曲でも歌いたいと思います。この曲は45年前にTHE BEATLESがここで歌った曲です」と言って、THE BAWDIESの1stアルバム「YESTERDAY AND TODAY」にも収録されていた「I'M DOWN」をポール・マッカートニーばりのシャウトでカバー。そのバンドスタイルと相まって、本当に45年前にタイムスリップしたかのような空間を作り上げていった。

MARCY、TAXMANと続いて、今度はROYが「俺にだってやらせてくれよ。THE BAWDIESがインディー時代、最初に作ったオリジナルナンバーです」と語り、アルバム「YESTERDAY AND TODAY」から「SHAKE IT BABY」を熱唱。久しぶりに演奏されたこの曲を聴いて、客席のファンはうれしそうな笑顔を浮かべていた。

懐かしい曲が続いたところで、ROYの「あんたたちが進むのは、過去じゃなく未来でしょ!」という言葉に続いて最新シングル「RED ROCKET SHIP」に突入。そこから「EMOTION POTION」「YEAH」とアッパーチューンが立て続けに披露され、会場はさらに熱を帯びていく。そんな過熱状態の中、ROYは「(曲が)止まるたびに実感するのね、この最高の気持ちを。ハッキリ言いましょう。人生いろんなことがありますけど、ここまで来れたのは常に全力でやってきたから。もし悲しいことがあったら、全力で泣けばいいんです。ここで全部出してください、俺らが全部受け止めますから。そして、また明日から笑顔でいきましょう」と観客に語りかけて、スローナンバー「SAD SONG」を歌い始めた。この曲に合わせてステージ上方からは再びミラーボールが降下。回転しながらきらびやかな光を放っていった。

エモーショナルな「SAD SONG」が終わると、いよいよライブ終盤戦に突入。「悲しいのはもうゴメンだな。ここからはお祭り全開でいこうか!」というROYの言葉を合図に、バンドは「HOT DOG」「B.P.B」「IT'S TOO LATE」といった人気ナンバーを連発する。そして、ROYが「次の瞬間、俺が生まれてきて一番最高の景色が観れると思うんですけど。一緒に踊りましょうか!」と語ると、「YOU GOTTA DANCE」で会場が一瞬にして巨大なダンスフロアへと変化した。サビではROYのカウントにあわせて、1万3000人の観客がジャンプ。曲終盤にはMARCYのドラムソロもフィーチャーされ、クライマックスと呼ぶにふさわしい盛り上がりをみせた。

ROYが「まだいけるんじゃないですか? THE BEATLESなら『TWIST AND SHOUT』かもしれないけど、俺らならこう言いますね、『A NEW DAY IS COMIN'』!」と叫ぶと、本編ラストナンバー「A NEW DAY IS COMIN'」がスタート。THE BAWDIES版「TWIST AND SHOUT」と言えるこの曲は、彼らにとっての「夢の舞台」である武道館公演のために用意されたようなナンバー。「A NEW DAY IS COMIN'」というタイトルどおり、このライブから新たな歴史が始まると予感させる最高の歌と演奏、パフォーマンスで約2時間のライブ本編を終えた。

アンコールではTAXMANが「今日こういうところでライブをやれるっていうのは、スタッフや家族、そしてみんなのおかげだと思ってます」と感謝の気持ちをコメント。続けてROYが「バンドを始めて最初の頃、ライブで何も言うことがなくて、よく同じライブ告知を4回くらい言ってました。今日は久しぶりにライブ告知をやりたいと思います」と言うと、THE SONICSとの対バンツアーが再び決定したことを発表した。このサプライズに観客は大興奮。ROYは再び「今日の武道館はゴールでも通過点でもない」と語り、バンドが現在も新たな目標に向かって走り続けていることを説明した。

客席の興奮が冷めやらぬ中、ROYは「毛皮のマリーズの志磨(遼平)くんから『どうしても聴きたい曲がある』と言われてしまったので」と言って1stアルバム「YESTERDAY AND TODAY」からTHE DAVE CLARK FIVEのカバー「BECAUSE」を歌唱。切ないメロディとROYとTAXMANによるハーモニーが会場を甘美な空気で包み込むと、曲を歌い終えたROYが「幸せだーっ! もう迷いなく言えます!」と絶叫する。そのまま、バンドはピースフルなミディアムナンバー「KEEP YOU HAPPY」で会場にハッピーなサウンドを振りまいていった。

いよいよ本当にラストナンバーの時間になると、JIMは「あーっ、(次の曲を)やりたくねえな。やったらこのステージを降りるんだよね?」と淋しそうにつぶやく。そんなJIMをよそに、ROYは「ロックンロールで始まったわけですから、最後もロックンロールで終わりましょうか! ひとこと言わせてください……ロックンロールに幸あれ!」と絶叫。そのままラストナンバー「SHAKE YOUR HIPS」へとなだれ込み、4人は最後の力を振り絞って熱のこもった演奏を聴かせた。曲中ではバンドスタッフがMARCYのドラム台を回転させ、ステージ後方の観客を再び喜ばせるサービスも。TAXMANやJIMはこれでもかというほどにステージ上を動き回り、あらゆる方角にいるファンに向けてアピールを続けた。こうして、約2時間半におよぶ最高のロックンロールパーティは終了。全てを出し切った4人に向けて、客席からは惜しみない拍手が送られた。ほかのメンバーが感慨深げに客席を眺める中、JIMは感極まったのか思わず目頭を押さえるしぐさを見せる。そして最後の最後に、TAXMANが「今日だけのプレミアムワッショイ」と言ってウェーブを取り入れた「ワッショイ」を観客と一緒に行い、4人は笑顔のままステージを降りた。

THE BAWDIES "LIVE THE LIFE I LOVE" TOUR 2011
2011.11.27@日本武道館 セットリスト

01. I BEG YOU
02. JUST BE COOL
03. SHOW ME UP
04. LOVE YOU NEED YOU
05. KEEP ON ROCKIN'
06. I'M A LOVE MAN
07. WHAT A LONELY NIGHT
08. EVERYDAY'S A NEW DAY
09. ANNE
10. THANKS BILL
11. BITTER BUTTER
12. I'M IN LOVE WITH YOU
13. I'M DOWN
14. SHAKE IT BABY
15. RED ROCKET SHIP
16. EMOTION POTION
17. YEAH
18. SAD SONG
19. HOT DOG
20. B.P.B
21. IT'S TOO LATE
22. YOU GOTTA DANCE
23. A NEW DAY IS COMIN'
<アンコール>
24. BECAUSE
25. KEEP YOU HAPPY
26. SHAKE YOUR HIPS

※記事初出時、本文に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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