クリープハイプ“わすれもの”見つけるツアーで「結局また忘れるんだろうなあ」

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クリープハイプが1月21日に東京・赤坂BLITZで全国ツアー「わすれもの~つま先はその先へ~2016」の東京公演を実施した。

クリープハイプ「全国ライブハウスツアー『わすれもの~つま先はその先へ~2016』」東京・赤坂BLITZ公演の様子。(撮影:神藤剛)

クリープハイプ「全国ライブハウスツアー『わすれもの~つま先はその先へ~2016』」東京・赤坂BLITZ公演の様子。(撮影:神藤剛)

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尾崎世界観(Vo, G)(撮影:神藤剛)

尾崎世界観(Vo, G)(撮影:神藤剛)[拡大]

このツアーは2012年発売のメジャー1stアルバム「死ぬまで一生愛されてると思ってたよ」のリリースツアーで彼らが回った北海道・COLONY、宮城・PARK SQUARE、東京・赤坂BLITZ、愛知・池下CLUB UPSET、大阪・Shangri-La、広島・CAVE-BE、福岡・grafの7会場で行われたもの。ツアーの発表時、尾崎世界観(Vo, G)は「あの頃は良かったよなとか生温い事言いたくないとは思っていても、ついつい思ってしまうから、だったらいっその事、あの頃に戻ってみようと思いました。今が一番だと思う為に」「初めてのワンマンツアー。もう一度やって、バンドもお客さんも、わすれものが見つかれば良いなと思ってやります」とコメントしていた。

東京公演では尾崎の影アナから新曲(タイトル未定)が場内に流れたのち、スポットライトを浴びながらメンバーが登場。尾崎は「何年前かなあ、あのときは足が震えてどうしようもなかったけど、今は2本足でしっかり立ってます。(赤坂BLITZに)出たくてしょうがなかったけど、全然ちっちゃいね、ここ」と話し笑みを浮かべる。そして「愛の標識」でライブを始めた彼らは、「NE-TAXI」「左耳」「リバーシブルー」を続けてオーディエンスをヒートアップさせた。尾崎は客席の盛り上がりについて「なんかこう硬さがあるんだよ。新聞屋に招待券もらってサーカス観に来た感じというか……なんか(硬くならないための)いい方法があるはずなんだよなあ」と漏らし、観客からブーイングを浴びる。すると小川幸慈(G)は自身を指差し、ステージ前方でアグレッシブにギターをかき鳴らした。小川の煽りによって「ABCDC」でオーディエンスが大いに盛り上がると、尾崎は「いいね!」と満足そうに笑顔を見せた。

クリープハイプ「全国ライブハウスツアー『わすれもの~つま先はその先へ~2016』」東京・赤坂BLITZ公演の様子。(撮影:神藤剛)

クリープハイプ「全国ライブハウスツアー『わすれもの~つま先はその先へ~2016』」東京・赤坂BLITZ公演の様子。(撮影:神藤剛)[拡大]

「おやすみ泣き声、さよなら歌姫」のあと、尾崎は「ちょっと最初のMC、調子に乗りすぎたなって思いながら演奏してたら最後の4小節歌い忘れちゃった」と笑う。その後「あのときには出せなかった言葉を、少しでも届けられたらいいなと思って歌います」と語った尾崎は、「二十九、三十」でゆったりとしたサウンドに優しく声を乗せていった。彼が「昔は『今日は家族が来てるから言うなよ』って言ってたけど、もう家族も慣れました! 好きなだけ言ってください! いきますか!」と声を上げると「HE IS MINE」が演奏され、ファンは「セックスしよう!」と大きなコールを響かせた。

長谷川カオナシ(B)(撮影:神藤剛)

長谷川カオナシ(B)(撮影:神藤剛)[拡大]

MCでは尾崎が、モバイル会員用の会報「クリープ配布」の題字を毎回父親に書いてもらっているが、父親とケンカ中だということを明かす。するとファンは声をそろえて客席にいる父親に題字を書くように頼み込んだ。続けて長谷川カオナシ(B)も「これ、絶対書いてもらわなきゃいけないんですよね、急がなきゃいけないし、取りに行かなきゃいけないし……!」としどろもどろになりながら題字の件について説明すると、観客は「かわいいー!」と黄色い声を上げる。その様子を見た尾崎は「かわいくねえよ! 俺はライブの構成とか、どうやったら盛り上がるかとかもちゃんと考えてるのにさ、ちょっと出てきてしどろもどろになったらかわいいって言われて」とユーモアを交えながらもふてくされた様子を見せた。当の長谷川は「普通の仕事してたらありえないですからね。社会に適合してないからこうなって、かわいいって言ってもらってるわけで……ちゃんと生きてください、皆さんは」とエールを送り、客席に笑いを起こした。

小泉拓(Dr)(撮影:神藤剛)

小泉拓(Dr)(撮影:神藤剛)[拡大]

バンドはその後疾走感のある「リグレット」、小川のギターカッティングと長谷川のベースラインが印象的に響いた「蜂蜜と風呂場」、4人が向かい合い息ぴったりのアンサンブルを紡いだ「SHE IS FINE」を連投しフロアを熱くさせる。尾崎はこのツアーについて「もう1回やりたいなあと思って、メジャーデビューしてから初めてやったツアーと同じ場所を回ってるんだけど、結局また(このときの気持ちを)忘れるんだろうなあと思いました。でも忘れないんだったらライブなんてやらないと思うし、曲だって作んないだろうし、これからも都合よく忘れていこうと思っています。いいことだけ覚えていきたいなと思っています」と語る。さらに「いっぱい昔の曲を歌えてうれしかったです。知らない曲もあると思うけど大事にしてほしいな」とファンに呼びかけたあと、スポットライトに照らされ「イノチミジカシコイセヨオトメ」をギターを鳴らしながら歌い始めた。メンバー3人のサウンドが加わると演奏は加速し、小川と長谷川はステージ前方で熱いプレイを繰り出した。本編最後の「手と手」では小泉拓(Dr)が繰り出すタイトなビートに乗せて、尾崎が早口で言葉を放っていく。彼は「ありがとう」と観客に感謝を述べ、ギターを高く掲げた。

クリープハイプ「全国ライブハウスツアー『わすれもの~つま先はその先へ~2016』」東京・赤坂BLITZ公演の様子。(撮影:神藤剛)

クリープハイプ「全国ライブハウスツアー『わすれもの~つま先はその先へ~2016』」東京・赤坂BLITZ公演の様子。(撮影:神藤剛)[拡大]

アンコールで尾崎は「もうタイムカード押してきたんで好きにしゃべってもいいですよ」と客席に呼びかけ、ファンやメンバーとラフに会話を繰り広げた。また3月にニューシングル(タイトル未定)を発売することを告げると、オーディエンスは歓喜の声を上げる。そしてバンドは今作の収録曲であり、開演前に尾崎が流した新曲(タイトル未定)を披露した。ラストナンバー「わすれもの」では、メンバーそれぞれがアグレッシブな演奏で観客を魅了。尾崎は去り際に両手で投げキッスを飛ばし、ファンの歓声を浴びた。

なお全国ツアー「わすれもの~つま先はその先へ~2016」は1月26日に行われた愛知・池下CLUB UPSET公演で一旦幕を閉じたが、2月18日の東京・Zepp Tokyoを皮切りに追加公演として「たぶんちょうど、そんな感じ」と題したツアーが実施される。彼らはこのツアーで3月8日の大阪・なんばHatchまで全8公演を行う。

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クリープハイプ「全国ライブハウスツアー『わすれもの~つま先はその先へ~2016』」2016年1月21日 赤坂BLITZ セットリスト

01. 愛の標識
02. NE-TAXI
03. 左耳
04. リバーシブルー
05. ABCDC
06. 週刊誌
07. 火まつり
08. おやすみ泣き声、さよなら歌姫
09. バイト バイト バイト
10. グレーマンのせいにする
11. 風にふかれて
12. 二十九、三十
13. あ
14. 身も蓋もない水槽
15. 社会の窓
16. HE IS MINE
17. リグレット
18. 蜂蜜と風呂場
19. SHE IS FINE
20. イノチミジカシコイセヨオトメ
21. 手と手
<アンコール>
22. 新曲(タイトル未定)
23. わすれもの

クリープハイプ「全国ツアー『たぶんちょうど、そんな感じ』」

2016年2月18日(木)東京都 Zepp Tokyo
2016年2月19日(金)東京都 Zepp Tokyo
2016年2月24日(水)愛知県 Zepp Nagoya
2016年2月26日(金)福岡県 DRUM LOGOS
2016年3月1日(火)宮城県 Rensa
2016年3月3日(木)北海道 札幌PENNY LANE24
2016年3月7日(月)広島県 広島CLUB QUATTRO
2016年3月8日(火)大阪府 なんばHatch

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