tricot、熱狂「3」ツアーファイナルで“4人のtricot”に

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tricotが11月15日に東京・Zepp DiverCity TOKYOにてライブツアー「tricot VS 47」の最終公演を開催した。

tricot「【LIVE TIPS】tricot VS 47 Tour Final presented by WOWOW」の様子。(撮影:半田“H.and.A”安政[Showcase])

tricot「【LIVE TIPS】tricot VS 47 Tour Final presented by WOWOW」の様子。(撮影:半田“H.and.A”安政[Showcase])

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このツアーは彼女たちが5月に発売した3rdアルバム「3」を携えて、5月末にスタートさせたもの。バンドは東京以外の46都道府県およびヨーロッパツアーを経て、この日、東京にてツアーファイナルを行った。

中嶋イッキュウ(Vo, G)(撮影:半田“H.and.A”安政[Showcase])

中嶋イッキュウ(Vo, G)(撮影:半田“H.and.A”安政[Showcase])[拡大]

バンドはサポートドラマーの吉田雄介のパワフルなドラミングで勢い付けると、中嶋イッキュウ(Vo, G)が「東京ー!!」と声を上げ、アルバム1曲目「TOKYO VAMPIRE HOTEL」でライブの口火を切る。さらに中嶋のボーカルと、キダモティフォ(G, Cho)とヒロミ・ヒロヒロ(B, Cho)による厚みのあるコーラスが絶妙に絡み合う「WABI-SABI」、浮遊感あふれる展開が印象的な「18,19」といったアルバム収録曲が次々と演奏された。中嶋の「アルバム出してからだいぶ時間が経ったので聴き込む時間あったと思うんで歌えるかテストしてもいいですか?」と煽りを受けてサビパートでファンのシンガロングが発生した「よそいき」ののちは「DeDeDe」「スキマ」と中嶋の艶やかなボーカルが場内をしっとりと彩った。

キダモティフォ(G, Cho)(撮影:半田“H.and.A”安政[Showcase])

キダモティフォ(G, Cho)(撮影:半田“H.and.A”安政[Showcase])[拡大]

MCでキダが同ツアーがおよそ1カ月ぶりということで「エキシビジョンみたいな感じ」と言うと、中嶋は「この半年間くらいすごい形相でしたよ。羽伸ばしながら演奏できてます」とリラックスムードであることを話しつつも、一方で「(ツアーが)今日で終わってしまうのがさみしい」とも明かした。

ヒロミ・ヒロヒロ(B, Cho)(撮影:半田“H.and.A”安政[Showcase])

ヒロミ・ヒロヒロ(B, Cho)(撮影:半田“H.and.A”安政[Showcase])[拡大]

中盤には今回のツアー各地で用意されていたリクエストコーナーへ。中嶋は「ここにいる誰かの大事な曲だと思うので、一生懸命歌わせてもらいます」と真摯に話すと、息を大きく吸って「artsick」を丁寧に届ける。さらにイントロのドラムで歓声が上がった「あーあ」から「E」「おもてなし」「POOL」と彼女たちはエッジーなナンバーを連投。激しく動き回りながら迫真のプレイを見せると、フロアにはクラウドサーファーが続出し、場内はさらなる熱気に包まれた。リクエスト曲7曲を畳みかけたのち、中嶋は「シンプルにすごく楽しいです!」と声を弾ませ「『この曲好きな人いるんや』と思いながらする演奏は自分がやりたい演奏とはまた違ってすごくうれしいです」と笑顔を見せる。続けて「とは言いつつも『3』もすごく好きで。大好きな曲ばかり増えました」を最新作への自信ものぞかせた。そしてその自信を体現するように「pork side」「ポークジンジャー」「南無」と再びアルバム曲を続ける。お経が流れてから始まった「南無」では中嶋が「皆さん、叫び足りてますか?」と囁き、「特に理由はないんですがみんなで叫んだら楽しいと思うんですよ」と声を上げると、叫ぶパートにあわせて会場内に多くの叫び声が発生した。さらにサンバパートが用意されている「庭」では、このツアー各所で登場したというキャラクター“3さん”がステージに。打楽器を手にした中嶋とヒロミの繰り出すサンバのリズムにあわせてダンスをして盛り上げたのち、そっとステージ袖へはけていく演出で会場を笑いと熱狂で包んだ。

「庭」での和やかなムードを一蹴するように中嶋が「47都道府県すべていいツアーだったので、そこに絶対に負けない今日にしたいと思います! たった1日ですけど、力貸してください! かかってこいよ!」と絶叫し、ライブはラストスパートへ。ヒロミはフロア最前列の柵まで進み、キダは一層激しく動き回りながらプレイする。そして彼女たちは「節約家」で本編を終えた。

「Laststep」演奏時の様子。(撮影:半田“H.and.A”安政[Showcase])

「Laststep」演奏時の様子。(撮影:半田“H.and.A”安政[Showcase])[拡大]

吉田雄介(Dr)(撮影:半田“H.and.A”安政[Showcase])

吉田雄介(Dr)(撮影:半田“H.and.A”安政[Showcase])[拡大]

アンコールでは中嶋、キダ、ヒロミの3人がステージに。アコースティック編成で「Laststep」を静かに演奏する。演奏が終わると中嶋が同曲はtricotを結成して最初に作った曲であること、そして「この3人で演奏するのは最後になります」と告白。ざわつくファンに向けて、サポートドラマーの吉田を正式メンバーとして迎え入れたことを発表した。中嶋は新メンバーを迎えるまでの苦労を語り「4人になるうれしさと3人で守ってきたものが変わっていくさみしさみたいなものがある」と胸のうちを明かしつつも、「遅くなりましたが、これから吉田さんと4人でtricotとしてやっていこうと思ってます」「これからもみんなにtricotを好きになってもらえるようになってもらえるようにがんばります。よろしくお願いします」とファンに宣言。フロアからは歓迎と祝福の大きな拍手が送られた。その後、バンドは4人で作ったという新曲「ブームに乗って」と、アルバムのラストナンバー「メロンソーダ」を演奏。「メロンソーダ」では中嶋、キダ、ヒロミがドラムのほうを向き4人が顔を見合わせてプレイするひと幕も見られた。曲が終わると4人は心ゆくまで楽器をかき鳴らし、一斉に音を止めると、4人でお辞儀をしてステージをあとにした。

なおこの公演の模様は、12月26日(火)にWOWOWライブにて放送される。番組ではライブ映像のほか、舞台裏やインタビューも楽しむことができる。

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tricot「【LIVE TIPS】tricot VS 47 Tour Final presented by WOWOW」
2017年11月15日 Zepp DiverCity TOKYO セットリスト

01. TOKYO VAMPIRE HOTEL
02. WABI-SABI
03. 18,19
04. よそいき
05. DeDeDe
06. スキマ
07. エコー
08. artsick
09. あーあ
10. E
11. おもてなし
12. POOL
13. 飛べ
14. 爆裂パニエさん
15. pork side
16. ポークジンジャー
17. 南無
18. 庭
19. 99.974℃
20. 節約家
<アンコール>
21. Laststep
22. ブームに乗って(※新曲)
23. メロンソーダ

WOWOWライブ「LIVE TIPS #1 tricot」

2017年12月26日(火)21:00~22:30

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ホタテ ギターズ @hotate_guitars

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