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N'夙川BOYS、再会誓ってしばしの別れ「本当に9年間支えてくれてありがとう」

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「BANDがしたい!」を演奏するN'夙川BOYS。左からマーヤLOVE、シンノスケBOYs、リンダdada。(Photo by YURI)

「BANDがしたい!」を演奏するN'夙川BOYS。左からマーヤLOVE、シンノスケBOYs、リンダdada。(Photo by YURI)

無期限の活動休止に入ることを発表したN'夙川BOYSが、ワンマンライブ「N'夙川BOYS Farewell Party『39』」を大阪と東京で開催。2月27日に行われた東京・恵比寿ガーデンホール公演が彼らにとって休止前最後のステージとなった。

ライブが始まると3人は、沸き上がる声援の中で「How many Japanese」「プラネットマジック」「Freedom」を次々に披露。9年間のバンド活動のすべてをぶつけるような荒々しい歌と演奏で観客を圧倒し、マーヤLOVEは「今から1000年くらい消えねえもんを見せてやるよ」と気合いと自信に満ちた言葉を吐いた。なお、ライブのタイトル「39」は「3人で9年間」という意味と「Thank you」をかけたもの。彼らはそのタイトル通り、長らくバンドを支えてくれたファンに向けて感謝の気持ちを込めて力いっぱいロックンロールを響かせた。

その後も、「最初はサンプラーだけで作ったらレコード会社から『まじめに作ってください』と怒られた曲」と制作の裏側を明かしつつBeastie Boys風の決めポーズで熱唱した「ミッドナイトエンジェル」や、マーヤLOVEとシンノスケBOYsがギターを背中に回して弾いてから2人で一斉にフロアにダイブした「アダムとイブがそっと」などで会場は興奮に包まれていく。「Theシーン」ではマーヤLOVEが「1人で歌い上げたい気持ちもあるけど、みんなが歌えるならみんなで歌いたいね」と提案。「わかんねえ歌詞は勘で付いてこい!」という彼の煽りを受けてフロアは大合唱が沸き起こった。マーヤLOVEは持っていたマイクを床に投げ捨て、曲が終わるまでほとんど歌わずに、ステージを跳ね回りながらうれしそうにオーディエンスの合唱を聴いていた。

あまりのステージパフォーマンスの激しさから「やり場所を間違えるとライブが止まる曲」だという「フェアリー」は、直前の大阪公演で3回連続で演奏した記録を塗り替えるべく、バンド結成以来初めて4回連続で演奏するとマーヤLOVEが宣言。全力で大暴れしたマーヤLOVEは右手をぶつけて流血しながらも、4回連続「フェアリー」を完遂した。マーヤLOVEは右手の怪我について「これは怪我のうちに入らない」と言ったのち、「そんなことよりショックなことがあって。実は1曲目でジャンプしたときにギターに当たって、去年作り直したばかりの前歯の入れ歯がへし折れました」と残念そうに語った。

「BANDがしたい!」では、ギターを弾くシンノスケBOYsをはさむようにリンダdada、マーヤLOVEがドラムを叩きながら熱唱。マーヤLOVEは広い会場を埋め尽くす観客を眺めて「ここでやるって聞いたとき、絶対埋まらないと思ったけど、そんなことなかったですね。ありがとう」「みんなに『勇気をもらってる』ってよく言われるけど逆やで。俺らが勇気をもらってんねんで。この拍手に何度助けられたか」と感謝の言葉を口にした。その後リンダdadaは、基本的にステージ上ではまったくしゃべらないシンノスケBOYsに「みんなになんか伝えたいことある?」と質問。マイクを受け取ったシンノスケBOYsは、少し溜めたあとで口を開き、饒舌に話し始めた。

シンノスケBOYsはバンドの活動休止について「我々は決して仲が悪くなったわけではございません。むしろ今、バンドの仲は絶好調です! とはいえ、いつ解散してもおかしくないギリギリの崖っぷちを9年間全力で走ってきたので、ここでちょっと休憩することにしました」と説明。観客から上がる「待ってるよ!」という声援に、彼は「休止中はそれぞれが人として魅力的になるように時間を使いましょう、また3人でできるときは最高にカッコいい状態で集まりましょうと3人で話してます。ビッカビカ磨き上げて帰ってこれるようにがんばるので、お待ちください」とファンとの再会を誓った。

メンバーそれぞれが名残惜しげにしながらスタートした本編最後の曲は「物語はちと?不安定」。マーヤLOVEは歌いながら「物語はちと不安定だけど、負けんなロックンローラー!」と観客に発破をかける。シンノスケBOYsはステージ脇のスピーカーによじ登ってギターを掻き鳴らし、演奏したままフロアでクラウドサーフ。マーヤLOVEは観客の上に立って「この光景は一生忘れねえ」「本当に9年間支えてくれてありがとう。世界中どこに行っても、こんなにガッチリ支えてくれるロックンローラーがたくさんいる場所ないぜ?」と感極まりながら語った。

メンバーがステージから去ると、フロアから「夙川BOYS! ファイト! オー! ファイト! オー!」というアンコールを求める掛け声が発生。メンバーが再び登場するとマーヤLOVEが「こういう掛け声ができたってことは俺たちも本物だね」「手は切れるし、前歯おかしくなるし、喉ガラガラで体も動かなくなってきたけど、そんなん聞いたらやるっしょ! 立てなくてもなんべんでも立つわ!」とファンの掛け声に対して感謝の気持ちを述べた。アンコールで披露されたのは、N'夙川BOYSとして最初に作った曲だという「死神DANCE」。シンノスケBOYsの爆音ギターが空気を振るわせる中、すでにボロボロな状態のマーヤLOVEが、ゆっくりと力強く声を張り上げる。演奏が終了すると、会場にThe Vaselinesの「Jesus Wants Me For A Sunbeam」が流れる中、3人は観客に手を振りながら笑顔で退場。約2時間半におよぶ渾身のライブは幕を閉じた。

「N'夙川BOYS Farewell Party『39』」2016年2月27日 東京都 恵比寿ガーデンホール セットリスト

01. How many Japanese
02. プラネットマジック
03. Freedom
04. 24hour
05. マジシャン
06. HERO IN BOY
07. 路地裏BE-BOP
08. Kill 夢 ドライブ
09. ミッドナイトエンジェル
10. シャンソン
11. アダムとイブがそっと
12. Theシーン
13. メロディー
14. フェアリー
15. Candy People
16. BANDがしたい!
17. 物語はちと?不安定
<アンコール>
18. 死神DANCE

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