黒夢復活ライブで34曲熱演「歴史に残る日になってる」

1

319

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 55 21
  • 27 シェア

黒夢が2月26日に復活ライブ「XXXX THE FAKE STAR」を東京・国立代々木競技場第一体育館にて敢行。1万1000人の前で、約3時間半にわたり熱演を繰り広げた。

本編はMCなしのストイックなステージを繰り広げ、アンコールでは饒舌ぶりを発揮した清春。

本編はMCなしのストイックなステージを繰り広げ、アンコールでは饒舌ぶりを発揮した清春。

大きなサイズで見る(全6件)

MCでオーディエンスに向かって何度も感謝を伝えた人時。

MCでオーディエンスに向かって何度も感謝を伝えた人時。

大きなサイズで見る(全6件)

MCで清春(写真左)は相棒の人時(写真右)について「日本のロックベーシストの中で一番うまいと思う」と絶賛した。

MCで清春(写真左)は相棒の人時(写真右)について「日本のロックベーシストの中で一番うまいと思う」と絶賛した。

大きなサイズで見る(全6件)

ライブ本編のラストナンバー「Sick」で、歌いながらでアリーナエリアに突進する清春。

ライブ本編のラストナンバー「Sick」で、歌いながらでアリーナエリアに突進する清春。

大きなサイズで見る(全6件)

清春(Vo)

清春(Vo)

大きなサイズで見る(全6件)

人時(B)

人時(B)

大きなサイズで見る(全6件)

2009年1月29日に東京・日本武道館で解散後、昨年2010年1月29日に突如再始動することを発表しファンを狂喜させた黒夢。今年の1月29日には新宿でシークレットライブを開催するも、人が集まりすぎたためわずか2分でライブが強制終了するなど、根強い人気と注目度の高さを伺わせていた。そしてこの日、改めてファンの前に現れた清春(Vo)と人時(B)は、先日のシークレットライブと同じくK-A-Z(G/サッズ)、GO(Dr/サッズ)、KIYOSHI(G)をサポートに迎え、鉄壁の布陣でライブに臨んだ。

定刻を8分過ぎた頃、SEが徐々に大きくなり観客が立ち上がり始める。期待感が充満したのを見計らうかのように会場が暗転すると、怒号と悲鳴の入り交じった歓声がこだました。続いて不穏な音とともに、青白い照明がサーチライトのようにアリーナエリアを行き来し、緊張感を高めていく。そして「BEAMS」を歌う清春の声が聴こえた瞬間、黒い紗幕が切って落とされ、スモークで覆われた白いステージが全貌を現した。

モニターやアンプも白く覆われ、ステージ上のメンバーも純白の衣装という鮮烈なビジュアルにどよめきが沸く。その反応を横目に清春は伸びやかな声を響かせ、人時も力強いリズムを刻む。1曲目から懐かしいナンバーが披露され、オーディエンスのテンションは一気に頂点に。清春が人時の元に駆け寄り肩を組むと、大きな歓声が起こり狂騒に拍車がかかった。

続く「Spray」で攻撃的なモードにスイッチを入れ、「gossip」では危険な匂いで会場を満たしていったステージ上の5人。睨めつけるような視線を投げ、咆哮するようなボーカルでオーディエンスを惹きつける清春。時折ステージ前方に飛び出し、オーディエンスとコミュニケーションを楽しむようにプレイする人時。2人の一挙一動に観客は鮮やかな反応をみせた。清春が「サンキュ」と短く挨拶した後は「BARTER」がスタート。激しく明滅する照明が楽曲のスピード感を演出する。が「masochist organ」「『sister』」では一転、妖しげな空気が生み出され、オーディエンスは清春の甘く艶のある歌声に体を委ねた。

ライブは休むことなく続けられ、清春がモニターの上で両手を広げ扇情的な仕草を見せた「解凍実験」、サイレンと警報機のようなライトが刺激的な「カマキリ」と攻撃性を全開にしたナンバーが投下される。どちらの曲でもオーディエンスとのコール&レスポンスが盛大に繰り広げられ、会場がひとつになっていく。さらに「MIND BREAKER」では、うねりのあるヘビーなリフが会場を圧倒。そこに清春の怒気をはらんだボーカルが絡み、黒夢のダークな側面が浮かび上がった。

しかし次のパートでは、「DRIVE」「C.Y.HEAD」とパンキッシュなナンバーで観客を翻弄。清春が「暴れろ!」と挑発した「BAD SPEED PLAY」では、GOの激しいドラミングが炸裂。ギャロップのようなリズムにあわせて、オーディエンスは拳を突き上げる。歌詞を噛み締めるような清春の表情と、丁寧なバンドサウンドが観客を魅了した「REASON OF MYSELF」、めまぐるしい展開が印象的な「Walkin' on the edge」を経て、人時を除くメンバーが一旦退場。そのまま人時のソロコーナーに突入する。スクリーンに大きく映し出される手元や、ときにメロディアスで、ときに激しいプレイに観客は釘付けに。後半ではGOが加わりスリリングなセッションが繰り広げられ、人時が演奏の手を止めると力強い拍手が響き渡った。

人時が「サンキュ」と呟いたのをきっかけに、黒を基調とした衣装に着替えた清春が姿を見せる。そして切なげなギターのアルペジオから「優しい悲劇」へ。イントロで何の曲か察知したファンは歓声をあげ、うれしそうな表情を浮かべる。サビで清春がマイクを向けると見事なコーラスで応え、一体感を作り出した。

懐かしい曲から一転して、続いては再始動後に作られた新曲「ミザリー」「Paraphilia」を初披露。攻撃的で艶やかなサウンドで、復活を存分にアピールする。そのまま「MASTURBATING SMILE」「FASTER BEAT」と激しいナンバーを連発していき、「HELLO,CP ISOLATION」ではスカのリズムにあわせて清春がステップを踏み熱唱。チャーミングな表情で会場を魅了していく。「CANDY」の前には「久しぶりに興奮してきたよ」と言い、ライブを心から楽しんでいる様子を伺わせた。

「あと3曲! 後悔するなよ!」という清春の言葉から本編も終盤戦に。清春の「よく観ておけよ!」というシャウトを口火に「ROCK'N'ROLL」を演奏し、その後「後遺症 -aftereffect-」を畳み掛ける。火花を散らすようにぶつかり合うバンドサウンドは、会場の狂騒を加速させていった。

本編のラストは「Sick」。清春は歌い始める前に「サンキュー」を連呼し、「ラスト!」と煽る。そして曲が始まるとステージを飛び降り客席に突進。もみくちゃになりながら絶唱する。一方人時はステージを練り歩きながら、バンドメンバーとともにパワフルなプレイでラストナンバーを飾る。演奏が終わると、清春は「I love you and fuck you! Thank you!」とオーディエンスに感謝を伝え、ふらつく足取りでステージを降りていった。

当然のことながらこれだけで終わるはずがなく、アンコールを求める拍手が発生する。拍手と声援がひときわ大きくなった瞬間、ラフな衣装を変えたメンバーがステージに再登場。タバコをくわえ、サングラスをかけた清春は、メンバー紹介を終えるとおもむろに話し始めた。

「今回きっかけがあって再始動することになったんだけど、解散ライブとかやったのに、ぬけぬけと復活しちゃってすいません」と謝罪。笑う人時を横に続けて「(僕らの復活を)喜ばしく思わない人がいてもかまわないです。けど、来てくれた人がいるから大丈夫。さりげなくソールドアウトしてくれて、サンキューね」と彼らしい口調でファンに感謝を伝えた。さらに「今日びバカになって大暴れできるバンドなんて、俺ら以外にいないんで。2年前よりもかなりやる気で。ちゃんとお稽古もしてきました(笑)」「僕も42歳、人時も38歳。オッサンだよな。でもこういう人がいてもいいよね」などユーモアを交えたトークをたっぷり展開。「すでに歴史に残る日になってると思います」と語り、本格的にアンコールに突入した。

1曲目に披露されたのは「Distraction」。エネルギッシュなバンドサウンドに会場が熱気を帯びていく。オーディエンスのエネルギッシュなコールがあがった「Suck me!」では、清春が口の中に指を入れエロティックな仕草で魅せる場面も。そして2年前の解散ライブで1曲目に演奏された「FAKE STAR」で1回目のアンコールは締めくくられた。

ここまでですでに30曲が演奏されていたが、観客はまだ物足りない様子。自然とダブルアンコールを求める拍手が起き、それに応じるべくメンバーが登場。清春はターコイズブルーのカウボーイハットにジーンズ、人時は黒いパンツに赤いシャツというカジュアルなファッションに衣装替え。清春は「これが最後だからね」と念押しをしながら、「でも実は結構早く終わっちゃってるんだよ。前回のライブより曲数が多いんだけど……」と告白。すると「終電ギリギリまでやって!」という声が客席からあがり、会場が笑いで包まれた。

そのまま清春は「5月にシングルを出します、たぶん」「何も決まってないけど、くくりとして(黒夢を)年末までやろうかと。観に来れるうちに観に来てください」と活動継続する旨を伝える。さらに「昔活動してた頃とか、今までのことを踏みにじるような活動をするので。変わって、変わって、変わり続けます。それが僕らが復活した証なので。でも皆が愛してくれた曲もやっていくんで、安心してください」と宣言した。

その言葉から始まったのは、鋭いカッティングギターで幕を開ける「少年」。丁寧にベースを爪弾く人時、マイクを握り締め感情を込めて歌う清春。先日のシークレットライブで中断されてしまった分を取り戻すように、バンドメンバーも渾身のプレイで魅せる。「MARIA」で憂いを帯びた空気を醸しだした後は、「リハーサルで歌ってて、いろんなことを思い出した曲です」という清春の言葉から「NEEDLESS」。メロディアスなサウンドにあわせて床が揺れると、それに応えるように清春は熱い歌声を聴かせた。

そしてついにライブはクライマックスに。ラストナンバーとして演奏されたのは、2年前の解散ライブでも最後に披露された「Like @ Angel」。まばゆい光に覆われたステージで清春は、自分たちの存在を確かめるように何度も「聴こえますか?」と問いかける。その姿は、この日のステージが彼らにとって新たな始まりであることを物語っているようだった。

演奏が終わると清春と人時は互いに歩み寄り、熱い抱擁を交わす。さらにバンドメンバーとともに一列に並ぶと、オーディエンスに感謝の思いを伝えた。去り際に清春は「ありがとう」とお礼を述べ、人時は「また会おうね」とファンに再会を約束。スクリーンに映し出された2人の顔には笑顔が浮かび、ライブは完全復活を印象づける形でフィナーレを迎えた。

「XXXX THE FAKE STAR」セットリスト

01. BEAMS
02. Spray
03. gossip
04. BARTER
05. masochist organ
06. 『sister』
07. 解凍実験
08. カマキリ
09. MIND BREAKER
10. DRIVE
11. C.Y.HEAD
12. BAD SPEED PLAY
13. REASON OF MYSELF
14. Walkin' on the edge
15. 人時ソロ
16. 優しい悲劇
17. ミザリー
18. Paraphilia
19. MASTURBATING SMILE
20. FASTER BEAT
21. SPOON & CAFFEINE
22. HELLO,CP ISOLATION
23. YA-YA-YA!
24. CANDY
25. ROCK'N'ROLL
26. 後遺症 -aftereffect-
27. Sick
<アンコール>
28. Distraction
29. Suck me!
30. FAKE STAR
<ダブルアンコール>
31. 少年
32. MARIA
33. NEEDLESS
34. Like @ Angel

この記事の画像(全6件)

読者の反応

  • 1

音楽ナタリー @natalie_mu

黒夢復活ライブで34曲熱演「歴史に残る日になってる」 http://natalie.mu/music/news/45680

コメントを読む(1件)

関連商品

リンク

このページは株式会社ナターシャの音楽ナタリー編集部が作成・配信しています。 黒夢 / 清春 / sads の最新情報はリンク先をご覧ください。

音楽ナタリーでは国内アーティストを中心とした最新音楽ニュースを毎日配信!メジャーからインディーズまでリリース情報、ライブレポート、番組情報、コラムなど幅広い情報をお届けします。