「今日はいい日です」KICK THE CAN CREW、武道館で盟友たちと復活祭

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KICK THE CAN CREWが昨日9月7日に東京・日本武道館にてライブイベント「復活祭」を開催した。

アンコールで一堂に会した「復活祭」出演者たち。

アンコールで一堂に会した「復活祭」出演者たち。

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「全員集合」をパフォーマンスするKICK THE CAN CREW。

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この夏は「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017」や「SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2017」に出演し、8月30日には14年ぶりとなるオリジナルアルバム「KICK!」を発表するなど完全復活にふさわしい活動を展開してきた彼ら。この日の「復活祭」は3人の現役ぶりをアピールすると共に、仲間からの愛されぶりを証明する充実した公演となった。

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場内が暗転するや否や、タキシードに身を包みシルクハットを被った正装の3人がせり上がりながら登場した。待ち焦がれたオーディエンスに呼びかけるように、3人はオープニングナンバーとして「全員集合」をパフォーマンス。曲が終わるとメンバーは「KREVAです!」「LITTLEです!」「MCUです!」「3人合わせてKICK THE CAN CREWです!」というPerfumeを真似た挨拶で会場を沸かせた。そして「復活の大舞台で粗相があってはならない」という理由から、ゲストアーティストでもあるいとうせいこうを司会として呼び込んだ。いとうせいこうは「今日は盛りだくさんなんで、ずっと盛り上がっててください!」と煽り、KICKの3人と共にRHYMESTERを紹介した。

RHYMESTER

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現れるなり宇多丸は「本格再始動おめでとうございます!」、Mummy-Dは「KICK THE CAN CREW is back!」と叫ぶ。Funky Grammarの先輩でもある彼らは、自分たちが活動休止明けに発表したナンバーである「ONCE AGAIN」を後輩に捧げるように熱演。さらに自己紹介をするように「ライムスターイズインザハウス」を披露したり、宇多丸とMummy-Dがアカペラによるラップで貫禄を見せつけたりしてオーディエンスを惹き付けた。そして、宇多丸の「日本武道館から次の未来が生まれるかもしれないだろ?」という言葉から、最新曲「Future Is Born feat. mabanua」がスタート。希望に満ちたナンバーを届け、さっそうとステージを去っていった。

藤井隆

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続く藤井隆はKICKのメンバー同様にタキシード姿で登場。ヒット曲「ナンダカンダ」のリミックスバージョン「ナンダカンダ [HyperJuice REMIX]」をキレのあるダンスと共にパフォーマンスし、「一緒に楽しんでもいいですか?」と観客同様にはしゃいだ様子を見せた。カラフルなレーザーが飛び交う中で始まったメドレーの最後では、宇多丸を招き「Quiet Dance feat. 宇多丸(RHYMESTER)」をコラボ。藤井は宇多丸との絶妙なコラボレーションで、“アーティスト藤井隆”としての魅力を観客に印象付けた。

「マイク2本」をパフォーマンスするMCU(左)といとうせいこう。

「マイク2本」をパフォーマンスするMCU(左)といとうせいこう。[拡大]

中盤ではいとうせいこうが一時的に司会の役を解かれ、いちラッパーとしてのステージを展開。彼が30年前に初めて日本語ラップを披露したライブに足を運んでいたDJ TATSUTAを相棒に、「東京ブロンクス」「ヒップホップの初期衝動」の2曲を堂々とパフォーマンスした。さらに、DJ TATSUTAの同級生であり、同じく30年前にいとうせいこうのライブに行っていたというMCUを呼び込み「マイク2本」へ。2人はスリリングな掛け合いを見せたかと思えば、肩を組み声を重ねるなど、息の合ったコラボを繰り広げた。

倖田來未

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紅一点である倖田來未は、体のラインを強調するセクシーな衣装に身を包み、ダンサー6人を引き連れてステージに登場した。彼女はまず、炎が飛び交う中で激しく踊りながら「Ultraviolet」を情熱的に歌い上げる。その後も、ド派手かつ華やかなステージで観客を圧倒していく。MCでは「私、アウェイな感じじゃない?」と言いながらも、KICKとの出会いと彼らへの憧れを語り、エネルギッシュなダンスチューンやポップなパーティチューンを間髪入れずに叩き込んだ。

「神輿ロッカーズ feat. RHYMESTER」パフォーマンス中のKICK THE CAN CREWとRHYMESTER。

「神輿ロッカーズ feat. RHYMESTER」パフォーマンス中のKICK THE CAN CREWとRHYMESTER。[拡大]

主役であるKICKは、それぞれ「KICK!」という文字をあしらった衣装に着替えてステージに姿を見せた。熱烈な拍手を浴びた彼らが届けたのは「千%」。今のKICKの決意を表明したかのようなリリックを力強くラップし、続けてミュージックビデオの映像をバックに「スーパーオリジナル」を熱演した。その直後のMCでKREVAは、「いろんな人に祝ってもらえるとうれしいよね。そこで見せるべきは、『あいつらやるな』ってところだと思うんだよね」と明言。そして絶妙な掛け合いを聴かせる、高難易度のサマーチューン「SummerSpot」になだれ込んだ。

藤井隆の変顔がラストを飾った「神輿ロッカーズ feat. RHYMESTER」。

藤井隆の変顔がラストを飾った「神輿ロッカーズ feat. RHYMESTER」。[拡大]

観客の手拍子に乗せて、3人はマイクリレーを繰り広げていく。軽妙なパフォーマンスを観客は体を揺らしながら楽しみ、曲のクライマックスでKREVAが「できたー!」とガッツポーズを決めると大きな拍手を送った。山場が過ぎたとばかりにKREVAとMCUが「もういいでしょ」とステージを降りていくそぶりを見せると、LITTLEが「まだ何も終わっちゃいない!」とストップをかける。そこから「イツナロウバ」がスタートし、「sayonara sayonara」「アンバランス」とヒット曲が続く流れに。さらに「神輿ロッカーズ feat. RHYMESTER」ではRHYMESTERが加わり、会場をお祭り状態に。2組は炎が立ち上る中、威勢のいいラップでオーディエンスを煽りまくる。ラストでは藤井隆も合流し、キレのある動きと変顔で会場を盛り上げた。RHYMESTERと藤井の後押しを受けた3人は、本編のクライマックスを「地球ブルース~337~」と「マルシェ」で彩った。

熱気が冷めぬまま突入したアンコールで3人は、それぞれファンへの感謝の思いを口にする。LITTLEは「我々KICK THE CAN CREW、もう1回3人でガッツリやっていこうと思うんですが……3人だけじゃなくみんなも一緒にガッツリやっていきたいと思うんですが、いかがですか?」と精力的に活動をしていくことを宣言。そして「今日はいい日です」と感慨深かそうに口にした。そして3人は「復活祭」の最後をしっとりした「I Hope You Miss Me a Little」で彩り、歌い終えるとゲストアーティストたちを招き手をつないで挨拶。万雷の拍手が響く中、KREVAの「またツアーで会いましょう」というファンと再会を約束する言葉で「復活祭」は幕を下ろした。

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KICK THE CAN CREW「復活祭」2017年9月7日 日本武道館 セットリスト

KICK THE CAN CREW

01. 全員集合

RHYMESTER

01. ONCE AGAIN
02. ライムスターイズインザハウス
03. Back & Forth
04. Future Is Born

藤井隆

01. ナンダカンダ [HyperJuice REMIX]
02. OH MY JULIET! [DJ KAORI REMIX] ~わたしの青い空 [tofubeats REMIX] ~Quiet Dance feat. 宇多丸(RHYMESTER
03. 未確認飛行体 [ikkubaru REMIX]

いとうせいこう

01. 東京ブロンクス
02. ヒップホップの初期衝動
03. マイク2本

倖田來未

01. Ultraviolet
02. UNIVERSE
03. XXX
04. Hurricane ~ Money In My Bag
05. LIT
06. LOADED feat. Sean Paul
07. Poppin' love cocktail feat. TEEDA

KICK THE CAN CREW

01. 千%
02. スーパーオリジナル
03. SummerSpot
04. イツナロウバ
05. sayonara sayonara
06. アンバランス
07. 神輿ロッカーズ feat. RHYMESTER
08. 地球ブルース~337~
09. マルシェ
<アンコール>
10. I Hope You Miss Me a Little

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撮影:岸田哲平、中河原理英

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九条ゼロレンヂ @ZerOraNgEx09th

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