「僕たちの旅はまだ続きます」吉田山田、イブの夜のツアーファイナルで目標宣言

吉田山田の全国ツアー「吉田山田ツアー2017」の最終公演が、12月24日に大阪・森ノ宮ピロティホールで行われた。

9月からアコースティックセットとバンドセットの2つの形態で展開されてきた「吉田山田ツアー2017」。最終日の公演は4人のサポートメンバーを迎えたバンドセットでのライブが行われ、最新アルバム「変身」の収録曲を中心に計20曲が届けられた。

開演時間を迎え、定位置に付いた吉田山田の2人。客席を見つめ、しっかりと間を取った後、吉田結威（G, Vo）によるフランツ・カフカ「変身」の朗読から始まる「HENSHIN」でライブをスタートさせた。山田義孝（Vo）が「ツアーファイナル、いくぞ大阪！」と叫んでから披露された「街」では自然と手拍子が起こり、山田はステージ上で軽やかなステップを踏みながら情感豊かな歌声を会場内に響かせる。「浮遊」では吉田と山田の歌声が重なり合い、心地よいハーモニーで観客を魅了した。

MCに入り、吉田がこの日の会場名にちなんで「ピロってるかー？」と呼びかけると、客席からは「イエーイ！」と盛大な歓声が上がる。ライブを再開させる前に「自分の親に対する気持ちを100％込めた歌を歌うことが人生の課題です」と話した山田は、「まだまだ言葉にできない思いがたくさんあるんだけど、この曲に今のすべてを込めました」と続け、家族への思いをつづった楽曲「宝物」を歌唱。オーディエンスは吉田と山田の歌声にじっと耳を傾けていた。

ライブ中盤、突然「魔法を使っちゃおうかなあ」と切り出した吉田は、あたかも魔法の杖を手にするかのように指揮棒を手にし、バンドメンバーに向けて指揮棒を振り始める。彼はバンドメンバーが繰り出す演奏に合わせ、山下達郎の「クリスマス・イブ」を熱唱するも、山田に制止されて吉田山田のクリスマスソング「Snowin'」の演奏へと切り替える。演奏中には鈴の音が会場内に響き渡り、オーディエンスはクリスマスムードを楽しんでいた。

「しっこ」の歌唱前には、ツアー初日に笑いが起こってしまったため「しっこ」の演奏を中断したという話を切り出し、楽曲の制作者である山田は「小学校6年生までおねしょをしていたという、僕のドキュメンタリーなんです。ちゃんと思いが込められた曲なんです」と熱弁。曲中では「しっこ」と言い合うコール＆レスポンスも繰り広げられ、ツアーファイナルでは演奏を中断することなく2人はこの曲を歌い切った。「しっこ」で勢い付いたあとに、彼らは「未来」「YES!!!」といったアップチューンを連投。「イッパツ」では吉田が「全員でいくぞ！」と雄叫びを上げ、盛大なシンガロングが巻き起こった。

会場内が熱気に包まれる中、山田はオーディエンスに向けて「嫌な部分も全部ライブに持ってきてください。嫌なものの中にある素敵な部分を僕が教えてあげたいから。ライブが終わる頃には全部ひっくり返してあげる」と語り始める。さらに彼が「だからまた会いに来てください。ライブハウスに、ホールに、武道館に、アリーナに、ドームに。会いに来てください！」と吉田山田としての目標を明かすと、客席からは2人を応援するかのような拍手と歓声が巻き起こった。本編の最後には「最後の曲に思いを込めて、皆さんに1曲贈りたいと思います」と言う言葉と共に「守人」を歌唱。アウトロで2人がゆっくりとステージを去ると、会場内は彼らを称える拍手の音であふれた。

本編が終わるとアンコールの代わりにオーディエンスによる「約束のマーチ」の大合唱が巻き起こる。歌声に導かれるように再度ステージに登場した吉田山田の2人は、吉田の爪弾くギターの音に合わせて代表曲「日々」を演奏。さらに工藤静香への提供曲「針」のセルフカバーを届けた彼らは「次の歌は今日一番大きな声で歌います。あなたにも大きな声で歌ってほしい」と呼びかけて、「魔法のような」で盛大な大合唱を会場内に響かせた。この日、最後に届けられたのは「約束のマーチ」。曲中、山田は「僕たちの旅はまだまだ続きます。この曲は今日のラストソングだけど、あなたと次に会うライブのイントロです。いつまでもお元気で」と客席に声をかけ「吉田山田ツアー2017」をフィナーレに導いた。