Caravan、初Zepp Tokyoで「Luck and Pluck」の旅に幕

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5月3日、東京・Zepp TokyoにてCaravanが全国ツアー「Luck and Pluck TOUR 2010」の最終公演を行った。

この日はアンコールを含め全19曲を演奏したCaravan。当初アンコールは3曲の予定だったが、急遽1曲追加してファンを喜ばせた(撮影:SUSIE)。

この日はアンコールを含め全19曲を演奏したCaravan。当初アンコールは3曲の予定だったが、急遽1曲追加してファンを喜ばせた(撮影:SUSIE)。

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写真は左から堀江博久、高桑圭、Caravan、白根賢一(撮影:SUSIE)。

写真は左から堀江博久、高桑圭、Caravan、白根賢一(撮影:SUSIE)。

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オーディエンスとのコール&レスポンスを楽しむCaravan(撮影:SUSIE)。

オーディエンスとのコール&レスポンスを楽しむCaravan(撮影:SUSIE)。

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アルバム「Luck and Pluck」を携えて行われた今回のツアーには、バンド編成ライブではおなじみの堀江博久(Key,G)、高桑圭(B)、白根賢一(Dr)が帯同。この日も3人は安定感のある演奏でCaravanのパフォーマンスを支えた。

定刻を十数分過ぎた頃、「Fairway」がスピーカーから静かに流れ、大空を映した半透明のスクリーンにCaravanのメッセージが現れる。ツアーで感じた思いをつづった詩的な言葉に、観客は拍手や口笛を鳴らし、ライブへの期待感を募らせていく。そして堀江のキーボードから「Morning Song」が始まると、同時にCaravanのシルエットがスクリーンに浮かび上がり、ライブはドラマチックな形で幕を開けた。

「Morning Song」でしっかりオーディエンスの心をわしづかみにすると、Caravanは「ようこそファイナルです。たくさん来てくれてありがとう。(ツアーが)終わるのが寂しいよ」と語り、前半はアルバム「Luck and Pluck」からの楽曲を続けて披露。堀江、高桑、白根の美しいコーラスと、オーディエンスのハンドクラップが響いた「Music」、堀江の丸みを帯びた鍵盤が華を添えた「Live Your Life」など、アルバムの楽曲に新たな命が吹き込まれていった。

MCでは「この前、大好きなボブ・ディランがZepp Tokyoでライブをやってて、彼が使ったであろうトイレで用を足してライブに臨みました」とユーモアたっぷりに語ったCaravan。「個人的に作った『Luck and Pluck』というアルバムを、この4人で再現したいと思って。(ツアーは)4コの生き物がひとつになっていく感じで楽しかったです」とツアーが充実したものであったことをうかがわせた。

「Seed」で会場をしっとりさせた後は、堀江、高桑、白根の3人が一旦退場。「今ちょうどセルフカバーアルバムを作ってます。そんなこともあって昔の曲を聴き直してるんだけど、(写真の)アルバムを見てるみたいで。そのときできなかったことが見えたり、得たものと失ったものがあったりして。それもいいのかなと思ってます」と語り、「ツアーファイナルなので終わりでもあり、始まりでもある曲を」と「re-birthday」を弾き語りで披露。シンプルなアレンジによって浮き彫りにされたCaravanのメッセージを、オーディエンスは真剣な表情で受け止めた。

続いて堀江をステージに呼び戻し、しばらく2人きりでトークを展開。昨年秋に開催した「The folky smoky revue」について堀江が触れ、「あのツアーは飲酒演奏とかOKでしたからね。お菓子がステージに用意されてたり。でも今日はバシッとやりますよ。ファイナルだから」と語るとCaravanが破顔する一幕もあった。会場の空気が和んだところで、2人はフロアからリクエストのあった「message」を披露。リズム隊の不在が心もとなかったのか、堀江は演奏が終わると「緊張っていうメッセージが届いたかな」とおどけた調子でつぶやいた。

その後、高桑と白根が再び加わり、ドライブ感のある「No reason blues」で後半がスタート。「Simple」では堀江と高桑がオーディエンスとコミュニケーションを楽しむ様子を見せ、「TRIPPIN' LIFE」ではCaravanがコール&レスポンスで会場を盛り上げていく。そして本編のクライマックスを彩ったのは、ミラーボールの演出が目を引いた「Music Save My Life」と、LEDライトが楽曲の躍動感を引き立てた「Beautiful Losers」の2曲。「Music Save My Life」の前には、「音楽やってなかったらどうなってたか。ぶっちゃけ音楽オタクだからね。だからステージに立って、ライトを浴びてるのがときどき自分じゃないみたい……。ただのオタクの引きこもりがこんなにコミュニケーションできるようになりましたっていう曲です」と語り、演奏中に身振り手振りを交えながら自身の思いを伝えていたのが印象的だった。

アンコールではCaravanがお酒を片手にステージに登場。「ひと足先に乾杯!」と口にする表情は、本編を終えた安堵感からかリラックス気味。フロアを見渡して「いいね、いいね!」とうなづくと「Strange Garden」を皮切りに、「FREE BYRD」「Soul Music」を続けて演奏して、場内に開放的な空気を吹き込んだ。「またすぐに会えるように動き続けるんで。みんなも元気で、またいい顔見せて下さい。みんなあったかいね、エネルギーの温泉に入ったみたい」と彼らしい言葉で最後の挨拶をすると、新たな旅立ちを想起させるナンバー「Melody」で10公演におよんだ全国ツアーに幕を下ろした。

なお、Caravanは夏にインディーズ時代の楽曲を含むセルフカバーアルバムをリリースする予定。「Luck and Pluck TOUR 2010」というひとつの旅を終えた彼が、今度はリスナーをどんな音楽旅行に連れて行ってくれるのか楽しみなところだ。

「Luck and Pluck TOUR 2010」東京公演セットリスト

01. Morning Song
02. Luck and Pluck
03. Music
04. Live Your Life
05. ハミングバード
06. Seed
07. re-birthday
08. message
09. No reason blues
10. Simple
11. TRIPPIN' LIFE
12. Freedom Kingdom
13. ほんのすこしだけ
14. Music Save My Life
15. Beautiful Losers
<アンコール>
16. Strange Garden
17. FREE BYRD
18. Soul Music
19. Melody

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音楽ナタリー @natalie_mu

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