米津玄師“居場所”見つけたツアー完遂、武道館で菅田将暉と初共演

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米津玄師が1月9、10日に東京・日本武道館にて単独公演「米津玄師 2018 LIVE / Fogbound」を開催した。この記事では10日公演の模様をレポートする。

米津玄師(撮影:中野敬久)

米津玄師(撮影:中野敬久)

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「米津玄師 2018 LIVE / Fogbound」は米津が4thアルバム「BOOTLEG」を携えて昨年行ったツアー「米津玄師 2017 TOUR / Fogbound」の追加公演として行われ、2日間合計で2万人を動員。ツアー本編と同じく「BOOTLEG」の収録曲を中心としたセットリストでのライブとなったが、豪華なゲスト陣とのパフォーマンスもあり、スペシャルなステージが展開された。

米津玄師(撮影:中野敬久)

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ステージにはドーム状の骨組みに鏡面がところどころにはめ込まれたセットが組まれ、大量のスモークが立ち込める。中島宏士(G)、須藤優(B)、堀正輝(Dr)というおなじみのバンドメンバーたちに続いて登場した米津は、ライブタイトルにもなった楽曲「fogbound」でライブをスタートさせた。両手を大きく広げて「どうも! 米津玄師です! 今日はよろしくお願いします!」と挨拶し、彼は「砂の惑星」を披露。来場者たちは手を掲げ、彼のパフォーマンスを全身で楽しんだ。

米津玄師(撮影:中野敬久)

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2本のアコースティックギターで紡ぐ温かな音色とデジタルなサウンドが絡み合い、独特な高揚感を生み出す「飛燕」をはじめ、米津は「BOOTLEG」の収録曲を立て続けに披露していく。「春雷」や「orion」では床面の映像がドームの鏡面に映され、「かいじゅうのマーチ」では歌詞に登場する“燃えるようなあの夕陽”が照明によって作り上げられるなど、さまざまな演出で楽曲の世界観が演出された。

米津玄師(撮影:中野敬久)

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「元気?」と話し始めた米津は自身最長ツアーの最終公演を迎えたことについて「いろんな人が来てくれるのはありがたいですね。ありがたい1日になったらなと思います」と感慨深げに口にする。そして「もう明日なんてどうでもいいってくらい、人生で一番の盛り上がりを体験したい。体験させてください。付いてきてくれますか!?」と観客を煽り、大歓声が沸き上がる中「LOSER」を披露。曲中にはこの楽曲のミュージックビデオで振り付けを担当した辻本知彦が登場し、師弟共演が実現した。

「ゴーゴー幽霊船」からは「ドーナツホール」や「Nighthawks」など、新旧のロックチューンが続く。「ピースサイン」では米津に続き、観客たちも同じように高らかにピースサインを掲げた。ステージの前方に登場したスクリーンに加藤隆によるアニメーションが上映される中、米津は「love」を熱唱。彼の凛とした力強い歌声が会場を満たすと、大きな拍手が起きた。

左から菅田将暉、米津玄師。(撮影:中野敬久)

左から菅田将暉、米津玄師。(撮影:中野敬久)[拡大]

菅田将暉(撮影:中野敬久)

菅田将暉(撮影:中野敬久)[拡大]

「打上花火」に続いて米津が披露したメロウなR&Bナンバー「Moonlight」では友人のダンサー・菅原小春と共演。艶やかなパフォーマンスで観客を魅了したあと、米津はスペシャルゲストとして「BOOTLEG」収録の「灰色と青」に参加した菅田将暉をステージへと呼び込む。米津は菅田と握手を交わしたあと、「『灰色と青』という曲は彼がいなかったらできなかった曲。今回みたいな大きいステージで、初めて2人で一緒に歌えるなんて……この日のために作ったんじゃないかと」と、しみじみ。一方の菅田は飛び交う声援の中にデビュー作である「仮面ライダーW」での役名があることに気付き、「まさかここでデビュー作の『仮面ライダー』の役名が叫ばれるなんて……」と驚きの表情を見せた。そして2人は「灰色と青」を歌唱。米津は菅田と共に熱量のある歌声のハーモニーを日本武道館に響かせ、本編を締めくくった。

米津玄師(撮影:中野敬久)

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アンコールを受けて再登場した米津は「love」と同じく加藤によるアニメーションと共に「ゆめくいしょうじょ」を届ける。メンバーとゲストを紹介したあと、11月から始まったこのツアーを振り返り、「長かった気もするし、一瞬だった気もする。いろんな人たちが来てくれて、いろんな人たちの顔や声、いろんなものが自分の中に確かに残っている感じがある。それでまた新しい自分になっていくんだろうなっていう予感があって……最終的にはありがてえなという気持ち、それしかないです」と感謝の気持ちを述べた。さらに自分1人と観客大多数とで向き合うのではなく、1対1で向き合いたいという思いを強く語り、「あなたが聴いてくれることによって自分の音楽が完成します。ほんの少しでもいいから自分の音楽を通して、あなたの心の中に居場所が欲しい。子供の頃から『ここにいていいんだろうか』っていう気持ちがあって、ずっと悶々としている自分がいて。それで音楽を作るようになって、今日ここにみんなが来てくれている。これは少なからずみんなの中に米津玄師の居場所があるということ。こんなにうれしいことはない。こんなに音楽をやってきてよかったなと思うことはない。だからこれからも誰も聴いたことがないような、自分にしか作ることができない音楽を作ることによって……あなたとおしゃべりがしたい。そういう気持ちが今ものすごく強くあります。今日は本当に来てくれてありがとうございました」と話した。来場者にたっぷりと思いを伝えた米津は「Neighbourhood」を歌唱。最後に「アンビリーバーズ」を披露し、ツアーの幕を下ろした。

米津は明日1月12日(金)から始まるTBS系ドラマ「アンナチュラル」の主題歌を担当。新曲「Lemon」がどのような曲になっているのか、気になる人は放送をチェックしよう。

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米津玄師「米津玄師 2018 LIVE / Fogbound」2018年1月10日 日本武道館 セットリスト

01. fogbound
02. 砂の惑星
03. ナンバーナイン
04. 飛燕
05. 春雷
06. かいじゅうのマーチ
07. アイネクライネ
08. orion
09. LOSER
10. ゴーゴー幽霊船
11. アリス(※中国語が正式表記)
12. ドーナツホール
13. ピースサイン
14. Nighthawks
15. love
16. 打上花火
17. Moonlight
18. 灰色と青
<アンコール>
19. ゆめくいしょうじょ
20. Neighbourhood
21. アンビリーバーズ

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@zen0602

【ライブレポート】米津玄師“居場所”見つけたツアー完遂、武道館で菅田将暉と初共演(写真9枚) - 音楽ナタリー https://t.co/gxpFBfVrk2
レポの写真が!将暉くんと米津さんを出会わせた中野さんだ!!

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