sumika、名古屋の観客と“目を見て約束”した「Familia」ホールツアー最終公演

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sumikaが昨日11月24日に愛知・名古屋国際会議場センチュリーホールでツアー「『Familia』Release Tour -ファイナルシリーズ-」の最終公演を開催した。

sumika「『Familia』Release Tour -ファイナルシリーズ-」最終公演の様子。(撮影:ヤオタケシ)

sumika「『Familia』Release Tour -ファイナルシリーズ-」最終公演の様子。(撮影:ヤオタケシ)

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Familia(通常盤)

sumika「Familia(通常盤)」
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「『Familia』Release Tour -ファイナルシリーズ-」は彼らが7月に発売した1stフルアルバム「Familia」を携えて行われたツアーの追加公演。東京・東京国際フォーラム ホールA、大阪・フェスティバルホール、そして名古屋国際会議場センチュリーホールの3会場で、バンドにとって初めてのホールツアーが実施された。各会場のステージにはソファやランプといったsumikaらしい温かなセットと、家をモチーフにした大きなビジョンが設置された。

向き合ってギターを奏でる黒田隼之介(左 / G, Cho)と片岡健太(右 / Vo, G)。(撮影:後藤壮太郎)

向き合ってギターを奏でる黒田隼之介(左 / G, Cho)と片岡健太(右 / Vo, G)。(撮影:後藤壮太郎)[拡大]

最終公演で片岡健太(Vo, G)、荒井智之(Dr, Cho)、黒田隼之介(G, Cho)、小川貴之(Key, Cho)、そしてゲストメンバーの井嶋啓介(B)は満員の観客の前に現れると「Familia」のオープニングナンバー「Answer」でライブを開始。さらに「Lovers」「カルチャーショッカー」「ソーダ」と人気曲を畳み掛け、オーディエンスのテンションを引き上げる。「ひさしぶりの曲をやってもいいですか?」という片岡の言葉から届けられた「FUN」でフロアが大いに盛り上がると、黒田はさらに「今までで一番おめでたい日にしたいと思ってるんですが、力を貸してもらえますか?」と問いかける。ここでバンドは袖にいるゲストメンバー・George(Manipulator / MOP of HEAD)による和楽器のサウンドに乗せて、「1.2.3..4.5.6」を威勢よく披露した。

片岡健太(Vo, G)(撮影:ヤオタケシ)

片岡健太(Vo, G)(撮影:ヤオタケシ)[拡大]

ライブ中盤には、「Familia」収録曲が続くブロックが用意された。遊び心満載のファンクチューン「KOKYU」とアーバンな「Summer Vacation」では片岡がハンドマイクでオーディエンスを見つめながらじっくりと歌唱。彼が再びギターを抱えた「アネモネ」ではステージに設置されたランプのみが光り、部屋のような空間演出に。続く「まいった」では片岡、黒田、小川の熱のこもったコーラスワークが響き、場内をエモーショナルな空気が満たしていた。

初のフルアルバムのリリースツアーファイナル、そして初のホールツアーのファイナルというメモリアルな1日となったセンチュリーホール公演。そんな会場とオーディエンスに向けて、片岡が愛を込めて「センチュリー!!」と叫んだシーンを経て、彼の「せっかくホールツアーなので、座ってみましょうか」という提案から、総立ちだった観客は着席。そこからは「Amber」「ここから見える景色」が温かなアンサンブルで演奏され、オーディエンスを魅了した。そんな観客のほぐれた表情を見た片岡は「とてもホクホクした気持ちになっています。ホールでやってよかったな。座ってる皆さんの顔がよく見えます。ふへへへへ」とうれしそうに笑い、荒井から「大丈夫!?(笑)」と突っ込まれる場面も。片岡は「変質者みたいになっちゃった(笑)。俺まで和らいじゃった」と温かな笑顔を浮かべていた。

sumika「『Familia』Release Tour -ファイナルシリーズ-」最終公演の様子。(撮影:ヤオタケシ)

sumika「『Familia』Release Tour -ファイナルシリーズ-」最終公演の様子。(撮影:ヤオタケシ)[拡大]

このツアーの各地で“打ち上げで食べたほうがいいもの”のアンケートを取ってきたというsumika。このツアー最後のアンケートにより、この日の打ち上げでの食事が見事「味噌煮込みうどん」に決まったところで、観客は再度スタンドアップ。バンドがゆったりとした空気をガラッと変えるべく、季節外れのサマーチューン「マイリッチサマーブルース」を演奏すると、フロアにはファンによるカラフルなタオル回しの光景が広がった。「皆さんの起こしたものすごい風は、晴れていたセンチュリーホールを曇り空に変え、その雲はやがて雷を連れてきました」と片岡が前置きすると、5人はエッジィな「イナヅマ」を勢いよくドロップ。続いて「ライブ後半、ちょっと疲れた体に回復の魔法をかけていいですか?」という片岡の呼びかけから演奏された「ふっかつのじゅもん」でフロアの熱はさらに加速し、メンバーと観客による盛大なコールが上がっていた。

本編ラストナンバーを前に片岡は「決して順風満帆ではなかった」というバンドのこれまでを振り返ったのち、観客に向け「あなたが泥だらけでも傷だらけでも抱きしめて、雨から守る扉を閉めて、あなたを“住処”に迎え入れます。盾にはなるけど、檻にはならない。あなた自身が歩いて行けるなと思ったそのときは、その扉を開けて心の底から祝福をしよう。そして、いつでも戻ってくればいい」と呼びかける。さらに「約束っていうのは目を見てするものでしょう。目を見て約束をするために、ここ名古屋に、あなたのところにたどり着きました。これを言うために『Familia』っていう作品を作って、旅をしてきました」と言葉を重ねると、フロアから大きな拍手が起こった。そして5人は「Door」を演奏し、本編を締めくくった。

手をつないで大ジャンプするsumika。(撮影:後藤壮太郎)

手をつないで大ジャンプするsumika。(撮影:後藤壮太郎)[拡大]

アンコールを受けてステージに登場したsumikaは、後ろを振り返った片岡の「人生で一番いいライブにしましょう」という肉声により気合を注入し、アンコール一発目として華やかな「MAGIC」をドロップ。小川が弾く跳ねるピアノや荒井の叩く軽快なビートが、フロアにハッピーな空気感をもたらした。片岡はこの日最後の楽曲を残し「あー、寂しい。ツアー終わりたくない」とつぶやき、「一生続けたいけど、どうやったってバンドは必ず終わります。一生やるっていうことに嘘はないけど、このバンドが終わってしまうときは、死んでしまうときです。明日が来る保証なんてないけど、僕は一生、あなたの帰ってくる場所を守ります。あなたの命が続く限りは一生頼ってください。一生側にいますから」とコメント。さらにsumikaのことを親身に思って活動に関わってくれたスタッフの一切合切を“家族”だと思ってると言及し、「だからその家族で、嘘を付かないで、あなたの目を見て約束したいんです。ステージ上にいるメンバーだけじゃなくて、スタッフチーム、声だけでもいいから聞かせてもらってもいいですか? やれますか!?」と片岡が問いかけると、袖のスタッフたちから大きな「ウオー!!」の声が上がった。「嘘じゃないんだよ!!」と熱く語りかけた彼は「次の曲はあなたと共に歌いたい! 頼ってもいいですか?」とフロアに呼びかけ、バンドは「『伝言歌』」を演奏。曲中にはメンバーとファンの大きな合唱がホールを包み込んだ。片岡はライブ終了後「縁起でもないかもしれないけど、ホントに、今日で人生が終わってもいいと思ってしまうほど、すごい景色をこちらから見させてもらいました。語彙力がないから……今心に思ってる気持ちに一番近い言葉を」と話し、肉声で「愛してまーす!!」と叫んでいた。

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sumika「『Familia』Release Tour -ファイナルシリーズ-」2017年11月24日 名古屋国際会議場センチュリーホール セットリスト

01. Answer
02. Lovers
03. カルチャーショッカー
04. ソーダ
05. FUN
06. 1.2.3..4.5.6
07. KOKYU
08. Summer Vacation
09. アネモネ
10. まいった
11. Amber
12. ここから見える景色
13. マイリッチサマーブルース
14. イナヅマ
15. ふっかつのじゅもん
16. アイデンティティ
17. Door
<アンコール>
18. MAGIC
19. 「伝言歌」

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このライターさんだいすきすぎる。

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