夢で逢えたぜ!銀杏BOYZ、3時間全力で駆け抜けた日本武道館公演

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銀杏BOYZが昨日10月13日にキャリア初の東京・日本武道館単独公演「日本の銀杏好きの集まり」を開催。約3時間のライブで21曲を披露した。

峯田和伸(Vo, G)(撮影:村井香)

峯田和伸(Vo, G)(撮影:村井香)

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「恋とロックの3部作」と称して「エンジェルベイビー」「骨」「恋は永遠」というシングルを、7月から3カ月連続でリリースした銀杏BOYZ。そんな彼が初めて行う日本武道館でのワンマンライブのチケットはソールドアウトし、会場には約1万人の“銀杏好き”が集まった。開演時刻ちょうどに会場が暗転すると、過去の銀杏BOYZのライブで収録されたファンの映像が上映される。彼らがどんな思いで銀杏BOYZのライブに足を運んだのか、銀杏BOYZのどんなところが好きなのかなどを語る様子やもみくちゃになりながら歌う姿などに続いて、この日のライブタイトルがスクリーンに映し出されると客席から大歓声が上がった。

銀杏BOYZの東京・日本武道館単独公演「日本の銀杏好きの集まり」の様子。(撮影:村井香)

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山本幹宗(G)、藤原寛(B, Cho / AL)、岡山健二(Dr/ classicus)、加藤綾太(G / 2)というサポートメンバーに続いてステージに現れた峯田和伸(Vo, G)は「hello my friend、そこにいるんだろ」と「エンジェルベイビー」の歌詞の一節を使ってファンに呼びかけ、そのまま「エンジェルベイビー」でライブをスタートさせる。みずみずしいロックサウンドに会場が大いに沸く中、銀杏BOYZは「まだ見ぬ明日に」をたたみかけていった。峯田は「2017年10月13日金曜日、今日だけは銀杏BOYZがこの国を背負って、日本国旗のもと、歌わせてもらいます」と宣言し、GOING STEADY時代から歌ってきたナンバー「若者たち」に突入。すぐさま観客のシンガロングが巻き起こり、客席は急激に熱を帯びていった。

峯田和伸(Vo, G)(撮影:村井香)

峯田和伸(Vo, G)(撮影:村井香)[拡大]

大合唱が起きた「駆け抜けて性春」が終わると、峯田は1997年11月にGOING STEADYとして、今はなき東京・高円寺GEARにて初ライブを行ったことを感慨深げに話す。そしてこれまでの活動をフルマラソンに例え、全力で走っては倒れ、また走っては倒れと、ほかの走者に抜かされながらも駆け抜けてきた銀杏BOYZの“走り様”をMCで振り返った。彼は「生まれてきてよかったと思った日はないけど、生きててよかったなと思う日はあって。今日みたいな日です」と話したあと、メンバーに「いつも通りのうちらでやるべな」とアイコンタクトを送り「べろちゅー」を歌唱。安藤裕子への提供曲「骨」のセルフカバーは軽やかなバンドアレンジで演奏された。

銀杏BOYZの東京・日本武道館単独公演「日本の銀杏好きの集まり」の様子。(撮影:村井香)

銀杏BOYZの東京・日本武道館単独公演「日本の銀杏好きの集まり」の様子。(撮影:村井香)[拡大]

「円光」やクリープハイプのカバー「二十九、三十」といった「恋とロックの3部作」のカップリング曲を披露したあと、峯田は「日本武道館、今日ここは僕の部屋です。同時にあなたの部屋でもあります」と切り出す。ライブができなかった時期に自室のカーテンを見つめながら頭を抱えていたこと、そんな自分と同じように“ひとりぼっち”だった人たちがこの“部屋”に集まっていること、そしてこんな光景をずっと夢見ていたことを明かし、「夢で逢えたぜ!」と目を輝かせて「夢で逢えたら」に突入していく。大合唱が巻き起こった「夢で逢えたら」から間髪入れずに届けられた「ナイトライダー」ではやわらかなメロディと美しいコーラスワークが日本武道館を満たした。

銀杏BOYZの東京・日本武道館単独公演「日本の銀杏好きの集まり」の様子。(撮影:村井香)

銀杏BOYZの東京・日本武道館単独公演「日本の銀杏好きの集まり」の様子。(撮影:村井香)[拡大]

銀杏BOYZの東京・日本武道館単独公演「日本の銀杏好きの集まり」の様子。(撮影:村井香)

銀杏BOYZの東京・日本武道館単独公演「日本の銀杏好きの集まり」の様子。(撮影:村井香)[拡大]

加藤が鳴らす耳をつんざくようなギターサウンドから始まったのは「トラッシュ」。ひさしぶりに披露されたこの楽曲に観客は熱狂した様子で、轟音にまみれながら拳を突き上げ「ベイビーベイビー!」と大声で歌った。マイクスタンドにもたれかかり放心状態の峯田だったが、ようやくマイクを手に取ると次の曲を始める前に「ちょっとしゃべっていい?」と突然メンバーを制す。そして「(昔のライブで)幸せになったら銀杏BOYZのライブに来なくていいって言ったけど、でも考えてみたら彼女もいなくて仕事もなくて孤独だっていう悲しさと、仕事もあって恋人もいてもうじき子供も生まれて満たされているはずなのにどうしても湧き上がってくる悲しさとむなしさ、比べるものじゃないけど果たしてどっちがキツいんでしょうか。今年で40になりますけどまったく満たされない。多少お金も入ってきましけど、でも全然満たされない。これは20歳のときからずっと変わらない。だから歌っていくしかないと思うんです」「“恋の呪文 唱えないでよ”なんて、こんなご時世で何歌ってんだ。もっと愛だの平和だのを歌うべきなんですよ。でも俺が歌いてえのは、こういうときだからこういう歌なんですよ」と力強く語り、「I DON'T WANNA DIE FOREVER」へ。メンバーの演奏に乗せて、峯田はステージ上を転げ回りながら熱唱した。

ブランコに揺られる峯田和伸(Vo, G)。(撮影:村井香)

ブランコに揺られる峯田和伸(Vo, G)。(撮影:村井香)[拡大]

「BABY BABY」を歌う前に峯田は「村井くん(村井守)、あびちゃん(安孫子真哉)、チンくん(チン中村)、浅井くん(浅井威雄)、斎藤正樹、どうもありがとう」と辞めていったバンドメンバーや元マネージャーに感謝。「この曲(『BABY BABY』)を作って、下北沢のスタジオで俺が披露したとき、村井くんは涙目になって『すごい曲持ってきたねー』って言って。あのときのメンバーの姿が頭に焼き付いていて、今でもこの曲を歌うときには過去のメンバーたちが後ろにいる気がする」「この曲を今日も歌いたいと思います。幸せです。あと何回歌えるんかなあ」と話した。そんなMCに続いて披露された「BABY BABY」はこの日一番の盛り上がりに。峯田が歌詞に登場する“月面のブランコ”を思わせる、ステージ上手に置かれた真っ白なブランコに乗って歌う一幕もあった。

銀杏BOYZの東京・日本武道館単独公演「日本の銀杏好きの集まり」の様子。(撮影:村井香)

銀杏BOYZの東京・日本武道館単独公演「日本の銀杏好きの集まり」の様子。(撮影:村井香)[拡大]

満天の星空のような照明がステージ上空を彩る中「新訳 銀河鉄道の夜」を歌った峯田は「今回で味を占めてしまったのでまた来年武道館でやります」と突然宣言。「ごめん、俺だけで決められない」とすぐに撤回するも「ウェンブリーアリーナとか国立競技場でもやりたい。銀杏BOYZというロックバンドはこれからもいっぱい曲を作って、来年あたりまたCDを作ってライブをやりたいです」と野望を語る。そして全身全霊を込めて「光」を絶唱し、壮絶なステージングで観客を圧倒。最後は「NO FUTURE NO CRY」「僕たちは世界を変えることができない」の2曲を披露してステージを下りた。

銀杏BOYZの東京・日本武道館単独公演「日本の銀杏好きの集まり」の様子。(撮影:村井香)

銀杏BOYZの東京・日本武道館単独公演「日本の銀杏好きの集まり」の様子。(撮影:村井香)[拡大]

鳴り止まない拍手と「やるなら今しかねーべ!」というアンコールに応えて再びステージに現れた峯田はギター弾き語りで「人間」を披露。その後、バンドメンバーも再びステージに姿を現すと、「ぽあだむ」を歌った。日本武道館公演のラストを飾ったのは「もしも君が泣くならば」。峯田は息を切らしながら歌い続け、最後はステージに倒れ込んだ。すべての演目を終え、彼はRCサクセション「スローバラード」が流れる中、よろよろと舞台袖へと歩いていった。

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銀杏BOYZ「日本の銀杏好きの集まり」2017年10月13日 日本武道館 セットリスト

01. エンジェルベイビー
02. まだ見ぬ明日に
03. 若者たち
04. 駆け抜けて性春
05. べろちゅー
06. 骨
07. 円光
08. 二十九、三十
09. 夢で逢えたら
10. ナイトライダー
11. トラッシュ
12. I DON'T WANNA DIE FOREVER
13. 恋は永遠
14. BABY BABY
15. 新訳 銀河鉄道の夜
16. 光
17. NO FUTURE NO CRY
18. 僕たちは世界を変えることができない
<アンコール>
19. 人間
20. ぽあだむ
21. もしも君が泣くならば

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てれびのスキマ/戸部田 誠 @u5u

峯田「今でもこの曲を歌うときには過去のメンバーたちが後ろにいる気がする」「この曲を今日も歌いたいと思います。幸せです。あと何回歌えるんかなあ」/【ライブレポート】夢で逢えたぜ!銀杏BOYZ、3時間全力で駆け抜けた日本武道館公演 https://t.co/tYrviQIJZw

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