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藤岡みなみ&ザ・モローンズ、魅せる視覚演出と不思議なコールで彩った東京ワンマン

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藤岡みなみ&ザ・モローンズ

藤岡みなみ&ザ・モローンズ

6月14日、藤岡みなみ&ザ・モローンズのワンマンライブ「2016年、確信」が東京・渋谷CLUB QUATTROで開催された。

定刻、人気曲「脱水少女」でライブの幕を開けた藤岡みなみ(Vo, G)、ヒロヒロヤ(Key, Syn B)、ネロ(G)、片パッド(サポートDr)は、2曲目「ド忘れ in the night」で早速ゲストを投入。この曲のミュージックビデオにも出演したジャンプスーツ姿の女性が、MV同様、藤岡の「♪全部忘れた」の歌声に合わせて、往年のロックの名盤のパロディジャケットを掲げては捨てるパフォーマンスを披露してバンドと共にフロアを盛り上げる。そんな彼女を「MVでは死んだ表情で助演女優賞級の演技をしてたのに、今日はなんかニヤニヤしてた」「次、ニヤニヤしたらクビ」とイジったバンドは、ヒロヒロヤのオルガンソロが光るアッパーチューン「ウインク・キラー」でまたもオーディエンスをアゲると、その彼らと「伯方の!」「塩!」と繰り返す、なんとも不思議なコール&レスポンスののちMCタイムをスタートさせた。

そして6月10日の大阪のイベントに「電車はロックじゃない」「高速道路はロックじゃない」との理由から、1人一般道で大阪に向かったというネロが「大阪は遠かった……。帰り、何日かかるんだろうと思った」とボヤけば、藤岡が「だから今日はちゃんと4人集まれてよかったです」と胸をなで下ろす、やはり不思議なトークを繰り広げた面々は、センチメンタルな「キャノットレコード」や、藤岡がヒロヒロヤのエレピ1本をバックに歌い出す「もしかして:」とメロウなナンバーでライブ中盤のセットリストを構成。さらに「それでそれで?」ではまたも趣向を凝らした演出が。「もしかして:」のアウトロ中に藤岡が姿を消すと、入れ替わるようにパジャマ姿の女性が白く大きなボールで顔を隠しながら登場。「それでそれで?」を歌う藤岡の声がQUATTROじゅうに流れる中、そのボールに彼女や彼女の愛猫の顔が投影され、誰もがその女性が藤岡本人なのだと思い込んでいたところに“ご本人”が改めてステージへと飛び込んできて、フロアを驚きと笑いで包み込んだ。

「それでそれで?」の演出とオーディエンスの反応に「イエーイ! ダマされた?」と喜色満面の藤岡は、ライブが後半に差し掛かったばかりにもかかわらず「『次が最後の曲です』って言ったらどうなるだろう?」「みんなが『ワオッ!』って返してくれたら面白い」と、フロアと「次が最後の曲です」「ワオッ!」というコール&レスポンスを繰り広げたのち、自身のホームタウン、東京・高円寺の純情商店街を歌った「純情ブルース」や、ロックンロールナンバー「スリーコードの大冒険」などをバンドと連投。本当にライブ終盤が近付くと、今度は名残惜しそうに「ここからグダグダしゃべろうか」と笑いつつ、タイトル通り物語の終わりを描く「end roll」を歌い上げ、「次が“本当に”最後の曲です」「ワオッ!」の声と共にダンスチューン「どうすりゃいいぜ」を投下する。その途中、ギターソロ、シンセベースソロ、オルガンソロ、ドラムソロを回すエモーショナルな演奏でフロアを踊らせて、バンドはステージをあとにした。

「昔、アンコールに呼ばれて出てきたのに『あると思うな、アンコール!』って言って帰っちゃったことあって……。それが今も心の傷になっている」と語る藤岡と、ザ・モローンズは、ライブ本編直後に巻き起こったアンコールに即座に反応。ほとんど間を置くことなくステージに舞い戻り、エモーショナルな「デロリアンで待ってて」と、ジェントルな「世界の名前」をプレイして改めて舞台袖へと歩を進めるも、なぜか再びステージに復帰する。そして「ハケる方向を間違えちゃった」という藤岡の苦笑いと「というわけで、ありがとうございました!」の声と共にライブを締めくくった。

藤岡みなみ&ザ・モローンズ「2016年、確信」
2016年6月14日 渋谷CLUB QUATTRO セットリスト

01. 脱水少女
02. ド忘れ in the night
03. 10万年
04. ウインク・キラー
05. キャノットレコード
06. CITY GIRL
07. もしかして:
08. それでそれで?
09. 純情ブルース
10. 休前日 is the best
11. おねがい徒歩圏内
12. スリーコードの大冒険
13. end roll
14. 色々
15. どうすりゃいいぜ
<アンコール>
16. デロリアンで待ってて
17. 世界の名前

撮影:勝永裕介

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