土曜日の夜は大にぎわい、ポップの祭典「矢野フェス」で豪華共演続々

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音楽プロデューサーでドラマーの矢野博康がプロデュースするライブイベント「YANO MUSIC FESTIVAL 2018 ~YAONのYANO Fes~」が、6月16日に東京・日比谷野外大音楽堂で開催された。

「YANO MUSIC FESTIVAL 2018 ~YAONのYANO Fes~」エンディングの様子。

「YANO MUSIC FESTIVAL 2018 ~YAONのYANO Fes~」エンディングの様子。

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「YANO MUSIC FESTIVAL 2018 ~YAONのYANO Fes~」の様子。

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矢野と親交の深いアーティストが集う音楽フェスとして2010年にスタートした“矢野フェス”。3年9カ月ぶり5度目の開催となった今回は、堂島孝平NONA REEVES堀込泰行土岐麻子南波志帆といった常連組に加え、2回連続の参加となった坂本真綾Negicco、矢野フェス初出場のEPOさかいゆう寺嶋由芙と、総勢10組のゲストアーティストが集った。また今回は矢野フェス初の野外公演で、前日までぐずついていた天候の行方が懸念されていたが、本番中は一度も雨が降ることなく、開放的な野外ステージで大勢の観客がゆっくりと音楽を楽しんでいた。

矢野博康のアクリルスタンドキーホルダーを「等身大でしょうかねー」と紹介する南波志帆。

矢野博康のアクリルスタンドキーホルダーを「等身大でしょうかねー」と紹介する南波志帆。[拡大]

革ジャン&リーゼントで登場した矢野博康。

革ジャン&リーゼントで登場した矢野博康。[拡大]

開演時間が近付いた頃、毎年アシスタントMCを務める南波が「矢野フェス」と書かれたオレンジ色の法被を羽織ってステージに上がり、まずは会場で販売されたオリジナルグッズを紹介。美麗にキメた矢野の写真が使われたアクリルスタンドキーホルダー、「やのやが一番」「バーンして!」と書かれたうちわ、「矢野音楽祭」と大きくプリントされた手ぬぐい、南波が着用していた法被や矢野の美麗ブロマイドなどをまとめた応援グッズセットなど、振り切ったデザインのグッズが次々と紹介された。そして場内にバイクのエンジンをふかす音が鳴り響いたかと思うと、革ジャンにリーゼントという出で立ちでヘフナーのバイオリンベースを持った矢野がゆっくりとステージへ。矢野のあとを追うように、矢野フェス全編の演奏を務めるバンドメンバーの松江潤(G)、村田シゲ(B / □□□)、小松シゲル(Dr / NONA REEVES)、渡辺シュンスケ(Key / Schroeder-Headz)がスタンバイすると、矢野はやおら「やっちゃえ矢野フェス」と叫び、キャロルのヒットナンバー「ファンキー・モンキー・ベイビー」を熱唱。1975年4月13日に野音で行われたキャロルの解散コンサートを思い起こさせるオープニングアクトで、場内は大いに沸いた。そしてライブは矢野フェス恒例のマイクリレーへ。

坂本真綾からマイクを受け取るNegiccoのNao☆(左から2番目)。

坂本真綾からマイクを受け取るNegiccoのNao☆(左から2番目)。[拡大]

矢野フェスでは毎年、各アーティストが次に登場する出演者の歌を歌いながらステージへと上がる、かつての音楽番組「夜のヒットスタジオ」形式のオープニング演出を取り入れている。矢野はNegiccoの「圧倒的なスタイル」、Negiccoは坂本の「マジックナンバー」、坂本は南波と寺嶋を交えてEPOの「う、ふ、ふ、ふ、」、EPOは自身が土岐に楽曲提供した「Gift ~あなたはマドンナ~」、土岐は堂島の「き、ぜ、つ、し、ちゃ、う」、堂島はノーナの「透明ガール」、ノーナは泰行のキリンジ時代のナンバー「銀砂子のピンボール」、そして最後は泰行本人による「銀砂子のピンボール」と順にメドレーでつないだ。

堀込泰行

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坂本真綾

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“矢野フェス永遠のトップバッター”泰行はそのままステージに残り、一番手としてライブパフォーマンスを披露。泰行はソロナンバー「さよならテディベア」に加え、のん出演のLINEモバイルCMでも話題となったキリンジ時代の人気曲「エイリアンズ」も歌い、冒頭から会場を盛り上げた。続いて登場した坂本は「ハロー、ハロー」「CLEAR」と今年リリースされたシングル2曲を披露したあと、「前回矢野フェスに出演したあと、矢野さんにアレンジをお願いしたり、Negiccoさんに作詞させていただいたり……本当に矢野フェスのおかげで素敵なご縁がつながっています。今年のシングルで楽曲をお願いした方が今日もいらっしゃるので、一緒にその曲をやっていただこうかと」と堂島を呼び込む。アコースティックギターを手に登場した堂島は「僕は1回目から矢野フェスに出ていますけど、ちゃんとしたコラボをやるのは初めてなんですよ。今日はこのご縁を皆さんに観ていただけるので」と笑顔で話し、坂本が作詞、堂島が作曲、矢野が編曲を手がけたシングル「CLEAR」カップリング曲「レコード」で共演した。

独特な語り口で観客と演者を不安にさせた堀込泰行(中央)。

独特な語り口で観客と演者を不安にさせた堀込泰行(中央)。[拡大]

次のブロックでは、寺嶋、南波、Negiccoが続けて登場。寺嶋は90'sテイストあふれるポップス「知らない誰かに抱かれてもいい」、南波は矢野が作編曲を手がけた2012年発表のシングル「少女、ふたたび」、Negiccoは7月20日発売のニューアルバム「MY COLOR」からの新曲「キミはドリーム」と、矢野が楽曲提供した2014年春のシングル「トリプル!WONDERLAND」をそれぞれ生バンドの演奏に乗せて披露した。3組のパフォーマンスが終わると、泰行がうちわを手にふらりとステージに上がり、「ということで、ここからは『堀込泰行のお嬢さんいらっしゃい』!」と突然トークコーナーを始める。あまりにマイペースな泰行の司会進行ぶりに、場内はたびたびどよめきが起きた。

土岐麻子

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「How Beautiful」でデュエットする土岐麻子(右)とさかいゆう(左)。

「How Beautiful」でデュエットする土岐麻子(右)とさかいゆう(左)。[拡大]

続いて登場した土岐は、メドレーでEPOが歌った「Gift ~あなたはマドンナ~」と最新アルバム「SAFARI」からのナンバー「Black Savanna」を歌うと、「私は矢野さんと一緒にCymbalsというバンドでデビューした同期ですけれども、年上の矢野さんにはいつも助けられてここまで来ました。私が中学生のときに初めてバンドのライブを観たのが確か野音で、漠然と『プロになりたいなあ』と思ったのがこの場所です。今回もこの場所まで矢野さんが連れてきてくれました。いい景色を見せてくれてありがとう!」と矢野へ感謝の言葉を述べた。また土岐のステージには、友人の結婚式に出席していたためオープニングのメドレーに参加できなかったさかいが合流。サウンドチェックもその場で行う行き当たりばったりの状態ながら、さかいは結婚式で歌ってきたばかりだと言う「ジャスミン」をマイクチェック代わりに一節歌い、美声で場内を沸かせる。そして2人は、さかいが土岐に提供した2008年の楽曲「How Beautiful」で美しいハーモニーを野音に響かせた。

「音楽のような風」でデュエットするさかいゆう(左)とEPO(右)。

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EPO

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EPOのバックコーラスを務めた寺嶋由芙、土岐麻子、坂本真綾、南波志帆(左から)。

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土岐を握手で見送り1人ステージ中央に残ったさかいは、「愚問だと思いますが……皆さん楽しんでますかー!」と観客に呼びかけ、「比較的有名、とは言えないけどこれ知らなかったらさかいゆうちょっとキツいぜという曲やるぜ!」と宣言して「薔薇とローズ」を熱唱。宵闇迫る場内をソウルフルな空気で満たした。さらにさかいは初共演のEPOを呼び込む。EPOは「『How Beautiful』ってゆうさんの曲だったんですね。私は日本のボーカリストの中で土岐麻子さんは特に好きで、いちファンとしてずっと聴いていたんですけど、中でも『How Beautiful』が大好きで。今日から大ファンになります」とさかいを絶賛。2人は初対面ながらお互い「いい予感がする」と話し、EPOの楽曲「音楽のような風」で予感通りの息の合ったコラボレーションを見せた。今度はEPOが握手でさかいを見送り、矢野からのリクエストを受けたという「キミとボク」を歌い、野音をハッピーなオーラで満たす。次の楽曲では坂本、土岐、南波、寺嶋がコーラスを務めるというぜいたくなコラボが実現。EPOはフジテレビ系バラエティ「オレたちひょうきん族」のエンディングテーマとして約35年前の土曜の夜を盛り上げた「土曜の夜はパラダイス」を、4人の女性コーラスと観客の大合唱に乗せて歌った。

矢野博康とNegiccoをゲストに「ラヴ・アライヴ」を歌うNONA REEVES。

矢野博康とNegiccoをゲストに「ラヴ・アライヴ」を歌うNONA REEVES。[拡大]

西寺郷太(NONA REEVES)

西寺郷太(NONA REEVES)[拡大]

堂島孝平

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ここまでのステージを感慨深い様子で見つめていた矢野は「こういうのはやっぱ、やっていったほうがいいね。音楽、最高ですよね?」としみじみ語り、「ここでまた最高なグループが登場します」とNONA REEVESを紹介。矢野フェスバンドの一員としてオープニングからステージを盛り上げてきた小松のドラムに奥田健介(G)のギターが重なり、四つ打ちのビートに乗せて西寺郷太(Vo)が登場すると、ノーナは最新アルバム「MISSION」からの楽曲「O-V-E-R-H-E-A-T」でライブをスタートさせる。続く「EASYLOVE」にはフィーチャリングゲストの土岐も加わり、「ラヴ・アライヴ」では矢野がパーカッション、Negiccoがコーラスとラップとダンスで盛り上げた。観客にスタンドアップを促し、一気に場内の熱を引き上げたノーナは、トリの堂島へとバトンタッチ。「待ちくたびれたよ! 真綾さんのところから100分待ちました! でも今日は100分待っても乗りたい、そんなアトラクションだと思いたい! 最後だけど歌ってもらえますか!」と絶叫した堂島は、ロックンロールナンバー「ないてんのわらってんの」でたちどころに一体感を作り上げる。「き、ぜ、つ、し、ちゃ、う」ではツインドラムで演奏に参加した矢野が2小節のラップパートを請け負うも、しどろもどろに。矢野フェスならではのピースフルなムードに包まれる中、堂島は「最後は僕にとって大事な大事な1曲を。矢野さんに向けて気持ちを込めて歌います」と「きみのため」を披露し、サビを「矢野のため」と替えてシンガロングを促した。

「YANO MUSIC FESTIVAL 2018 ~YAONのYANO Fes~」終演直後の出演者たち。

「YANO MUSIC FESTIVAL 2018 ~YAONのYANO Fes~」終演直後の出演者たち。[拡大]

最後は矢野が全出演者を呼び込み、EPOが「土曜の夜はパラダイス」と同じく「オレたちひょうきん族」のエンディングテーマとして歌ったシュガー・ベイブの「DOWN TOWN」を全員で合唱。にぎやかな土曜日の夜は大団円を迎えた。

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「YANO MUSIC FESTIVAL 2018 ~YAONのYANO Fes~」
2018年6月16日 日比谷野外大音楽堂 セットリスト

オープニングメドレー

01. 圧倒的なスタイル / 矢野博康
02. マジックナンバー / Negicco
03. う、ふ、ふ、ふ、 / 坂本真綾 with 南波志帆&寺嶋由芙
04. Gift ~あなたはマドンナ~ / EPO
05. き、ぜ、つ、し、ちゃ、う / 土岐麻子
06. 透明ガール / 堂島孝平
07. 銀砂子のピンボール / NONA REEVES
08. 銀砂子のピンボール / 堀込泰行

堀込泰行

01. さよならテディベア
02. エイリアンズ

坂本真綾

01. ハロー、ハロー
02. CLEAR
03. レコード / 坂本真綾&堂島孝平

寺嶋由芙

01. 知らない誰かに抱かれてもいい

南波志帆

01. 少女、ふたたび

Negicco

01. キミはドリーム
02. トリプル!WONDERLAND

土岐麻子

01. Gift ~あなたはマドンナ~
02. Black Savanna
03. How Beautiful / さかいゆう&土岐麻子

さかいゆう

01. 薔薇とローズ
02. 音楽のような風 / さかいゆう&EPO

EPO

01. キミとボク
02. 土曜の夜はパラダイス / EPO&Girls

NONA REEVES

01. O-V-E-R-H-E-A-T
02. EASYLOVE / NONA REEVES&土岐麻子
03. ラヴ・アライヴ / NONA REEVES、矢野博康、Negicco

堂島孝平

01. ないてんのわらってんの
02. き、ぜ、つ、し、ちゃ、う
03. きみのため

エンディング

01. DOWN TOWN / 全出演者

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