音楽ナタリー

SPYAIR、豪雨の富士急で1万5000人と「絶対忘れないライブ」完遂

10805

「JUST LIKE THIS 2017」の様子。

「JUST LIKE THIS 2017」の様子。

SPYAIRの恒例野外ライブ「JUST LIKE THIS 2017」が、昨日7月29日に山梨・富士急ハイランドコニファーフォレストにて行われた。

今年、富士急ハイランドで3回目の開催を迎えた「JUST LIKE THIS」。チケットはソールドアウトし、あいにくの空模様の中で会場に詰めかけた1万5000人のファンは雨具やタオルをまといながら開演を待った。

開演時刻を迎えると、客席の左右からメンバーが二手に分かれてトロッコに乗って登場し、オーディエンスを驚かせる。トロッコはそのまま会場後方のサブステージへ到着し、4人はバンドのエンブレムをあしらったフラッグを手に花道をメインステージへ進む。4人の後には鎧姿の戦士たちが続き、今回のテーマ「ROCK KINGDOM」にふさわしい演出で会場を盛り上げた。

ステージに立った4人が最初に披露したのは、今回のライブのテーマ曲でもある「THE WORLD IS MINE」。ダイナミックなサウンドが雨雲を吹き飛ばすように響き渡り、オーディエンスは一斉に腕を挙げる。「LIAR」を熱唱したIKE(Vo)は「ようこそ、SPYAIRのライブへ!」と1万5000人に挨拶し、そのまま「イマジネーション」「GLORY」を連発。4人は笑顔でそれぞれの音を奏で、このライブを全力で楽しんでいる様子を見せた。

IKEは空を見上げて「ほんとにいい天気ですね!(笑)」と叫んで観客を笑わせる。「一時はどうなるかと思いましたが、最後の最後まで何があっても一緒にやり遂げましょう!」という彼の言葉に続いては「COME IN SUMMER」。ステージ上には女性ダンサーたちが登場し、オーディエンスと一体になった振り付けで楽しませる。KENTA(Dr)が刻むダンサブルなリズムと柔らかなメロディが絡み合う「Blowing」では、UZ(G)とMOMIKEN(B)も花道へ進み出た。

UZのヘヴィなギターで幕を開けた「ファイアスターター」からは「RAGE OF DUST」につなげ、IKEの力強いボーカルとハードなロックサウンドを響かせる。「Come on」では熱の入ったミディアムチューンをじっくりと聴かせた。さらにサポートメンバーのtasuku(G)と高藤大樹(Key)が穏やかなイントロを奏でた「No where, Now here」、壮大なバラードナンバー「Be with」が雨の会場に美しく響き渡り、オーディエンスはうっとりと聴き入った。

そして恒例の“SPYAIRのアコースティックカバーユニット”「キャンプファイヤー」のコーナーへ。雨が降るセンターステージで、本番直前にここにテントを建てるかどうかをスタッフと協議したというUZは「でも(自分たちは)濡れたい、と」と、ファンと同じ環境を選択したことを明かして歓声を浴びた。「もしかしたら雨で楽器の音が出なくなるかもしれないんで(笑)、そのときはみんなで歌ってください」と語った彼らは「I want a place」を“カバー”。その後は「もうキャンプファイヤーの皆さんは帰ったので……(笑)」とIKEが語り、UZと2人で「Stand by me」を披露。シンプルな編成で、楽曲の世界をストレートに届けた。

続いてはSPYAIRの4人とサポートの2人が「ファッション」と「マッスル」の2チームに分かれ、それぞれのどちらが人生にとって必要なのか対決する映像が流れる。各チームのリーダーを務めるIKEとUZがマイクを握り、始まった曲は「BRING IT ON ~Battle of Rap~」。スタイリッシュなスーツ姿のIKE、MOMIKEN、高藤と上半身裸のUZ、KENTA、tasukuという対象的な姿に、オーディエンスからは大歓声が上がった。その後「ROCKIN' OUT」ではダンサーを従え、「THIS IS HOW WE ROCK」の前にはUZ、MOMIKEN、KENTAがパーカッションを叩き、さらに戦士たちが掲げる松明に照らされたIKEが熱唱するなど、ド派手な演出で後半戦を盛り上げていった。

後半でますます雨脚は強まるが、メンバーは物ともせずずぶ濡れになりながら何度も花道へと飛び出していく。オーディエンスも彼らの熱演に応えて力強く腕を上げ続けた。終盤では「ジャパニケーション」「サムライハート(Some Like It Hot!!)」など、キラーチューンを連発。IKEのマイクやイヤーモニターが雨の影響で故障するトラブルに見舞われつつも、4人は最後まで全力のライブを展開した。

最後のMCでIKEは「雨が降っても、意外とライブってできるんだね」と笑顔を見せ、「絶対忘れないライブを一緒に作れてる気がします。俺らは毎年全力でやって、しっかりこの『JUST LIKE THIS』を守り続けたいと思います。来年も遊びに来てくれますか?」とファンに呼びかけ、大きな歓声を浴びた。「こんな雨の中だけど、ずっと音を鳴らし続けていたい。そんな気持ちを次の曲に込めて歌います」という言葉に続いて披露されたのは「JUST LIKE THIS」。本編最後は「現状ディストラクション」のアグレッシブなサウンドで締めくくられた。

アンコールではドラマ「ウツボカズラの夢」の主題歌であるニューシングル「MIDNIGHT」をライブ初披露する。ジャジーなピアノの音色が彩る、シリアスで色っぽい雰囲気のこの曲で、彼らの新たな境地をアピールした。そして今年1月のアリーナツアー「SPYAIR ARENA TOUR 2016-2017『真冬の大サーカス』」ファイナル公演で、アンコールの曲を決めるじゃんけん大会で敗北したUZが「『JUST LIKE THIS』でやります!(笑)」と勝手に宣言した「My Friend」へ。温かみにあふれたこの曲を、観客も合唱や手拍子で楽しんだ。

ラストナンバーに入る前、IKEは「みんなに報告があります。俺たちSPYAIR、5枚目のアルバム作りました! アルバムタイトルは『KINGDOM』!」と新作のリリースを発表し、ファンを大喜びさせた。「やっと大切な人の前で堂々と『アルバムできたよ』って言えるときが来ました。みんな楽しみにしててね」という言葉のあと、「JUST LIKE THIS 2017」を締めくくる曲「SINGING」を披露。演奏が終わると夜空には花火が打ち上がり、ライブのエンディングを彩った。終演後、ステージ上のLEDビジョンではニューアルバムの発売日、さらに全国ツアーの開催が告知され、ファンをどよめかせた。

終演後、取材に応えたメンバー4人はそれぞれこの日のライブの感想を語った。IKEは「雨、強かったね!」とファンを思いやり、UZは「思い出に残るライブになりました!」と笑顔で振り返る。KENTAは「記録より記憶に残る、最高の景色を見れました」と充実した表情を見せ、MOMIKENは「俺らの夏祭りは、雨が降ったってやるんだぜ!」と、雨にも負けなかったバンドの強靭さを改めてアピールしていた。

SPYAIRは8月30日に、この日初披露した「MIDNIGHT」をシングルリリース。ニューアルバム「KINGDOM」は10月11日にリリースし、2018年1月より全国ツアーを行う。

SPYAIR「JUST LIKE THIS 2017」2017年7月29日 富士急ハイランドコニファーフォレスト セットリスト

01. THE WORLD IS MINE
02. LIAR
03. イマジネーション
04. GLORY
05. COME IN SUMMER
06. Blowing
07. ファイアスターター
08. RAGE OF DUST
09. Come on
10. No where, Now here
11. Be with
12. I want a place
13. Stand by me
14. BRING IT ON ~Battle of Rap~
15. ROCKIN' OUT
16. Turning Point
17. THIS IS HOW WE ROCK
18. JUST ONE LIFE
19. ジャパニケーション
20. サムライハート(Some Like It Hot!!)
21. JUST LIKE THIS
22. 現状ディストラクション
<アンコール>
23. MIDNIGHT
24. My Friend
25. SINGING

撮影:鳥居洋介 / 三浦知也 / 中島未来

音楽ナタリーをフォロー