BACK LIFT、初の東京ワンマンで「これからも高く飛ぶ」

BACK LIFTが2月21日に東京・TSUTAYA O-WESTにて全国ツアー「"Fly High" Tour」の最終公演を開催した。

このツアーは彼らが最新ミニアルバム「Fly High」を携えて昨年10月から行っていたもの。ツアーファイナルのこの日は、バンドにとって初めての東京でのワンマンライブとなった。

小林'KICHIKU'辰也（Vo, B）、深谷'YU-PON'雄基（G, Cho）、都築'HEAVIN'史生（Dr, Cho）の3人はステージに登場すると互いに向き合い、一斉に音を鳴らす。その音に負けじとKICHIKUが「『"Fly High" Tour』29本目、ツアーファイナルワンマン、始めようぜ！」と声を張り上げ、バンドはショートチューン「Clear」でライブの口火を切った。そのまま3人は「HUNGRY」「FREELY」と性急なパンクナンバーで一気に場内の温度を引き上げていく。KICHIKUはモッシュやクラウドサーフ、シンガロングで盛り上がるフロアを見て「ええ感じやな」と笑顔を見せた。

10曲を駆け抜けひと息つくと、KICHIKUが、この日メンバーの家族や親戚が名古屋から駆けつけていることを明かす。そして「家族の歌を歌うから、いつも以上に明るく歌ってや」とファンに呼びかけ、バンドは「LIVING ROOM」の演奏へ。KICHIKUがイントロのベースラインを奏でると、客席からは自然と大きなシンガロングが発生し、感動的なムードが広がった。「my dream, your dream」では重厚なビートに乗せて、KICHIKUが拳を握りしめて力強くシャウト。続く「MY PRECIOUS LIFE」ではYU-PONのメランコリックなギターフレーズから一気にテンポを加速させるなど、3人の熱のこもったプレイにファンは一層熱狂した。

HEAVINによるドラムソロを挟んで始まった後半戦ではKICHIKUの熱い思いが炸裂する。彼は「GREEN GARDEN」の1フレーズを弾き語りで歌い上げると、「あのときから見てきた景色はめっちゃ変わったし、いろんなことがあったけど、乗り越えて乗り越えて、ここまできた。弱い自分がちょっとでも強くなれますように」とつぶやいて演奏を再開。さらに3人はKICHIKUの熱い言葉を挟みながら「sepia」「This is myself」をエモーショナルにプレイしていく。

「morning」の演奏前にはKICHIKUが「今からやる曲はツアーで一番育ったし、みんなに育ててもらった」「この曲ができたから『Fly High』がある」と曲への思いを語る。そしてバンドはラップのように日本語詞乗せた同曲をリズミカルに演奏していった。さらにKICHIKUは「このツアー、思い返せば助けてもらってばっかりで。楽な道のりじゃなかったけど、なんとか戦ってここまでこれてほんまによかったと思ってます」とツアーを振り返る。加えて「正直、心ない言葉をかけられたり目にすることもある。でもツアーを回ってみると、みんなあったかい言葉をかけてくれる。そういう人を信じるべきやと思った。歌い続けることで少しでも何か返せたら」とファンへの思いを述べ、ミニアルバムになぞらえ「俺たちは高く飛ぶ途中。このワンマンが終わったらもっと高く飛べると信じてる。家族、友達、仲間、今フロアにいるみんなと一緒にこれからも飛んでいきたい」と宣言。そしてバンドはアルバムの最後を飾る「Fly」で本編を終えた。

アンコールでは「Start Engine」が場内に流れる中メンバーが再びステージに登場。音源通り、曲が終わると同時にバンドは「You will be happy」をプレイし、観客の興奮を煽っていった。「手紙のような曲」だという「from me to you」をしっとりと届けたあと、KICHIKUは「俺たちは不器用でうまく伝えられんかもしれんけど、それでも伝えたいことがあって。みんなに出会えたことは俺たちにとってすげーデカいものでした！」と思いを語る。そしてバンドは穏やかな表情で「THE MEMORY MAKES ME SMILE」をプレイ。曲にあわせてハンドクラップが発生すると、KICHIKUは「ありがとう」と破顔した。

さらにダブルアンコールに応えた3人は最後に「俺らこんなことあんまやらんけど……」と照れながらも手をつないでお辞儀。大きな歓声に包まれる中、達成感に満ちた表情で初の東京でのワンマンライブ、そして「"Fly High" Tour」の幕を下ろした。